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あなたと永遠の時を  作者: 九条 樹
第一章 高校時代
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第5話 【文化祭】買い物にて1

 大輔と自転車で学校近くの商店街にある文房具屋まで来ていた。


 私は大輔に聞いておきたいというか、確認したい事があった。

絵の具を物色しながらさりげなく言う

「大輔、ちょっと質問なんだけどいいかな?」

「うん?なに?いいよ」

「桜のことどう思う?」

大輔が驚いたような顔をしている。当然だろう・・・

「な、なんだよ急に。どうして突然咲原の話しがでてくるんだよ」

「彰弘が桜のこと好きで告白したの知ってるだろ?」

私はかまわず話しを続けた。

「ああ、それは知ってる。彰弘から聞いたよ」

「ふ~ん、彰弘から聞いたんだ」

「うん、告白して断られたけど全然諦めてないから応援して欲しいって」

彰弘のやつ桜が大輔のこと好きなのを知っていて大輔に応援しろとは・・・

「で?大輔は彰弘のこと応援するの?」

「う、うん・・・分からないけど、頼まれたから・・・」

桜が彰弘に告白された後、桜が好きなのは大輔だろ?と桜に言った・・・

あの時もう1つ気付いていたことがあってそれは桜には言いたくなかった事・・・

それはきっと大輔も桜の事が好きだってことだ。

でもそれは私の思い過ごしかもしれない、そう願いたい。だからその確認をどうしてもしておきたい。

「友達に頼まれたら自分が好きな人の恋愛を応援するの?」

少しキツイ聞き方をしてみた。

大輔が、今度は先ほどよりも数段ビックリしたような顔をする。

「え?な、何を言ってるんだよ、真下おかしいぞ?」

その態度を見てやっぱり大輔は桜のことが好きなんだな、と思ってしまう。

「だから大輔自身が桜のことを好きなのにどうして彰弘の応援をしたり、遠慮したりするの?友達だから?」

「ち、違うよ」

「何が違うの?桜のこと好きじゃないの?」

「どっちでもいいだろ。どうして真下にそんなこと言わないといけないんだよ、関係ないだろ」

やっぱり恥ずかしいのか本当の事を言いたがらない。

しかしその慌てぶり、好きだと言っているようなものだ。

だけどはっきりと大輔の口から聞きたかった。本当は聞きたくないけど・・・

このままだとラチがあかないだろうと思い、ちょっと誘導しようと考える。

「ふ~ん、別にいいけど。じゃあ桜のこと好きじゃないんだね?桜にそう言っておいてあげるよ」

「ちょっと待って、なんでそうなるんだよ。そうは言ってないだろ」

「じゃあやっぱり好きなんでしょ?」

「うっ・・・」

「別に隠さなくてもいいじゃない、大輔の態度を見てれば分かることだし」

「ええ?そうなのか?俺ってそんな態度とってる?」

「思いっきり・・・」

「そうかな?そんなはずないと思うけど」

「気を付けてるつもりでもなかなか自分では気づかないもんだよ」

「そうか・・・態度に出てたのか」

大輔の答えにしてやったりと思わずにやっとしてしまう。

「ふふ、やっぱり桜のこと好きなんじゃない」

大輔がしまった!というような顔をする。

「騙したな」

「何も騙してないよ。ちょっと確認したかっただけだよ、大輔が桜のことが好きだってことをね」

観念したように大輔が話す。

「もう隠しても仕方ないな、そうだよ俺は咲原のことが好きだよ」

自分から聞き始めたことだけど、大輔にはっきりと桜が好きだと言われると気持ちが沈む。

「じゃ彰弘に遠慮する事ないのに」

私は心にもない事を言ってしまう。

「でも彰弘も咲原のことがすごく好きみたいだから、俺もどうしたらいいか分かんないんだよ」

「そうか・・・そうだよね」

その後私も大輔も言葉が続かない。


 なんとなく気まずい雰囲気のまま買い物を始める。


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