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なんか桃太郎  作者: 弥馬田 ぎゃん


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18/29

ピーチボーイズ

「アハハハハッ」「アハハハハッ」

桃太郎に鬼ヶ島決戦に呼び出された別次元の桃太郎100人のうち8人の桃太郎は、鬼と戦いもせず、楽しげに愉快そうにヌーディストビーチで全裸でピーチバレーをやっていた。

ピーチバレーとは、手や腕や足を一切、使わず、自身の桃尻だけを使って行うビーチバレーのことである。

世界で桃太郎達のみが、得意とするスポーツで、今のところ、オリンピックの正式競技になる予定は、まるでない。

「こら、お前達。何をやっているんだ」

とその桃太郎8人に注意する赤い帽子を被ったフルチンの桃太郎。

「なにって、ピーチバレーだよ。お前もやろうぜ。キャップ」

赤い帽子を被ったフルチンの桃太郎は、キャップと呼ばれた。

「さぼってないで、お前らも戦えよ」

キャップ桃太郎は、真面目しくさって、髭をもさもさと動かし、注意を続ける。

「これだけ、たくさん、桃太郎がいるんだから、俺達がさぼったところで、なんの影響も出ねぇよ。あそこの桃太郎なんて、見てみろよ。屋台で桃太郎印の汁なし担々麺を鬼に売って、商売、始めてるじゃねぇかよ」

ピーチバレー中の桃太郎の一人に言われて、キャップ桃太郎は、「けしからん」とよだれを垂らし、

「予想を下回る美味さの汁なし担々麺を売るなど、桃太郎の風上にも置けぬわ。俺が成敗して、すべてたいらげてくれるわ。悪即麺!」

とラーメン屋の屋台に向かって、まっすぐに駆け出す。

「邪魔者は、消えた。さぁ、みんな、ピーチバレーを続けようぜ」

8人の桃太郎は、ピーチバレーに熱中し続ける。

その隣で二人の桃太郎が浜辺に座り、雑談している。

「節分の豆まきってさ。最初にした奴って、どんなテンションとノリで始めたんだろうな」

「豆まいて、鬼、やっつけれるわけないのにな」

「絶対、クスリやってるよな。じゃないと、そんなことしようとするテンションにならないもん。まともだったら、まず、そんな発想にならないもん」

「でも、伝統として、残ってることは、少なからず、それに賛同した奴がいるってことだよな」

「昔の日本人は、完全にクレイジーだったんだよ。切腹とか特攻とかさ。現代の発想だとありえないもん。SDG,s的にさ。豆まきなんて。完全にフードロスじゃん」

「でも、そういうこと大っぴらに言うと怒る人いるんだろうな」

「試しに旧ツイッターで、つぶやいてみようか」

「やめとけ。キラ派かL派か、みたいな論争になるぞ」

そのさらに隣で三人の桃太郎が携帯をいじりながら、喋っている。

「俺、今、すごい良いすきまバイト見つけたわ。日給1万5千円で女性芸能人の下着姿、見れるんだって」

「なに、それ、神バイトじゃん」

「お前、それ、意味、間違って使ってるよ」

「でも、なんか闇バイトっぽいな。秘密厳守って、書いてあるし。しかも、女性芸能人って言っても、芸人だってさ」

「女芸人かよ」

「じゃあ、お前、行かないの?このバイト、複数人可なんだけど?」

「行くぅ〜」

「行くんかい」

「他の桃太郎も誘えるだけ誘って、みんなでボロ儲けしようぜ」

こうして、鬼ヶ島決戦の戦場から、100人の桃太郎のうち、およそ半数が姿を消しましたとさ。

つづく

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