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なんか桃太郎  作者: 弥馬田 ぎゃん


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ゴールデン桃太郎VSアルティメット桃太郎

猿こと木下藤吉郎は、桃太郎の

「ピロリロリン♪ピロリロリン♪」

という弾んだ声で飛び起きました。

ハッ!! と今まで起きたことが、走馬灯のように脳を駆け巡ります。

木下藤吉郎が、そっと自らのこめかみに触れると、そこには、まだ人差し指程の穴が空いていました。

下半身を見ると、愚息が今まで見たことがない程、血管を浮き上がらせて、真っ赤にぱんぱんに張り詰め、背伸びし、元気になっていました。


「ありゃ、こりゃ、ワシ、ボッキーゾンビになっでねぇか?」

猿(木下藤吉郎)は、全てを理解しました。

そこにフルーチンポン状態の桃太郎が右手にマジカルステッキを持ち、スキップでご機嫌そうにやってきます。


「新しい信長様!!」

猿は、桃太郎に殺された記憶は、ありましたが、即座に桃太郎に平伏しました。

「わたくしめを蘇らせて頂き、有難き幸せでございまする!!」

ゾンビになっても、頭の回る猿は、全てを理解し、自らがその場ですべき対応がわかっていました。


「うむ、ハゲネズミよ。そちに蘇った死者の兵団の指揮を任せるが故、見事、ホシアカリノミコトヌシ率いる神々の兵団を討ち滅ぼして見せよ」


「はっ!!かしこまりてございまする!!」

桃太郎にハゲネズミ呼ばわりされた猿は、ボッキーゾンビになることで桃太郎の軍門に強制的に下ることになった神話の戦士たち、信長軍の鎧武者、鬼達、鬼ヶ島決戦で死んだ全ての者をまとめて、ゾンビ兵団を作り、ひきいて、戦場に向かいます。

走るゾンビの愚息がぺちぺちぺちと鳴る音が鬼ヶ島中に広がり、ホシアカリノミコトヌシ率いる神々の軍勢は、苦戦を強いられました。

何せ、戦いが進むにつれ、戦いで死んだ神々が次々とボッキーゾンビになり、桃太郎の軍勢に加わり、敵となるのです。

戦いが長引けば長引く程、ホシアカリノミコトヌシ側の形勢は、不利になっていきますし、アメリカの核ミサイルが着弾し、鬼ヶ島が沈むまで、あと10分もありません。


歯噛みするホシアカリノミコトヌシの前に愚息を赤いリボンでラッピングした桃太郎が、

「るんるん♪ぶらぶらソーセージ♪」

と歌いながら、やってきます。

「やっと二人きりになれたね♥」

と桃太郎は、周りの戦場を無視するようにホシアカリノミコトヌシにウインクして言いました。

ホシアカリノミコトヌシの今の姿は、地に着くほどの長さの銀髪ロングヘアーのつるぺた幼女です。

規制の厳しい外国向けに今は、全裸ではなく、申し訳程度に面積の小さい細い布を胸と秘部にまとっています。


「我とサシでやり合うというのか?人間の分際で!!」

ホシアカリノミコトヌシは、桃太郎を神々しい眼光で睨みつけますが、桃太郎は、平然としています。


「わたくし、人間じゃなくて、ホムンクルスですのよ♥」


「人造人間も《人間》だろうが!!神と対等に渡り合う存在にでもなったつもりか!!桃太郎!!」

激昂したホシアカリノミコトヌシの右手が輝かしい黄金色に光ります。

その閃光から一人の男が時空を歪めて、にゅるんと現れます。

その者は、桃太郎と同じ顔、同じ肉体をしていましたが、髭をきれいに整え、髪型は、ぺったり光る七三分けでした。

そして、ブーメランパンツ一丁でもなければ、全裸でもなく、愚息をリボンでラッピングもしておらず、ジェントルメンなフランス料理店にでも行くようなブランドものの高級スーツを着ていました。


