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なんか桃太郎  作者: 弥馬田 ぎゃん


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未来人編

「だから!君が、このまま、次元間移動装置を使い続けると大変な事になるんだって!」

「へー、そう」

目がチカチカする銀色全身タイツの自称未来人の男の話を桃太郎は、鼻の穴をほじりながら、犬(犬神響也)と猿(木下藤吉郎)と共に某ハンバーガー人気チェーン店のテーブル席で聞いていた。

そして、桃太郎は、鼻くそを食べ、

「で?」

と自称未来人に訊いた。

「で?じゃなくて!君が、このまま、次元間移動装置を使い続けると、どこかの次元で必ず、最強のヴィランに次元間移動装置を奪われて、それが、きっかけで、次元間戦争に発展し、あらゆる次元で空間事故が多発し、最終的に全ての次元が吹っ飛んで、消滅しちゃうんだって!」

自称未来人は、不必要な身振り手振りを交えて、先ほどから、必死に桃太郎に説明してるのだが、

「へー、そりゃ、大変だ」

と桃太郎は、テーブルに大股を開いて、両足を乗せ、黒のブーメランパンツの中をボリボリと掻いている。

「もう!こっちが真剣に話しているのに、どうして、君は、真面目に聞いてくれないんだ!」

自称未来人は、アンテナの付いた頭を抱えて、オーバーに嘆いた。

「あんたの話には、リアリティがないんだよ」

と桃太郎は、冷めた眼差しで一刀両断。

自称未来人は、頭を抱えたまま、

「なんで?どこが?」

と苦悶の表情。

「俺が最強ヴィランとやらに次元間移動装置を奪われるわけがないだろ?」

「どうして、そう言いきれる?」

自称未来人の問いに桃太郎は、こう答えた。

「だって、俺、桃太郎だぜ?」

「だから?」

「わからないか?俺は、この物語の主人公なわけ。主人公がヴィランなんかに負けるわけがないっしょ」

桃太郎は、渋谷系の口調でそう断言した。

「君がそう思うのは、次元間移動を繰り返した副作用のせいだよ」

「どゆこと?」

桃太郎は、両足をテーブルから下ろし、自称未来人の方へと身を乗り出す。

「次元間移動を繰り返した人間は、なんらかの精神異常をきたすんだよ。不必要に暴力行為に及んだり、殺人衝動に駆られたり、道徳心や倫理観を失った行動に出やすい。まともな思考力や判断力を失った状態に君は、今、なってるんだ。次元間移動ハイだよ」

と銀色全身タイツの男は、真剣な表情で言った。

「だったら、なんだってんだい。ハイになってようが、それが、アチシがヴィランに負ける理由になるもんかい」

と桃太郎は、江戸っ子おばさん口調で言い返す。

「悪いけど、そのまま、次元間移動装置を使って、最強の軍隊を作っても、君の鬼ヶ島襲撃は、失敗するよ。最悪の形でね。ぼくは、未来人だから、知っているんだ」

銀色全身タイツの男は、真剣な表情を崩さずに言う。

「そんなわけないねー。俺の鬼ヶ島襲撃の計画(プラン)は、完璧だもん」

桃太郎は、自信たっぷりに断言する。

自称未来人は、

「へぇ、それは、いったい、どんなプランだい?」

と試しに訊ねた。

桃太郎は、もさもさとした髭を撫でながら、ダンディな表情で語りに入る。

「まず、わかめとごまを和えたおにぎりとシャケおにぎり(のり付き)とうどんを用意する。そして、うどんの麺だけを食べ、わざと一、二本残す。次は、うどんの汁を器の半分まで飲み干す。そこに用意したおにぎり2個をぶち込み、混ぜ、雑炊みたいにする。雑炊みたいになったら、余分なうどんの汁も飲み干し、おにぎりで作った雑炊もどきをふたかき込みだけ食べ、そこに鰹出汁系のタレをまぜまぜした納豆をぶち込み、さらに混ぜる。あとは、納豆まぜまぜの雑炊もどきを食べてしまえば、ミッションコンプリートだ」

