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なんか桃太郎  作者: 弥馬田 ぎゃん


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15/29

鬼ヶ島決戦 開幕

ゴムボートを引っ張り、鬼ヶ島まで泳ぎきったフレディ・カタルシスは、砂浜に仰向けに寝そべり、天高く塩水をピュッピュッピュ〜と吐いた。

桃太郎は、そのフレディの腹筋を踏んで、鬼ヶ島に上陸する。犬(犬神響也)、猿(木下藤吉郎)、鬼島キル子もそれに続いて、上陸する。

桃太郎達が砂浜に横一列に並ぶと、すでに鬼ヶ島の海岸線を囲むように、武装した鬼の軍団が待ち構えていた。

「お前が桃太郎か!お前が今日、鬼ヶ島に襲撃をかけることは、未来人から聞いて、我々は、すでに知っていた!おめおめ、やられる我々ではないぞ!」

鬼の総大将は、高らかに声を上げ、言った。

「ふーん、あっそ」

と桃太郎は、鼻をほじり、ぼりぼりごそごそと黒のブーメランパンツの中をかく。

「じゃあ、さっそく、やりますか。桃太郎ズ、アッセンブル!」

桃太郎がそう言うと、両隣の犬と猿が構えた。

犬は、白のカッターシャツに黒ズボンにスラックス。頭に合格と書かれた日の丸ハチマキと火のついたロウソク二本という姿で金属バットを握っていた。

猿は、侍らしい和服姿で甲冑や兜や刀や槍など一切、装備せず、弥馬田グフ子のパンツを握っていた。

それを見て、

「ふん、たった五人で何ができる?」

と笑う鬼の総大将。

「え?わたしも入ってる?違うでしょ?わたしは、あなた達の味方でしょ?」

と動揺する鬼島キル子。

「うぴょぴょぴょぴょ〜。本当に五人だけかな?」

と笑い返す余裕の桃太郎。

「なに?」

鬼の総大将が訝しげに目をこらして、見てみると、海の沖合から木の船の大軍勢が近づいて、来ていた。

「猿〜!!取り返しに来たでよ〜!!あと、ちょっと待っとりゃ〜!!」

「信長様?」

猿が振り返ってみたその軍団は、織田信長軍総勢5万人であった。

それだけではない。天から稲光を立て、ペガサスや龍に乗り、神々しい西洋甲冑姿の軍団が鬼ヶ島に向かっていた。

「優勝トロフィー返せー!!」

ホシアカリ丿ミコトヌシ率いる宇宙の神々により、結成された神話の戦士達5000人である。 

「あいつら、全員、俺のマブダチ。俺の味方だから」

と桃太郎は、鬼達に向かって、大ボラを吹いた。

鬼達は、大いに動揺した。

鬼の総大将は、

「うろたえるな!島民全員で戦えば、まだ我らの方が多い!勝機は、ある!」

と士気を高めようと檄を飛ばす。

そこに一人の鬼の早馬が駆けつける。

「伝令!島の反対からも軍勢あり!全員、桃太郎と同じ顔、体つきをしており、その数、およそ、100!!」

「100人の桃太郎だと!?」

その異常事態に鬼の総大将もさすがに動揺する。

「すべての次元から呼び出せるだけの自分全員、呼び寄せたんだよ〜ん」

桃太郎は、髭をもふもふと動かし、そう言うが、それ以上に鬼達が動揺することがあった。

「おい!ちょっと待て!あそこにいるの、よく見るとフレディ・カタルシスじゃないか!?」

「え?あのインディーズバンド界のロックスターのフレディ・カタルシス!?」

「え!?あの全日本フレディ・マーキュリーモノマネ選手権第三位のフレディ・カタルシス!?」

「え?え!?あの和歌山県ちゃんこ鍋早食い大会第三位のフレディ・カタルシス!?」

「え?え!?えーっ!?あの全日本高校読書感想文銀賞のフレディ・カタルシスさんか!?」

鬼の総大将は、「いいか、お前ら!!」と皆の視線を集めて、命令を下す。

「俺達の命なんて、どうでもいい!!友の屍を越えてでも、フレディ・カタルシスさんのサインとチェキをゲットするんだ!!」

「「「おう!!!!!!」」」

鬼達は、一致団結して、桃太郎達へと向かって、進撃した。

こうして、鬼ヶ島の軍隊と信長軍と神々の軍隊と桃太郎達が入り乱れる鬼ヶ島決戦が開幕しましたとさ。

新たな物語のはじまり〜はじまり〜

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