「この者は、数あるお前のパターンの中から唯一、我の軍門に下った桃太郎よ。我の配下につく代わりに金と権力を存分に与え、今の今まで、この時の為にパワーアップさせておいたのよ。こやつは、お前らどの桃太郎とも違う特別製、ゴールデン桃太郎じゃ!!」

ホシアカリノミコトヌシが、そう言い放つと、

ゴールデン桃太郎は、

「略して、金太郎とお呼びください」

と深々と桃太郎に対し、お辞儀しました。


「モノマネできたりする?」

「はい〜?」

桃太郎に言われて、ゴールデン桃太郎は、頭を上げます。

桃太郎は、そこにめがけモンゴリアンチョップをかますが、ゴールデン桃太郎に軽く受け止められます。

「ご冗談を」

とゴールデン桃太郎は、ほくそ笑みます。


「ぬう」

と桃太郎は、眉を寄せ、愚息をおっ立て、聖水をゴールデン桃太郎に顔射しました。

これには、堪らず、ゴールデン桃太郎は、掴んでいた桃太郎の両手を離し、桃太郎を解放します。

桃太郎が距離を取る間にゴールデン桃太郎は、胸ポケットのハンカチーフを取り出し、顔を拭いました。


「どうやら、私は、ちょっと、桃太郎にしては、お上品過ぎたようですね。ここからは、もっとも、フィジカルで、もっとも、プリプリプリティで、もっとも、メタモルフォーゼな桃太郎流でいかせて頂きます」

ゴールデン桃太郎は、そう言うと空高くに浮上していき、ズボンのチャックを下ろして、自らのイチモツを取り出しました。そして、

「ゴールドスプラッシュ!!!!」

ゴールデン桃太郎は、自らの聖水を辺り構わず、上空から撒き散らしました。

すると、聖水を浴びた地上のボッキーゾンビ達は、次々と溶けていきました。

「ハハハハ!!私の年収は、ホシアカリノミコトヌシの力によって、8000億円!!その圧倒的財力の違いによる劣等感とションベンをかけられたという屈辱による二重のストレスによって、全ての生物は、自らの存在を溶かして消してしまうのだ!!これこそ、本物の金持ちしか手にできない金の力だ!!!!」


高笑いしながら、ゴールデン桃太郎が放出するションベンを桃太郎は、余裕で避けて、一滴も浴びませんでした。

やがて、ゴールデン桃太郎は、ションベンが切れ、ホシアカリノミコトヌシから授かった神通力による空中浮遊をやめ、地上に降り立ちます。

そして、ゴールデン桃太郎は、内ポケットから分厚い100万円の札束を五つ取り出し、それで桃太郎の頬をなぶりました。何度も何度も往復して。


「どうだ?無職のお前には、一生かかっても、稼げない金だぞ!なのに、私にとっては、日給以下だ!私は、ホシアカリノミコトヌシ側につく事で全てを手にした!金の力で女も好きなだけ抱いたぞ!お前の好きなあのアイドルもあの女優もあのグラドルも何度も抱いた!一方、お前は、どうだ?自分が描いたエロ本を取り戻すのに、何年もかけて、身体を鍛えて、次元まで移動して、どうせ、童貞なんだろ?ピーチボーイならぬチェリーボーイ!!さくらんぼ太郎に改名したら、どうだ?どうだ、ただ札束ではたかれてるだけなのに、痛いだろ?これが、私がホシアカリノミコトヌシから授かった能力ギフト、金による相手の劣等感を力に変える力《金持ちマウンティング》だ!!」

言って、ゴールデン桃太郎は、トドメに札束で桃太郎の脳天にチョップを食らわそうとしましたが、

桃太郎にそれを手首を掴まれ、防がれてしまいます。


「何故だ!?お前は、もう私の金持ちマウンティングによる経済的劣等感で動けないはず!!」


桃太郎は、ゴールデン桃太郎と目をまっすぐ合わせ、涙を流していました。

「わかるぞ。金太郎よ。結局、名を変え、神に平伏して、金を手に入れても、何も手に入らなかったんだな。伝わるぞ。お前の空虚な気持ちが」


「何をバカな……」

と言いながら、ゴールデン桃太郎も気づけば、涙を流していました。


「俺の能力は、他者の記憶を継承する《記憶同調》。その能力を使って、手に入れた全ての世界線の人間の一京個のスキルのうちのポイリー・カタルシスのテレパシー能力でお前の悲しみが確かに伝わってきたぞ」

