二人の殺人鬼 4
男は少年に銃口を向けながら胸ポケットから煙草を取り出し口にくわえる
白い煙を口から少し漏らしながら男は淡々と
「死ぬ前にに何か言い残したことはあるか?少年」
唐突の質問に少年は戸惑いながらも
「俺はここで死ぬのか・・・・・」
震えた声でそう呟いた
「ああ死ぬ お前を殺すことが今回のミッションだからな」
「そうか・・・・俺は死ぬのか・・・・」
少年は全身から力が抜けるのを感じる。先ほどまで握りしめていたナイフが音を立てて地面に落ちる。
少年の目からは徐々に生気が失われていく。
自らの死を悟ったのであろう。
「言い残したことはないか」
少年はこの男の問いには何も答えなかった
男は吸い終わった煙草を地面に落とし靴で踏みつけてその火を消化する
そして銃の引き金に掛かっていた指をゆっくりと曲げていく
その光景をみて少年はとっさにギュッと目を瞑った。
目を瞑って弾が避けられる訳もないが少年は本能的に死の恐怖から目を瞑ったのだ。
しかし、辺りに銃声は鳴り響かなかった
少年は恐る恐る目を開ける
目の前には男の姿があった 先ほどまでとは違う所は銃が下ろされた事であった
少年はハッと驚きながらも
「どういうつもりだ?」
「それはなぜ撃たなかったのかって聞いているのかい?」
男は少しいやらしく笑う
「俺を殺す それがあんたのミッションだろ」
少年は男の意図を読もうと顔色を窺うが男の貼り付けたような笑顔からは何も分からない
男はいったい何を考えているのだ といった疑問が少年を惑わせる
「君に一つ質問があるんだ。君を殺すのにはそれが終わってからでも問題はない」
「質問だと?俺に何が聞きたいって言うんだ」
「なーに簡単な質問さ君ならすぐに答えられるだろうさ」
男はそういうとポケットから煙草とライターを取り出し吸い始めた
少しして男はこう呟いた
「君は何を思いながら人を殺す?」