「それは、いったい、なんのプランだ?」

自称未来人は、自分は、何を聞かされたのだと困惑する。

「しまった。これは、明日の朝、いかにして、納豆を美味しく食べるかについてのプランだった」

桃太郎は、そう言って、目を丸くして、自称未来人を見つめる。

自称未来人は、言う。

「わざとだろ」

「わざとじゃないぴょん」

と確信犯の桃太郎は、おどけた表情をする。

「絶対、わざとやん」

「うぴょぴょぴょぴょぴょぴょ!!」

桃太郎は、気持ちの悪い笑い方をした。

「桃太郎君、真面目な話、君が元の次元に戻って、二度と次元間移動装置を使わず、鬼ヶ島襲撃も諦めれば、全ての次元は、救われるし、君自身もそれで助かるんだ」

自称未来人は、桃太郎を諭そうとした。

「やーだぴょん」

桃太郎は、聞く耳を持たなかった。

「仕方ない。そこまで君の意思が固いのなら、こちらも使いたくはなかったが、強硬手段に打って出るしかない。出番です!アネゴ!姉御ぉ〜!」

自称未来人がそう呼ぶと店の入り口から、一人の黒のセーラー服を着た少女がやって来た。

一見して、彼女がただの女子中学生や女子高生でないとわかるのは、彼女が野球のバットのようなグリップの付いた大きな金棒を片手で持ち、頭から二本の角が生えてるからだ。

「彼女の名は、鬼島キル子。君がこれから鬼ヶ島で起こす大虐殺で両親を奪われ、孤児となった鬼の少女だ。十年後の未来から私が連れて来た。彼女は、十年間、君に復讐する為だけに鍛え上げ、未来で鬼ヶ島最強女子となっている」

自称未来人が、そう彼女を紹介すると、鬼島キル子は、いきなり、

「桃太郎!覚悟ー!」

と言って、金棒を振り上げ、力いっぱい桃太郎の頭部へ向け、振り下ろした。

桃太郎は、それを片手でひょいと受け止めた。

「女。あと、十年、鍛えてから、来るべきだったな。今のお前は、俺の十五年に遠く及ばない」

桃太郎は、そう言うと、キル子の金棒を普通に握って、砕き割り、粉々にした。

「ばっ、馬鹿なオリハルコン製のわたしの金棒が……」

鬼島キル子の目に宿っていた闘志が絶望に変わる。

桃太郎の圧倒的強さに自称未来人も青ざめる。

桃太郎は、余裕満面の笑みを見せると、

「まぁ、俺も鬼じゃない。せっかく、未来から来たんだ。ひとつ、お前にチャンスをやろう、鬼島キル子」

と一つの提案をする。

「俺と野球拳をやろう」と――。

「はへ?」

鬼島キル子は、間の抜けた表情で桃太郎を見つめた。何、言ってんだ、このおっさん。

「お前が勝ったら、鬼ヶ島を襲撃するのは、やめてやる。そしたら、お前の両親も死ななくて済む。いいことずくめの良い提案だろ?」

「本気?」

鬼島キル子は、疑り深く桃太郎を睨んだ。

「ああ、本気だ。俺の着衣は、見てのとおり、このブーメランパンツ一丁だ。つまり、お前は、俺にジャンケンで一回、勝つだけでいい。そのかわり、」

と桃太郎は、鬼島キル子にぐっと顔を近づける。

「お前が負けたら、裸になるだけじゃなく、アヘ顔両手ピースを俺に見せるんだ。俺は、鬼ギャルのアヘ顔両手ピースが大好物なんでな」

「この変態め……!!」

鬼島キル子は、さらに桃太郎を強く睨んだ。

「やるのか?やらないのか?」

「やっちゃらあ!」

鬼島キル子は、桃太郎の勝負を受けてしまう。

「やーきゅうぅ、すぅるならぁ、こーゆうぐあいに岩清水ぅ〜、アウト!セーフ!よよいのよい!」

キル子は、グー。桃太郎は、パー。

スカートとブラ姿になるキル子。

「ヒュ〜」

店内の野次馬観衆の阿保な男供が色めき立つ。

「やーきゅうぅ、すぅるならぁ、こーいうぐあいにヒヤシンスぅ〜、アウト!セーフ!よよいのよい!」

キル子は、グー。桃太郎は、パー。

二連続パー!?どんだけ勝負強いんだ、このおっさん!!

キル子は、歯噛みしながら、ブラにおパンティ姿になる。

「うぉおおお!!」

キル子は、無駄にいい身体つきをしていた。腹筋が割れていて、締まるべきところは締まっていたが、出るべきところは出ていた。

猿でもないのに、木下藤吉郎以外の周りの男供も猿のように騒ぐ。

ムービーを撮りだす者。カシャカシャとなる携帯のシャッター音。に思わず、赤面してしまうキル子。

それが、より男供の興奮を誘った。

無我夢中で容赦ない視姦を浴びせてくる環境は、キル子にとって、圧倒的アウェー地であった。

「やーきゅうぅ、すぅるならぁ、こーいうぐあいにしやしゃんせー、アウト!セーフ!よよいのよい!」

キル子は、グー。桃太郎は、またしても、パー。

こいつ、正気か!? キル子には、戦略があった。三連続パーは、通常、ありえない。なら、桃太郎の次に出すべき手は、グーかチョキ。つまり、グーを出せば、負けない。はずだった。しかし、桃太郎は、その読みのさらに上を行き、パーを出してきた。