そう言う桃太郎に目を合わせ、涙を流しながら、ゴールデン桃太郎は、驚愕し、目を丸くしました。


「一京個のスキル……本当に集めたのか!?では、お前が桃太郎の中の桃太郎、あの伝説のアルティメット桃太郎だと言うのか!?」

桃太郎は、ゴールデン桃太郎の手首を掴んだまま、空中へと空高くへと浮上して行きました。


「今、楽にしてやる、友よ」

「何をするつもりだ!?貴様!!」

桃太郎は、すでに泣いていません。

その冷徹ささえ、感じる静かな青い瞳にゴールデン桃太郎は、ゾワッとしたものを感じます。

もう一人の自分だから、わかるのです。

こういう目をしている時の自分が何をしでかすのか。

「ほら、もう見えるだろう?」

と桃太郎に言われ、ゴールデン桃太郎は、空を見上げます。

そこには、見たことのないピンク色の月が浮かんでいました。

そして、そのピンク色の月は、段々と大きさを増していきます。


まさか、近づいている!?


「なんなんだ?あれは?」

全細胞が生命の危機を感じる中、ゴールデン桃太郎は、呆然とした口調でアルティメット桃太郎に尋ねました。

アルティメット桃太郎は、言いました。

「こりん星だよ」と――。


「バカな、あの惑星は、存在しないはずだ!!」


「この島は、今、時空嵐で全ての世界線と繋がっている。俺たちの世界線には、こりん星は、存在しなくとも、どこかの世界線には、こりん星は、実在するんだ。それを別世界線の佐藤実から手に入れた能力を使って、今、引き寄せている。地球をS極、こりん星をN極にしてね」


「バカな、そんなことが許されるはずがない!!著作権は、どうなってるんだ!?こりん星の著作権は!!」


「こりん星に著作権は、ない。こりん星は、みんなのものだ」


「いや、ゆうこりんのものだろう!!」

ゴールデン桃太郎が、そうツッコミを入れた時には、すでにこりん星は、大気圏に突入していました。


「なんの為に、こんな事を!?」

ゴールデン桃太郎に問われ、アルティメット桃太郎は、やはり、平然と

「俺たちの宿敵ホシアカリノミコトヌシを殺す為だよ」

と答えました。

「ホシアカリノミコトヌシは、地球の神だ。地球が無くなれば、地球の神も死ぬ」


「わかってるのか!?この島は、今、時空嵐で全ての世界線と繋がっている!!この世界線の地球が爆発すれば、全ての世界線の地球が巻き込まれて、爆発するんだぞ!!次元が崩壊する!!死ぬんだぞ、みんな!!お前もだぞ!!アルティメット桃太郎!!」


「いや、俺は、死なないよ。一京個のスキルがあるからな。だから、俺以外は、別に全員、死んで構わないんだよ。一京個のスキルを使って、また新しい世界を作るつもりだからな。そこでは、ホシアカリノミコトヌシではなく、俺が神になるんだ」


「貴様ァーーー!!ゴールドっ」

ゴールデン桃太郎は、何か技を発動させようとしましたが、技を発動する前にアルティメット桃太郎に片手で首をねじ切られ、首無し死体と生首となって、地面へと落下してしまいます。


「アディオス。金太郎。お前じゃ、主人公にもラスボスにもなれなかったな。まぁ、主人公が本当の悪だったなんて、よくある話さ」

アルティメット桃太郎は、そう言ってから、地上にいる神であるホシアカリノミコトヌシを見下ろします。


ホシアカリノミコトヌシは、アルティメット桃太郎と近づいてくるこりん星を見上げながら、

「おぉ、神よ」

とつぶやきました。


そうして、こりん星と地球は、衝突し、

こりん星も地球も木っ端微塵に砕け、爆発し、消滅してしまいましたとさ。

おしまい

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