8話 パイロキネシスの練習
「やぁ…力を使ってどうにか生き延びているようだね」
「エアロ!おまえ」
「まだ使ってない能力があるようだね、もしものときに備えて練習しといたらどうだい?」
「最近忙しくて新しい能力を試す機会がなかったんだよ」
「どの能力も身につけておいて損はないよ、沼で見つけた赤い石の持ち主キミならわかるんじゃないか?」
「あの一瞬だけ映像が見えたあの石のことか?」
「それは物体の記憶を読み取るサイコメトリー能力が発動したんだよ、訓練して鍛えるといい」
「サイコメトリー…か…それはそうと体がだるいんだが」
「力の使いすぎだ、副作用ってやつだよ」
「副作用なんてあるのかよ」
「当たり前だよ、無限に使えるわけないだろ、それだけ脳に負担がかかっているんだ」
「それにキミはまだ未熟なんだから使いどころ考えなよ」
「あとキミに言い忘れてたことがあって、キミのアパートの部屋にいた女性は」
「あの幽霊のことか?」
「そうその人だよ、あの人はね」
コンコン…部屋にノック音が響き渡る。
「お客さんみたいだよ」
「いやお客さんより幽霊の方が気になる続きを」
コンコンコンコン…
ここで目が覚めてしまった。
「夢…か…?」
仕方なく立ち上がり、「はい」とドアを開けるとそこにはダリアとララが立っていた。
「こんにちは、体調どう?昨日の戦いは激しかったからね、心配で様子を見にきたよ」
「うーん、だるいけどなんとか」
「そうなんだ、大丈夫?」ダリアが心配そうに尋ねる。
「あっあのこれを持ってきました」ララはそう言って見舞いの品を差し出してきた。
「これは?」
「ゲンキダ草を乾燥させすりつぶした粉です」
「ゲンキダ草?色んな草があるのねこの世界…それでどんな効果があるの」
「疲労回復です」
「わかりやすいネーミング助かる」
「食後にどうぞ」
「それ結構効くよ、うちが保証する」
ふとダリアの服を見ると普通の服を着ていた。
「今日はビキニアーマーじゃないんだな」
あっしまった。
ボ~っとしているせいか考えてることをつい言ってしまった、
「ふふっ残念だった?、今日はうちらも休みにしたんだ」
「えっあ…いや」 残念だけど
「じゃあそろそろ引き上げるよ」
「お大事にしてくださいね」
「ああ、ありがとう」
彼女たちが帰った後少し寝てから食事しに下へ降りる。
食後にララにもらった粉を飲んでみた…「苦っ!ああ苦いもう一杯」などど言いつつ自分の部屋に戻り寝た。
次の日…ゲンキダ草の効果はすごく、だるさがとれていた。
エアロに言われたからってわけじゃないが、今日は能力の研究でもするかな。
そう思い湖に来た、ここならパイロキネシスが試せる。
ここへ来る途中に小枝を集めてきたのでそれを湖のそばに置く、燃えろと念じながら手のひらを小枝に向ける。
やがて小枝に小指の爪くらいの火が付いた。
「よしっ!成功したぞ」
次は小枝を複数並べて着火するか試してみた。
複数の小枝に意識を集中して念じる燃えろ!
よしっ!小さい火だが複数の着火に成功した。
では次の実験に進もう、これは小枝を動かさずに火のみを操れるかどうかやってみよう。
動け!火だけ動け!と念じながらサイコキネシスで火だけを動かす。
成功はしたが、ちょっとしたらすぐ消えてしまった、火を維持しながら動かすのはなかなか難しい。
「これは訓練が必要だな」
次の日から湖に行きパイロキネシスの練習を開始した。
火力の調整も試してみよう。
火を強くしたり、弱くしたりすることで、どの程度の火力を自在に操れるかを確認するのだ。
再び湖のそばで集めた小枝を燃やし始め、火の強さを調整することに集中する。
手のひらの動きや念じる強さを変えながら、火が大きくなったり小さくなったりするのを見て、能力の精度が上がっているのを感じた。
「よし、これで基本的な火の操り方はだいぶ掴めたな」
その後数日間、パイロキネシスの練習を続け、次第に炎の操り方にも慣れてきた。
それにしても今日はとても風の強い日だった、急に突風が吹いて体を持っていかれそうになる。
「ふぅ…今日はもうこれくらいでいいだろう」
湖の練習終えて街へ戻ると遠くの方から騒ぎが聞こえた
「すまない急な突風で火が煽られて引火しちまった」
「そんなことはいいから早く水魔法使える人を呼んで来い」
「うおおお火事だーおれのおれの屋台があああ」
「おいこのままだと他の屋台にも燃え移るぞ」
「はやく消せー」
どうやら火事が起きているらしい
みんなは屋台の方を向いているし。
少し離れたここからなら、集中できるかもしれない。
パイロキネシスで火を操れるなら、火を抑えることもできるはずだ…やってみるか。
俺は燃えている屋台に向けて手をかざし念じはじめた。
火よ消えろ、消えろと念じながら、火を抑え込もうとする。
しかし、早く消さなくてはという焦りからなかなかうまくいかない。
「もっと集中だ…火の動きを感じて、逆に抑え込むんだ」
何度も試みるうちに、徐々に火が小さくなっていくのを感じた。
俺は全力で火を抑え続けた。
やがて、火は完全に消えた。
「よし…成功した」
「うぉなんだ!いきなり火が小さくなって消えたぞ」
「なにが起こったんだ」
「おい水魔法使える人を呼んできたぞってもう消えてるじゃねぇか!」
みんなが不思議がっていたが、俺は宿屋に帰って寝た。