キル子は、震える声で言った。

「靴下と靴は、あり?」と――。

桃太郎は、答えた。

「いーよ」と――。もはや、王者の風格すら、漂っているようにキル子には、見えた。

そんな中、周りは、当然の如く、

「うぅうううう〜!!」

とブーイング。女子の姿は、なかった。まるで、満員痴漢電車のようだ。

しかし、キル子は、靴下を脱ぎ、靴を脱いでも、負け続けた。グーを出そうが、パーを出そうが、チョキを出そうが、結果は、同じだった。

いよいよブラかパンティを脱がなくてはいけなくなった。

キル子は、ブラのホックに手を掛けたが、次の瞬間には、しゃがみ込んでしまう。

「どうした?」

と声をかける桃太郎。

「いーやだー!はずかしいぃい!!」

キル子は、子供のように泣き出してしまう。実際、彼女は、まだ、子供である。

「じゃあ、脱がなくていいけど、お前の負けだ。そのかわり、アヘ顔両手ピースは、やってもらうぞ。約束だからな。それから、プラスM字開脚もやってもらうか。」

「そんなの聞いてない!」

キル子は、赤い目を腫らして、桃太郎に訴える。

「じゃあ、脱ぐか?」

「うぅ」

裸になりたくないキル子は、従うしかなかった。下着姿でアヘ顔両手ピースをし、M字開脚をした。

桃太郎は、そんな彼女に

「動くなよ」

と言って、彼女の谷間に札束を挟んだ。そして、犬に買いに行かせた白い泡立つ炭酸ジュースを彼女に飲ませ、

「ごっくんするなよ。そのまま、口を開けたまま、口の中に溜めて、こっちに見せるんだ」

注がれるジュースが口から溢れて、次々とぼたぼたとキル子のブラをつけた胸元に落ちる。

そうやって、桃太郎は、変態エロ写真と動画を携帯で撮影し終えると、満足そうに

「もういいだろう」と言った。

すると、自称未来人をいつの間にかスリーパーホールドで完全に落としていた もう一人の桃太郎が出てくる。

二人の外国人プロレスラーのような桃太郎を見て、

「どうゆうこと?双子?」

と混乱する鬼島キル子。

「馬鹿だなぁ。俺は、ずっとカンニングしてたんだよ」

と笑う桃太郎。スリーパーホールドしてる方の桃太郎を指差し、「こっちが過去の俺で」と言い、自分を指差し、「俺が未来の俺」と言う。

鬼島キル子は、そう言われても、理解できない。

桃太郎は、しょうがないなあと説明を始める。

「お前、俺が本当に偶然に一回も負けずに野球拳で勝ち続けたと思うか?俺は、過去ですでに野球拳の結果を見てから、もう一度、次元間移動装置で同じ時間に来直してから、お前に勝負を挑んだのさ。悲しいかな、その未来人より俺の方が次元間移動装置の使い方が上手いのさ」

「ということらしいな」

と未来人にスリーパーホールドをかけたままの桃太郎が、もさもさと髭を動かし、言う。

「しっかりしろよ。今度は、お前がこっちの役割をするんだからな」

桃太郎は、未来人にスリーパーホールドをかけているもう一人の桃太郎に心配そうに言う。

言われた桃太郎は、未来人を抱えながら、

「で、こいつ、どうすんの?」

と訊く。

「恐竜時代にでも、連れて行って、捨てて来い」

「オーケー」

桃太郎と桃太郎の会話を聞きながら、鬼島キル子は、

「つまり、あんたは、ズルしてたってこと?」

とようやく理解が追いつく。

「そうだ。そして、お前は、俺達を鬼ヶ島に案内することになる。これは、すでに未来で決まっていることだ」

断言する桃太郎に鬼島キル子は、

「何を勝手な、わたしがこれ以上、あんたに従うわけないでしょ」

と抵抗を見せる。が、

「いいのか?俺に従わないとさっきの恥ずかしい映像がお前のいる未来までデジタルタトゥとして残ってしまうぞ。素直に従えば、次元間移動装置を使って、さっき起こったことをなかったことにも、してやれるんだが、どうしようか?」

と桃太郎に言われ、

「本当にそんなことができるの?」

と桃太郎のペースに呑まれてしまう。

「やっやめろ……。そんなことをすれば、空間事故が起きて、また、次元が吹っ飛ぶ」

目を覚ました未来人が息も絶え絶えに言う。

「ええい、まだ、いたのか!早く、恐竜時代にそいつを連れていけ!亀甲縛りしておくのも、忘れるなよ!」

「自分に命令するなよ」

過去の桃太郎は、だるそうに未来人を担いで、次元間移動装置でタイムホールを開け、その中に入り、消えた。

「さぁ、移動式軍艦島・鬼ヶ島に連れて行ってもらおうか、鬼島キル子」

こうして、桃太郎一行は、鬼島キル子の案内で新たに仲間となったフレディ・カタルシスと共に鬼ヶ島へと向かいましたとさ。

おしまい

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