海賊共和国の創設者
キッドと別れて娼館に来た俺。
理由は簡単。ここに誰かいるのではと思ったからだ。
そう期待していた俺もいました。
結論、いなかった。たいして可愛い子もいない。
早くこの島の改革を進めて、まともな島にしないと。
俺はうなだれながらトボトボと船への帰路についた。
そんなとき、護衛の一人が声を上げた。
「提督!あれを。」
俺たちの前に緑色の閃光が見えた。
あれは連絡用の信号弾だ。
つまり、海賊共和国の連中を見つけたということだ。
「船に戻ろう。誰か船に走り、こちらも信号弾を。」
「承知!」
一人が船に向かって走る。
ようやくかよ。さっさと話をつけて、もっとまともな島に行きたい。
俺が船に着くと、地平線の先からフリゲート艦とガレオン船に挟まれた形で2隻の船が向かってくる。確かにゲームで見た通りの船のようだ。
そして今、俺の前に待ち人両名が座らされている。
因みにここは、船長室。エドワード・サッチのは背後には、エルトンとルークが。ベンジャミン・ホーニゴールドの後ろにはアルヴェールがいる。少しでもなにかしようとすれば即座に殺される。
流石に海賊。死ぬ覚悟はできているんだろう。怯えた表情は見せていない。
俺は立ち上がり、後ろを向いたうえで話しだした。
後ろ向きで話すのは、あるあるだろう?
「俺の部下がどのように説明してここに連れてきたかは知らんが、別にお前らを殺すつもりはない。そもそも、俺はお前ら
2人に話があってわざわざこんな何もない島に停泊してきた」
まぁ、暇だが満足した生活でもあった。
この船には万全な調理部屋と専属のコックを常駐させており、
いつも美味しい料理を作ってもらっている。
その種類は、何でも。勿論、日本食もでる。
そして、この船は海上要塞。
嵐でも対して揺れないし、そもそも酔い予防してあるから、
そもそも酔わない。
「こんな強力な船と船団、戦闘員を保有しているあんたが、こんな海賊風情の俺等に何のようだ?」
サッチが声を出してが、それに対して他の連中が怒って剣を抜き、斬ろうとする。俺は、手振りで止めるが。海賊共は特に
船長の命令を絶対とする特にうちの忠誠心は異常なものだ。
彼らとしては俺が返答を要求していないのに、勝手に話しだしたことに許せなかったのだろう。
「悪い悪い。うちの連中は、血気盛んな上に俺に忠実すぎるところがあってな。おっと、話だったな。俺の要件はそう難しいことじゃない。ふたりとも俺の傘下に入れ。」
「「何!?」」
これの回答はそれぞれ異なるようだ。サッチは怒りにまみれているが、ホニーゴールドは、俺の庇護下に入れるとすぐに察したのかホッとした表情だ。
「誰かの下に入るなんてまっぴらごめんだ!俺は俺で勝手にやる。文句があるなら殺せばいい!」
「おい、サッチ。冷静に考えろよ。悪いことばかりじゃねぇぜ?この人の傘下に入るってことは、庇護下に置かれるってことだ。俺たちだけじゃねぇ。この島にとっても良いことだろ?」
「あ?まぁ…そりゃ…そうだけどよ。」
「話を遮って悪いが、俺は別にお前らから自由を奪うつもりはない。これまで通り、好きにやってくれて構わん。俺が戻れるのは、お前らが創った海賊共和国の国主を俺にしてくれってことだ。」
「え…えっと、それはどういう?」
「お前らじゃあ、この島をよりよく発展できるとは思えん。俺にこの島の改革をさせれば、この島に病院だって作ってやるし、この島をより大きく強大な拠点にしてやれる。」
「そりゃ…スゲェな。病院を作るのは夢だったんだ。」
「俺としては、自分の島とは別に拠点がほしいだけだ。」
「あんたの船はもっとあるのか!?」
「そりゃそうだろ。すべての船で各島々を回ってたら邪魔だろ。」
ここまで話したところで、俺は確信した。勝ったな。
ホニーゴールドは島がより良くなる上に、強大な海賊の傘下に入ることで自分の身の安全が保てるってことで、ほぼ確定だ。
サッチも島のためと考えれば、納得できるのだろうな。
それに今後、より強い船でも与えてやりゃ、問題ない。
これは、貰ったな。
「俺は、賛成できないな。」
声に振り返るとそこには、キッドがいた。
「どこに問題があるっていうんだ?島も発展する。俺たちのみの安全も保証される。実績を上げれば、より良い船だって手に入る。」
「確かにな。だけど、それが守られる保証はない。」
「彼に守る理由がなければ、今頃俺等は殺されている。」
「騙されてるだけだ!この島だって奪われる!」
「奪う?この小島を?」
「小島?」
「俺の本拠地は、この島の100倍以上の大きさを誇る。ホニーゴールド。出身は?」
「俺はイギリスだ。」
「俺の本拠地は、イギリスの国土の1/10程度だ。」
「それでも大都市だな。それだけあれば、貴族にでもなれるだろうに。」
「いずれはなるさ。もっと強大な海賊艦隊を結成させたら、どっかの国に大貴族として認めさせるさ。」
「そんな島もあるかわからん。」
こいつウザいな。バラしてやるか、コイツの秘密。
「女のくせに男装して、名前も偽って海賊やっているやつに言われたくはないな。ジェームズ・キッド…。いや、メアリ・リード。」
「「!?…キッドが女?」」
「お前がここで、上だけでいい。服を脱いで自分が男だと証明するならお前らを俺の本拠地に連れて行ってやる。どうする?」
「キッド…本当なのか?」
「おいおい、女が船長やるなんて、罰当たりもいいとこだぜ」
「…」
「答えられねえってことは、事実なんだろ?」
彼女は、何も言わずに出ていった。
ふん!俺の事煽ったバツだ。ケンウェイもびっくりするだろうな。後は、やつがこの島に来るのを待つだけだ。
「まぁいい。そういえば、海賊共和国はかと一人いたはずだが?やつはどこにいる?」
知っているが、聞くだけ聞いておこう。バックストーリーも
聞いてみたいしな。
「ああ。エドワード・ケンウェイと言うやつがいる。奴は、まだ独立できず、なっていったか忘れたが、船の操舵手を務めてるようだ。」
「まぁ、いいが。そいつが戻る前に、一度俺の本拠地に来てみるか?お前らも気にいるはずだ。」
「行けるならぜひ!」
「俺もこの島より何十倍もでかい島があるってなら、見てみたい。」
「俺の本拠地は、魔の海域にあるんでな。その海域だけは、お前らの舵を俺の操舵手に任せてもらう。それだけは約束してもらう。」
「どこにあるって?」
「バミューダ・トライアングル」
「「!!」」