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なんか桃太郎  作者: 弥馬田 ぎゃん


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22/29

鬼ヶ島四天王 三人目 激強空手家サンピースルノスキー

犬(犬神響也)は、宇宙リーグ編でホシアカリノミコトヌシの神の加護を受けていて、常人よりずっと強い攻撃力とタフネスさを授けられている。

が、その犬は、180cm程の巨躯の白鬼にいいように、ボコボコにやられていた。

白鬼の名は、サンピースルノスキー。ロシアから日本に空手を習いに来た留学生で、習得した空手の強さを買われて、鬼ヶ島四天王に抜擢され、鬼ヶ島永住権を得た男。

神の力によって、身体能力を底上げされていた犬であったが、所詮、戦いの素人。

サンピースルノスキーに攻撃を全てさばかれ、カウンターの拳を入れられてしまう。

「ぐへぇ……っ!!」

徹底した内臓打ちを決められ、犬は胃液を口から漏らし、両膝をつく。

そこに下がった頭めがけて、サンピースルノスキーの無慈悲な全力の蹴りが飛んで来る。

鬼島キル子は、それを身をていして受け止め、犬と共に蹴り飛ばされる。

「女。やはり、お前、桃太郎の仲間か?」

青い瞳でキリと睨み、鬼島キル子に訊ねるサンピースルノスキー。

「違うって、言ってるでしょ!」

サンピースルノスキーの前に立ち上がり、対峙しながら、言う鬼島キル子。

「なら、どうして、その男を庇う。その男は、桃太郎の仲間だろ?」

「私は、父さんと母さんを助けたいだけ!この人は、それを手伝ってくれてるだけって、何度も言ってるでしょ!」

「まるでわからん。何故、桃太郎の仲間がお前の両親を助けるのを手伝う?」

「あ〜、ラチがあかない!父さんと母さんからも、なんとか言ってよ!」

サンピースルノスキーの後ろには、鬼島キル子の両親がいた。母の胸に抱かれた5歳児のキル子が、キル子の前ですやすやと眠っている。

「お前がキル子なわけねっ!!未来から来たとか、わけのわからんこと言ってるんじゃねっぞ!!」

と言ったのは、キル子の父である。

「もう!なんで実の娘の成長した顔もわからないのよ!!」

「つまり、こいつは、未来から来ているフリをしている桃太郎の仲間。鬼の裏切り者という事でいいんだよな?」

誤解は解けず、サンピースルノスキーは、キル子からキル子の両親を守るようにして、キル子とキル子の両親の間に立っている。

そして、キル子に向け、無慈悲な全力の正拳突きを放つ。犬は、ダメージからまだ回復せず、身動きが取れない。

そこへ、

「ゲキコバ参上!!」

と言って、一人のピンクのレオタード姿の中年太り髭面ウルフカット男性が助けに入る。

キル子は、自分の替わりにサンピースルノスキーに殴られたその男性を見て、

「きゃーっ!!変態!!変態がいるわ!!」

と叫んだ。

都市伝説ウォッチャーゲキコバは、

「違うんだ!これは、ムーディーなお店でエッチなサービスを受けようとして、身ぐるみを剥がされ、仕方なく他人のベランダから盗んだ服を着ているだけなんだ!決して、女子の芳しい匂いがするから、盗んで着てるわけじゃない!!」

