二人の殺人鬼 1
カツカツと足音が聞こえる
それは自分に迫ってきていると少年は察する。
だが少年にはどの方角から足音が聞こえてきているのかは分からない
しかし少年はすぐさま自分の敵だろうと気が付く
それもそうだ
こんな夜中に、しかも今にも崩れそうなこの寂れたビルに用がある人なんているわけがない
自分の敵はどこから来ているのか分からない
普通なら逃げるか隠れるかまたは戦闘の準備をするところだが少年は何もしなかった
少年は少し落ち着いていたのだ
いや待っていたといった方が正しい
少年は静かに足音がこちらに近づいてくるのを待った
足音の方もゆっくりと、しかし確実に自分に近づいてくる
カツ カツ
風の音すら聞こえないこのビルに一定のリズムが刻まれる
そしてその音は次第に大きくなっていく
カツ カツ カツ
音は突然消えた 辺りに少しばかり静寂が訪れる
足音消えた理由は少年には分かる
その眼には窓から差し込む月明かりの他にもう一つ別の物をとられていた
そう足音の犯人はいつの間にか自分の数メートル先にいた
暗くて良くは分からないが身長は高めで警官の帽子を被っている 体つきや輪郭から性別は男であろう
そして左手には棒状の武器のような物を所持している
このことに少し驚きながらも少年はその男に声をかける
「やあ、君が新しい警官かい?」
男が話始めるまで少しの沈黙があった
胸ポケットから拳銃を取り出すと
「警官?それは違うな」
月明かりの差し込む薄暗い部屋の中に少し低い男の声が響いた
少年は驚く
その男が警官でないことや自分に銃先を向けてきたことに
普通警官であるならばまずを拘束を試みるはずだが男は自分に攻撃をしようとしているからだ
『この男は警官ではない』これは事実のようである
そしてこの男の目からは殺意感じる いやこの男全体か殺気が出ている
しかし少年は恐怖など感じてはいなかった
むしろ興奮していた そして少年も殺意に満ちていた
その猟奇的な目は餌に餓えた獣のように男の銃先を睨んでいた
男もまた右手に銃を構えて少年に銃口を向ける
しかし男は落ち着いていた それは長くにわたる戦闘の経験からの余裕からである
綺麗に磨かれている男のハンドガンの銃先は少年の眉間に向かっていた
辺りに張りつめた空気が流れ始める
少年はナイフを取り出し両腕に構える 男は引き金に指を伸ばす
「お前に1つだけ質問だ、お前はジョージ・グラン 間違いはないか」
と男は少年に問う
「ああ、そうだよ」
という少年の声とともに二人の殺し屋は一斉に動き始めた。
初投稿なので分からないことだらけです。
是非とも皆さまのご意見を頂きたいと思っております。