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あなたと永遠の時を  作者: 九条 樹
第一章 高校時代
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第36話 【文化祭】委員長が!

「ちょっと!いい加減にしなさいよ!」

 物凄く大きな罵声にびっくりし心臓が止まりそうになる。

 しかしその声で私の視界が元に戻る。

 見るとドアのところに委員長が仁王立ちしている。

「鮎川くん、さっきから黙って聞いていたけど何をぐちぐち言ってるの!言いたいことがあるならハッきり言いなさいよ」

 普段の委員長からは想像の出来ない剣幕に、鮎川くんも面食らったようにキョトンとしたま何度も頷いている。

「あなたがハッきり言わないから咲原さんが辛そうにしているでしょ」

「え?あぁそうだな。咲原大丈夫か?」

「うん、大丈夫だよ」

「そうか・・・」

 また言葉が途切れる。


「鮎川くん言いたいことあったんでしょ?言わないの?」

「え?今か?」

「今言わないでいつ言うのよ」

「だけど」

「私が邪魔だって言うの?」

「いや、そうじゃないけど」

「じゃぁ早く言いなさいよ。いつまでもこのままじゃあ話が進まないわよ。ドアの陰で中に入りたいのに入れないでずっと待ってたのよ」

「うん」

と言ったきりまた鮎川くんは黙ってしまった。


「もう、じれったいわね。咲原さんが好きなら好きとさっさと言いなさいよ。簡単な事でしょ」

「なっ、委員長なんてこと言うんだ」

「あら、違うの?私間違ったこと言った?もしかして鮎川くんは咲原さんのこと嫌いだったの?」

 鮎川くんが慌てて私の顔を見る。私は恥ずかしくて鮎川くんの視線から逃れるように俯く。

「委員長が変なこと言うから咲原が困ってるじゃないか」

「困っているのはあなたがはっきりしないからよ、いつまで待たせるのよ」

 二人のやり取りを聞きながら早くこの緊張感から逃れられないかと考えていた。

 ドキドキが激しくて胸が痛い。鮎川くんが私を好きだっていうのは葵くんからも聞いていたけどこの緊張感に耐えられない。

 でも委員長ってこんな激しいタイプだったかな?

 なんだかゆきちゃんみたい…… そんな事を考えながらゆきちゃんのベッドを見つめる。

 そして意識をゆきちゃんに移すことでこの緊張感から逃れようとする。

 ゆきちゃん、早く起きて……


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