宇宙リーグ編
宇宙リーグとは、それぞれの宇宙の野球好きの星々の神様達が、自らの守護する星をチップとして、賭け、行う野球大会で、優勝者は、参加者の賭けた惑星を総取りすることができる。
犬(犬神響也)は、その宇宙リーグの決勝の舞台に立っていた。
9回裏3対3 第七宇宙地球チームの攻撃 ツーアウト走者なしの場面で出てくる打者は、セーフティバントしかできない犬だった。
犬がバッターボックスに立つ前、ネクストバッターズサークルまで監督であるホシアカリ丿ミコトヌシは、網タイツにリクルート巨乳はみ出しスーツの眼鏡褐色肌金髪南国インテリ美女姿で犬に近づいた。
犬は、はへっはへっと舌を出し、興奮する。
確認だが、犬は、人間である。本物の犬ではない。
「犬。敵チームは、エースのピッチャーアンドロイドのTEN‐JOEを交代させている。TEN‐JOEは、七つの変化球を操り、球速は、160キロを超える強敵だったが、今、マウンドに立っているピッチャーのボブボブボーボボは、ストレートとチェンジアップしか投げれない球威だけが武器の選手だ。恐るるに足らぬ」
そう言うと、ホシアカリ丿ミコトヌシは、自らのリクルートスーツからはみ出した巨乳で犬の両手をサンドした。そして、自らの手で犬の手首を掴むとピンク色の乳首の先端をぐいぐい触らせた。
「きゃいん!」
と犬は、奇声を上げた。
「うっふん」
ホシアカリ丿ミコトヌシは、自らの乳首が起立してから、犬の両手首を離し、
「これで、わしの神様パワーがおぬしに注入されたはずじゃ」
と満足そうに言った。
「いいか。今、おぬしには、神のパワーが宿っとる。バントであろうと、ボールに当てるだけで、ホームランになるはずじゃ。さよならホームランじゃ。これで、わしらの勝利よ。わっはっは」
犬の理想の女性の姿をしたホシアカリ丿ミコトヌシは、そう笑っているが、小心者の犬は、不安だった。
「あの、それって、反則になりません?」
と犬は、訊く。
「阿保お、ぬかせ。向こうは、アンドロイド、使ってきとるんじゃ。これぐらい、反則になんかなるわけあるかい。さぁ、いったれ。いったれ」
神様に背中を押され、渋々、打席に立つ犬。
そこで、犬は、最大の敵に襲われる。
「タイム!」
犬は、打席に立つなり、アンパイアにタイムを要求し、ベンチへと自ら、戻っていく。
「なんだ?どうした?」
とホシアカリ丿ミコトヌシが訊くと、犬は、情けない声で
「無理です。バットを振れません。これ以上のプレーは、続行不可能です」
と言った。
「なんでだ?」
ホシアカリ丿ミコトヌシは、わけがわからなかった。
「下痢です」と顔を青くして、油汗を滲ませ、腹を抑えながら、猫背になり、内股で微妙に震えながら、事切れそうな声で犬は、言った。
「なんじゃ、そんなことか。そんなもん、わしが治してやるわい。わしを誰だと思うとる?神様じゃぞ」
「なら、はやく この下痢を止めてください」
犬は、ケツ穴をズボン越しに両手で押さえ始める。末期である。
「ちょっと待っておれ。確か、下痢を止めるわし特製の下痢ポーションは、時の塔の最上階にいる時の番人クロキカタマリ丿ミコトに預けてあったはず……、その前に門兵のヘルクレスを倒さねば、いや、門を開ける鍵もいるなぁ。鍵は、誰がもってたんだっけ?そうだ、鍵を手に入れるには、七賢者の七つの試練をクリアしなければ」
「そこまで、待てるか!どけ!」
犬は、ホシアカリ丿ミコトヌシを突き飛ばして、トイレへと向かった。
性欲に便意が勝った瞬間である。
犬に続いて、次々とベンチ内の選手達がバーゲンセールの主婦の如き勢いでトイレに殺到する。
ベンチは、ホシアカリ丿ミコトヌシだけを残し、空となった。
その様子を見て、マウンド上でほくそ笑んでいる者がいた。
ボブボブボーボボである。
(地球陣営のチームの昼食に下剤を混ぜたのは、何を隠そう この俺さ。これで、打席に立てる選手のいなくなった地球チームの棄権により、俺らのチームの優勝が決定となる)
しかし、ボブボブボーボボの計略通りには、事は運ばない。
地球チームの監督のホシアカリ丿ミコトヌシは、犬のかわりに代打を出すことを審判団に宣言する。
(バカな。下痢でプレーできる選手など地球チームには、いないはずだ)
ボブボブボーボボが見つめる中、ロッカールームからベンチに出てきて、ゆっくりとした足取りでバッターボックスに立ったのは、厚い胸板に濃い胸毛、外国人のように彫りの深い髭面の男。
「代打、フレディ・カタルシス」
「いや、あんた、誰!?」
ボブボブボーボボは、思わず、声を上げて、驚く。
フレディ・カタルシス。普段、オッパブレンジャーズというNPB非公認の賭博草野球チームで4番打者を務める国籍不明の地球人の男である。
今回のような不測の事態に備え、ホシアカリ丿ミコトヌシが控え選手として緊急招集していたのだ。
ちなみにフレディ・カタルシスもチームメイトと全く同じ昼食を食べているが、彼は、地球一胃腸が丈夫な男なので、なんともなかった。
フレディ・カタルシスが打席に立つという予想だにしない事態に動揺したボブボブボーボボだったが、息を整え、すぐに冷静さを取り戻す。
(大丈夫だ。もう、打席に立てる選手は、奴だけだ。最悪、フォアボールでも、次の打者がいないから、地球チームは、棄権で我が第八宇宙ダ星チームの勝利だ。こいつにだけ、一点、与えなければいい。ホームランさえ、打たせなければ)
と思いながら、ボブボブボーボボは、真っ向勝負のピッチングで挑んだ。
球種は、ストレート。ど真ん中の155キロ。
球威が異様に強く、ボブボブボーボボは、今まで、この球で何度も何人もの打者のバットを砕き割ってきた。
それに付け加えて、ボブボブボーボボは、グラビティ注射を打っていた。
地球でいうところのステロイド。ドーピングをボブボブボーボボは、していた。
グラビティ注射を打った投手の投げた球には、重力の力が加わり、球威が増すだけじゃなく、ストレートが打者の手元でフォークボールへと変わり、すとんと落ちる。
ボブボブボーボボの持っている球種にフォークボールがないのは、相手チームもデータとして、知っているはず。
(この球、絶対に打てるわけがない!!)
