17話 電気ウサギ 後編
後ろから衝撃を受けた俺はそのまま吹っ飛び、目の前の木にぶつかる寸前に
テレポートで回避し体勢を立て直す。
落ち着いてまずは状況を把握せねば。
目の前にいたのは、巨大な電気ウサギだった。
「でかっ」
だが落ち着け俺。
角に注意してピカピカしたら避けるだけだ。
やることは変わらない。
「角が光り始めた。さぁ来…」
光ったと思ったら俺の横の木が裂けた。
「ひっ…こいつ雑魚と違って撃つの速くね?とにかくここにいるのはまずい」
俺は奴の後ろにテレポートした。
「うぷっ!なんだ」
その時に俺の顔に何かが飛んできて目に入った。
混乱している中、こちらに向かって走ってくる足音が聞こえた。
すぐさま千里眼で確認する。
「突っ込んでくる気だ」
俺は少し離れた木の枝の上にテレポートした。
顔に付いたものを払いながら何をされたか考えた。
奴の後ろに現れた時に一瞬だけ見えたところから推測すると、どうやら後ろ足で俺の顔を目掛けて土をかけられたようだ。
「よくもやってくれたな。今度はこっちの番だぜ」
俺はナイフを3本取り出し奴に向かって投げた。
「それ行ってこい」
サイコキネシスでナイフの軌道を操る。
1本目は正面から、2本目は真後ろから、3本目は真上から攻撃する。
ナイフに気づいた奴は正面のナイフを電撃で弾いた。
後ろから来たナイフには土をかけて軌道を逸らそうとする。
そうはいくかと、こちらもナイフを操り土を避けて奴に接近させる。
「よしこのまま突き刺す」
しかしあと一歩のところで角でナイフを弾かれた。
そのナイフは勢いを失わず、まるで計算されたように真上から迫るナイフにぶつかり、そちらも弾き飛ばしたのだ。
「あいつ角度を計算して弾いたのか!物理学でも習得してるのかよ。さて次はどうするかな…なんだ!?」
木が突然傾いた。
奴が俺のいる木に体当たりをかましてくる。
考える間もなく奴に居場所がばれてしまった。
そのまま地面へと飛び降りる。
着地と同時に、角から激しい電撃が走る。
それをギリギリのところでかわす、振り向くと奴がこちらに向かって一直線に駆け寄ってきた。
逃げながらどうするものかと考えていると、思いつくことがあった。
「そうだあの場所に行けばどうにかなるかも、そのためには余力を残しておかなければいけない、あまりテレポートを頻繁に使うわけにはいかんな」
奴は俺を逃がすまいと言わんばかりに追ってくる。
「いいぞ追って来い」
繰り返し放たれる電撃に気を付けながら電気ウサギのボスを誘導していく。
突然目の前に電撃が落ちて止まってしまった。
「誘導に気づかれたか?くそっ、あともう少しなのに」
俺は素早く周囲を確認する。
電気ウサギのボスは動きを止め、じっと俺を見つめていた。
その赤い目が、まるで俺の計画を見透かしたかのように光っている。
俺は正面を見ながら後ずさる、奴はじりじりと俺に詰め寄る。
やがて後ろの木にぶつかった。
その瞬間角が光り始めた、俺は横に飛んだ。
角から放たれた電撃が木に直撃し、幹が焦げ、大きな音を立てて奴の方に倒れ始める。
今のうちに全速力で走りはじめた、奴は倒れてくる木を躱し再び俺を追い始める。
やっとの思いで目的地にたどり着いた。
「かかったな…くらえ!」
俺は多数の電気ウサギの死体一斉に操り、角を奴に向けて全方位から攻撃を仕掛けた。
電気ウサギのボスのいたるところに角が突き刺さる。
たまらずにかん高い声をあげて倒れた。
「はぁはぁはぁ…終わったか?」
でかい死体を確認したが息絶えていた。
あまりにも疲れたので、ボスの上に倒れこんで少し横になっていたら、気持ちよくてそのまま眠ってしまった。




