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あなたと永遠の時を  作者: 九条 樹
第一章 高校時代
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第8話 【文化祭】桜の妹、愛花

 私にぶつかっていった桜が制止も聞かずに学校を飛び出して行った。

 どうしたんだろう?桜の様子がおかしかった。なんだか泣いていたようにも見えたし…

 彰弘に聞こうと思って捜すが見当たらない。委員長やクラスの皆に聞いてみたけど誰も知らないみたいだ。しばらく大輔と捜してみたがやっぱり見当たらない。

 とりあえず桜が心配なので私は桜の家に様子を見に行くことにした

「大輔、私は桜が心配だから今から桜の家に寄って行くよ」

「俺はもう少し彰弘を探してみる」

「うん、そうして。彰弘がいないからもしかしたら二人の間に何かあったのかもしれないしね」

「わかった」

「じゃあ私は帰るね」


 大急ぎで桜の家に行く。

「ピンポン~、ピンポン~」

 桜はちゃんと帰ってきてるんだろうか?少し不安だ。

 と、その時誰かが玄関口に出てきた気配がする。桜かな?

「はい、どちら様ですか?」

 違った。これは妹の愛花ちゃんの声だ。

「愛花ちゃん?私、優希です」

「あっ!優希先輩、こんにちは」

 私だと分かって満面の笑みで出迎えてくれる。

「こんにちは」

 しかし私は桜が心配で挨拶もそこそこ桜の事を聞く

「桜帰ってる?」

「うん」

 なんだろ?愛ちゃんがうつむきかげんに目を伏せる

「どうしたの?桜が帰ってるならちょっと呼んできてほしいんだけど。いいかな?」

「それがお姉ちゃん、なんだか凄い思いつめた顔で帰ってきて、今日は誰にも会いたくないって言って部屋にこもっているんです」

「ごめん、一応ちょっと声かけてみてくれる?」

「はい、ちょっと待っててくださいね」

 そう言って階段を駆け上がって行った

 しばらくして愛花ちゃんが戻ってきた。

「やっぱりお姉ちゃん、今は誰にも会いたくないって言ってます」

「そうなんだ、どうしてなんだろ?愛花ちゃん何か知ってる?」

「ううん、何も…私もお姉ちゃんの様子がおかしいからちょっと心配で、何度か部屋のドア越しに話しかけてるんだけど何も言ってくれないんです」

「そうなんだ…」

「優希先輩も何も知らないんですか?」

「うん、3~40分程別行動をしてたんだけどその間に何かあったみたいで…私も全くわかんないんだ」

「でもあんまり心配ないと思います。お姉ちゃんて些細な事でも直ぐに落ち込むタイプですから」

 愛ちゃんは心配していると言う割には満面の笑みだ。

「そんなことより、優希先輩文化祭の日喫茶店でウエイトレスするんですよね?お姉ちゃんに聞きました」

「うん」

 話しを変えられてしまう。

 私は桜の様子をもうちょっと聞きたいのだけど…

「初日の午前中ですよね?行ってもいいですか?」

「もちろん。愛花ちゃんなら大歓迎だよ、友達と一緒にきてね」

 愛花ちゃんはもうすっかり桜のことなど忘れたように楽しそうに文化祭の話しをする。

私は桜が心配でそれどころじゃないんだけど、満面の笑みで話す愛花ちゃんの話しを途中できれないので話しに付き合う。

 その後愛花ちゃんの話しが小一時間続きやっと開放される。

「あっ、優希先輩ごめんなさい。私ったらずっと引き止めてしまって」

「いいよ」

 心の中で苦笑いをする。

「じゃあ私はそろそろ帰るね。桜の事何か分かったら教えてね」

「はい。ちゃんと伝えます」

「うん、ありがとう。じゃあね」

 そう言って結局何も分からないまま桜の家を後にする。



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