ボブボブボーボボは、100%の自信を持って、ストレートを投げた。
ただでさえ、強い球威がさらに球威を増し、打者の手元でがくんと落ちる。
それにフレディは、反応して、体勢を崩しながらも、片手でバットを振り、ボールをミート、見事、捉えた。
砕け散るバット。しかし、飛んでいくボール。ライト線をとんとんとんと転がり、フェア。
一塁を蹴るフレディは、勢いを殺さず、さらに走り続ける。
(大丈夫だ。もう相手チームには、奴以外に打者もいなければ、走者もいない。最悪、三塁までに奴を止めれば、もう勝ちだ。ライトがちゃんと送球さえすれば、)
フレディの足が二塁を蹴って、三塁に向かう。
ライトがもたつく。
(何をやってるんだ!!)
ボブボブボーボボは、いらついたが、すべては、彼が悪かった。
グラビティ注射の影響でボールに重力が加わり、ライトが拾って、投げようにも、重くて投げれないのだ。
フレディは、ライトがもたついている間に三塁を蹴り、悠々とホームベースを踏んだ。
さよならランニングホームランであった。
3対4で地球チームの勝利。ダ星チームの敗北。
(そんな馬鹿な。あの球は、地球人が打てるような球では)
ボブボブボーボボは、敗北を受け入れられなかった。
そんな彼は、目にする。フレディのフルボッキーしたムスコのアタマがベルトで抑えてるにもかかわらず、ズボンからひょっこりはんしているのを。
(絶対、なんかの増強剤、飲んでるやん)
ドーピングしているのは、自分だけではなかった。己が甘かった。
ボブボブボーボボは、マウンドに膝をつき、絶望した。
フレディが、あきらかにドーピングしていると監督に告げようかとも思ったが、ドーピングなら自分もしている。痛い腹を探られて、困るのは、自分だ。バレれば、宇宙野球界を永久追放されてしまう。
ボブボブボーボボが絶望している間、彼は、気づいてなかったが、周りでは、すでに乱闘が始まっていた。
宇宙リーグ大会委員会が、大会のMVPを犬だと宣言した瞬間、フレディがMVPは、俺だ、と猛抗議し、審判団に掴みかかり、委員会のお偉いさんにも、鉄拳をくらわし、それを止めようとする選手もボコボコにしてしまい、フレディ対全宇宙野球人の乱闘へと発展していたのだ。
そんな中、気づけば、宇宙リーグ大会会場の球場の上をけたたましい音を立て、ヘリコプターが旋回していた。
乱闘中の宇宙野球人の人々が手を止めて見上げると、ヘリコプターから縄梯子が降りていて、それにぶら下がった緑色のレオタードを着た筋骨隆々で変態的な仮面をつけたおっさんが、片腕で気を失った大会MVPの犬を担ぎ、口で宇宙リーグ優勝トロフィーを咥えていた。
「お〜ほっほっほっ。この優勝トロフィーと犬ちゃんは、ワタシが貰っていくわ〜」
「誰だ!貴様!!」
いつの間にか、ばいんばいん巨乳のバニーガールに姿を変えていた金髪褐色肌のホシアカリ丿ミコトヌシは、空を舞うヘリコプターへ向け、怒鳴りつけた。
「ワタシは、怪盗レオタード桃太郎仮面よ〜。鬼ヶ島で待ってるから、トロフィーを取り返したかったら、そこまで来やんし、皆の衆〜」
怪しげなその男は、そう言うと皆に向け、小さく放屁し、ヘリコプターで去っていった。
10分後、犬は、ヘリコプターの中で目を覚ます。
「ここは、どこ?また、新しい夢?」
犬は、桃太郎の顔を見て、言った。
「夢ではないよ。今から、我々は、このヘリコプターを使って、全国のオッパブを巡る旅をするんだよ」
筋骨隆々の外国人プロレスラーみたいな桃太郎は、犬に向け、柔和に微笑んで言った。
「オッパブ一年無料利用券もありますしのう」
とヘリコプターの運転席から猿(木下藤吉郎)が言う。
「あのSMオッパブなんて、あったりしますかねぇ」
とおずおずしながら、犬は、訊いた。
「探せば、見つかるさ」と桃太郎は、柔和な笑顔で言う。
その日、三人は、乳ログ8・5の店を見つけましたとさ。
おしまい