と鼻息荒く、叫ぶ。

ゲキコバが着ているピンクのレオタードには、3年A組ポテバランと油性マジックで書かれていた。

「単なる下着泥棒じゃん。犯罪者」

ゲキコバは、キル子の言葉は無視して、

「女子に拳を振るうとは、不届きな奴め!この獄真館空手黒帯のゲキコバが成敗してくれるわ!」

と正義の味方を気取った。

「ほう。獄真館空手」

サンピースルノスキーは、飢えた狼の目になる。

ゲキコバに向け、無慈悲な前蹴りを放つ。

ゲキコバの股間にそれは、炸裂する。

ゲキコバは、

「押忍!押忍!押ー忍っ!!」

と一喝するように叫んだ後、青い顔になり、悶絶して、その場に倒れた。

「何しに来たんだ?このおっさん」

犬は、言いながら、ふるふると震え、立ち上がる。

キル子とサンピースルノスキーの間に入り、

「今度は、僕が相手だ」

と言う。

「その意気や良し」

サンピースルノスキーは、嬉しそうに静かに笑った。

その瞬間、サンピースルノスキーは、後ろから胴に両腕を回され、ロック。ジャーマン・スープレックスをかまされた。

サンピースルノスキーは、突然の事で受け身も取れずに強かに後頭部をごりごりに固い地面に打ちつけ、沈黙する。白目を剥き、もうピクリとも動けない。

激強空手家サンピースルノスキーを一瞬のプロレス技で葬ったのは、髭面の彫りの深い青い瞳の毛深い男。

フレディ・カタルシスだった。

「邪魔者は消えた。さぁ、キル子さん。両親と共に早く、この島を出るんだ。港に私が潜水艦を用意しているから、それで脱出するといい。この島は、もうすぐ沈む事になる」

フレディ・カタルシスは、彫りの深い顔に似合わない流暢な日本語を喋った。

いきなり、助けに現れたフレディにキル子は、わけがわからなかったが、とりあえず、言われた通りに両親と幼い自分を連れ、逃げることにした。

「じゃあ、僕も」

とキル子に付いて行こうとする犬の腕をフレディは、掴んだ。

「君は、残るんだ」

「はひ?」

フレディは、犬の目を真剣な表情で見て、

「私は、タイムパトロールだ」と言う。

「私は、別の次元から桃太郎を始末しにやって来た。神なら桃太郎を始末し、今回のタイムパラドックス事故及び空間事故並びに鬼ヶ島沈没も止められるだろうと踏んでいたが、どうやら、私の作戦は、見立てが甘かったようだ。なので、プランBに移る。プランBには、君の協力が不可欠だ。まず、君には」

とそこまで言ったところで、フレディ・カタルシスは、強い光線を浴び、消し炭となった。

犬が光線が飛んで来た方を見ると、そこには、ピンクの戦車があった。

戦車から

「おじいさん、今のは、桃太郎じゃなくフレディ・カタルシスですよ」

「ありゃ、似てるから間違えたわい」

という会話が聞こえてくる。

ピンクの戦車がカタカタとキャタピラの音を立て、去った後、犬は、しばらく呆然としていたが、

「あっ、キル子ちゃんの足の親指、舐めなくちゃ」

とキル子が逃げた先の潜水艦があると云う港へと向かって、走り出した。



その頃、鬼ヶ島軍司令部では、三人目の鬼ヶ島四天王が敗れた事が伝わり、てんやわんやだった。

「四天王四人目は!?四人目は、今、どこにいる!?」

「有給休暇中で今、湯けむりオッパブ温泉ツアーに出かけています!!」

「くそ!こうなったら、鬼ヶ島最終兵器オニガジラを使うしかない!!」

「正気ですか!?条約違反ですよ!?」

「構わん!!島民が桃太郎に皆殺しにされるよりマシだ!!」

鬼ヶ島軍総大将は、鬼ヶ島最終兵器オニガジラの起動を命じた。



その頃、アメリカ合衆国ホワイトハウスでは、エージェントチャールズが、ジョージ・ラスベガス大統領に

「鬼ヶ島から中性子爆弾反応。おそらく、オニガジラを起動させたものと思われます」

と報告を上げていた。

「条約違反だ。直ちに移動式軍艦島・鬼ヶ島を撃墜せよ」

ジョージ・ラスベガスは、なんの迷いもなく、命じた。

「核ミサイルを使えということですか?」

というエージェントチャールズの問いにも、

「当たり前だろ。でなければ、我々、アメリカが世界からナメられる」

と平然と答える。

「しかし、お言葉ですが、Mr.プレジデント」

「できないと言うなら、お前は、クビだ。他の者に発射させる」

「かしこまりました」

エージェントチャールズは、ジョージ・ラスベガス大統領の命令に従った。



鬼ヶ島沈没まで、あと30分

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