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あなたと永遠の時を  作者: 九条 樹
第一章 高校時代
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第41話 【文化祭】ここはどこ?

 痛い。

 頭が痛い?

 ちがう顔が痛い?いや熱い?

 夢?

 痛い夢……

 痛い。

 こんな痛い夢は嫌、夢なら早く覚めて……


 あれ?桜?

 複数の原色が目の前でチラつく、その向こう側に桜がいる。

 どうしたんだろう?何かわめいているようだけど。

 夢の続きかな?

 それにしてもこの痛みはなんだろう?顔全体が熱いような痛み。

 夢の中なのに眠い。


 白衣?誰だろう?見たことのない人だ。

 まだ夢の続きかな?

 痛みはだいぶ引いた感じだ。先ほどと比べると痛くない。

 それよりこの白衣の人は誰だろう?

 手の感覚が…… あれ?私握手してる?

 左手を見ようとするが体が思うように動かない。

 やっぱり夢の中かな?

 もうちょっと寝ようかな。


 やっぱり誰かに手を握られてる。

 もう一度見てみようと目を向けると。

 そこに桜がいた。やっぱり桜だ。

 どうして桜が?

 眠いけどそろそろ起きなきゃ……

 意識が段々とはっきりしてくる。


「あれ?桜?」

「ゆきちゃん目が覚めたの?」

「手、痛い」

「ごめん強く握りすぎたみたい」

 なんだか深い眠りから引きずりだされた感覚だ。

 徐々に目が覚めてきた。

 誰か知らない女の人が私を起こす。

「わ!なんだ?お母さん、大輔?委員長も…… みんな何してるの?」

 誰だろ?白衣を着た知らない男の人。それにピンクの看護服?

 看護師?医師?

 ここって病院?

「真下さん、気分はどうですか?」

「どうと言われても…ちょっと眠いけど、それ以外は特になにも」

 辺りを見回すとここはどうやら病室のようだ。そして私の手には点滴の管が。

「あなたは交通事故に遭われましてここに運び込まれたのです」

 交通事故?私が?

「よく覚えて無いようですが、意識も戻りましたし徐々に思い出すと思います。それとあなたは右腕を骨折しています、あと肋骨にひびが入っているので安静にしていてください。頭の傷はそれほど深いわけではありませんが、動いて血が出るといけませんので止血の意味も含めて少し大袈裟に包帯を巻いているだけなのでご安心ください」

「痛っ」

 そう言われ頭を触ろうと右腕を動かした瞬間痛みが走った。よく見ると右腕はギプスがされていて簡単には動かせそうに無い。左手も点滴のため動かしにくい。

「それでは意識も戻りましたし、私は戻りますが何かあれば直ぐに連絡をください」

 そう言って医師は看護師ともども病室を出て行った。

「ゆきちゃん大丈夫?」

 桜は先生達が出て行くのを待ち構えていたように直ぐに泣きながら話しかけて来る。

「大丈夫だよ」

「でもずっと意識が戻らなかったから心配で」

「そうなの?どれくらい寝てたの?」

「一日半」

「へーそうなんだ」

「事故、覚えてないの?百貨店の前の交差点で車に撥ねられたんだよ」

 言われてみればそんなことがあったような…… 

 いや、思いだしてきた。そうだ。私車に撥ねられたんだ。

 車が迫ってくる情景を思いだし物凄い脂汗が噴出してくる。

 気分も悪くなってきた。

「どうしたの?顔色悪いけど大丈夫?凄い汗」

「大丈夫、ちょっと事故った瞬間を思い出しちゃって」

「ごめん。いやな事思いださせちゃって」

「いや、大丈夫だよ。こうして無事なんだし」



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