表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
なんか桃太郎  作者: 紙緋 紅紀
7/29

マイアミ オブザ デッド

桃太郎の育てのババは、タモさんが付けているような黒いサングラスをかけ、マイアミの温暖な日差しの中、ピンク色のオープンカーで、海沿いの道路を颯爽と片手ハンドルで飛ばしていました。

すると、突然、車道に女性が飛び出し、ババは、その女性をおもくそ轢いてしまいました。

ババは、すぐにピンク色のオープンカーを停めます。

轢かれた女性は、むくっと立ち上がり、何事もなかったように、また、歩き始めました。

ババは、その女性を後ろから、ピンク色のオープンカーに乗ったまま、猟銃で撃ち抜きました。

後頭部を一発で仕留め、女性は、倒れて、そのまま動かなくなりました。

そんなババにアメリカンポリスメンが近づいて来ます。

アメリカンポリスメンは、横から右側頭部を撃たれ、倒れて、動かなくなります。

撃ったのは、猟銃を片手に持つババと御揃いのサングラスを付けている桃太郎の育てのジジです。

ジジは、ピンク色のオープンカーのババの隣りの座席に乗り込むと言いました。

「まったく、桃太郎のせいで、こんなところにまでゾンビが溢れかえっとるわい」

「元はと言えば、おじいさんが、桃太郎の二十歳の誕生日に次元間移動装置をプレゼントしたのが、原因でしょ」

ババは、呆れたようにジジに言いました。

「だって、あの時は、こんなに世界の時空が歪んで、ハチャメチャのぐちゃぐちゃになるとは、思わなかったんだもん」

ジジは、頬を膨らまして、すねます。

そんな二人の前でビルが吹き飛ばされて、豪快な音を立て、粉々に砕け落ちます。

「怪獣まで出たんじゃ、わしらじゃ、どうにもできんぞ、桃太郎」

ジジは、巨大な黒い生物を見上げ、どこにいるかもわからない桃太郎に言います。

巨大なごつごつとした黒い怪物は、ジジとババの目の前で、飛んで口の中に入って来た者に脳髄を貫かれ、地響きを起こして、倒れます。

「今のは、なんだ?鳥か飛行機か、いや、あれは、野原のヒーロー、バッタマンじゃ!!」

「おじいさん、違いますよ。バッタマンは、第136話で死んだじゃありませんか。あれは、バッタマンの死体をマッド博士が改造して作ったメタルバッタマンですよ」

「え?そうじゃったか?確か、シーズン3でマッスルぅバッタマンになったんじゃ?朝のアニメ劇場、たまにしか見んから、わからんのう」

「おじいさん、それより、せっかく、アメリカまで来たんだから、チャイナタウンに寄って行きませんか?」

「なんでじゃ?あんなところ、どうせ、油っこいもんしかないじゃろ?」

「精のつくものが、食べたくて」

「なんでじゃ?」

「ワタシ、できたみたいなんですよ」

「なにが?」

「桃次郎が」

ジジは、時が止まったように、一拍、動きを止め、

「でかしたーーっ!!」

と叫びました。

その日、次元間移動装置でまだ平和なチャイナタウンに寄った二人でしたが、ババだけでなく、ジジにも精がついてしまい、モーテルで久しぶりに激しく熱い夜を取り交わしたそうです。

桃次郎だけでなく、桃三郎が生まれる日も、そう遠くない未来でしょう。

めでたし めでたし

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