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第3話 泣いた爆弾処理班と泣いていない爆弾

『ペケポン県ウンタラ市で大規模な火災事件が発生しました。ウンチャラ県ナントカ市でも観測された…赤い鳥のような飛翔物体がビル街を飛び回り、会社ロード辺り一面に… 死者数は現在判明している人数で12人…』


結局、気を失った後はまた保健室へと行くハメになりま〜たメカ山先生のお世話になってしまった。どうやら頭痛えな〜とか言える状況でもないらしく、メカ山先生が狐山さんと、知らない男子生徒を連れて俺を深淵神社まで運んで行った。今は神社の関係者部屋に上がらせてもらってテレビを見ている。横の部屋で何やら話している様子だがテレビの中の件の原因が俺で、大変なことになっているのは軽く予想がついたし、軽く予想出来るには重すぎる事実が俺を襲った。俺は今少なくとも12人を殺しているわけだ。


「…飛騨、くん」

「狐山さん」


重苦しそうな顔をした、普段はにこやかな狐山さんがそこにいた。泣きそうな顔をしている。


「その…ここに呼んだ理由っていうのはさ、なんとなく分かってるかもしれないけど… テレビでやってる、アレのことでさ」

「うん」

「貴方を部室に呼んだのもそれでね、こうなる前に…こうなる前にどうにかしないとなぁってね…」

「うん」


相槌しか打てない。


「多分君の中には怪異…化け物が潜んでいてね、何かが引き金となってその化け物がこの世界に出現するっていう仕組みなんだけど…」

「その引き金に…倉井さんが絡んでるってことだよね」

「合ってる…うん、間違いない」


2回しかない『愛不死鳥』の出現、その状況から考えると俺が倉井さんにドキドキすると出てきてしまうのだろう。


「その引き金は、恋する、ドキドキする心だとと思う…」


世界一恋心という単語がワクワクしない会話である。本当に、恋心という単語を使う以上はワクワクしたいけれど、沈んだ感情しか出てこない。


「私と喋ったあと倉井さんに会ったんだよね」

「狐山さんに恋愛相談したくて探してたらしくてさ。それで少し俺と話をして狐山さんと恋愛相談するって言って、俺かなって思ったら…愛不死鳥ってのが脳内に出てきて…」

「私のせいだからさ…気を落とさないでよ…本当に…ははっ…馬鹿だよね私…本当に君にも倉井さんにも…あぁっ、なんで…」


畳の香りがする、和風で落ち着いた雰囲気の部屋なのに少女の慟哭しか聞こえない。こんな時なんと声をかければいいのかも分からない。現実味のない殺人の事実が俺たちを襲っている。重大なミスを自覚した少女と、まだ自覚し切れていない当事者の俺。何も受け入れたくない。悲しみも苦しみも考えたくない。


畳の上で立ち尽くす俺を扉の奥から俺を呼ぶ声がした。狐山さんはまだ泣いている。この部屋にいても何も出来ないのですぐさまそっちに行ってしまった。


「飛騨クン、お疲れ様でス、メカ山でス」


見知った顔のロボットと…うちの学校の生徒らしき男性、白衣の女性、明らかに神主っぽいハンサムな中年男性がいた。


つづく

初めまして、蠍大王ハブと申します。

初投稿で拙い文章だと思いますが、これから成長していきたいと思っているので応援よろしくお願いいたします。

第1話でこういう後書を書けば良かったと後悔しています。

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