ジャック・スパロウ
戦列艦一隻、フリゲート艦二隻、ガレオン船二隻の結構大規模な船団となった俺達は、海流を操り足早にラムランナーズ島へと向かった。
映画で見る限りマジで何もない島だから密輸業者が来る前につけんと…。
ちなみにジャックは俺のことを知っている。設定上そうなっている。というか、そう設定した。俺は親父を知らない。俺が海賊を始めた頃、ジャックに出逢った。親父の話は聞いているが捨てた奴には会わない…ことにしている。
まぁ、こんなところでいいだろう。
え?俺が何してるかって航海士もいて操舵手もいて、乗組員も忠実な奴らがいるのにわざわざ甲板に出て海なんてみるわけ無いでしょ?
俺は船の船長室でのんびりと部屋に飾ってある品々を観て楽しんでいる。この船には、ジブリに出てくるような伝声管があるのでついたら呼んでもらうことにしている。
舵輪のそばにあるんだからドア突撃をする前に連絡すりゃいいのに。
そう考えていると言ってるそばから…
アルヴェールがドアを壊す勢いで入ってきた。
俺は彼が口を開く前に苦言を呈する事にする。
「アルヴェール君。伝声管がどうして君の定位置の目の前にあるのか、その意味をそろそろ理解してもらえるかな。毎回直しているけど、ドアもいつか壊れるんだよ。」
「それは…すみません。以後気をつけます。それより、バルバトス提督!到着しました。」
「君直す気ないね。まぁ、いいや。なら、僕はここにいるから兄貴をここまで連れてきてもらえる?今度は、ノックしてから入室するように。」
「畏まりました。おいお前ら、錨を下ろせっ!ボートもだ。」
さてと…あのバカ共は何処らへんに配置しようか…。
アルヴェールがジャックを連れてくるまでに暇だから、
今後の展開を考えおこうかな。エルトンとルークは、太平洋と大西洋で暴れ回ってもらうとするか。それぞれに大船団を率いてもらい、俺は大頭として君臨する。
カリプソなんていなくても俺はデイヴィージョーンズに負けることはない。クラーケンも好きなときに抹殺できるし。
何なら、メガロドンとリヴァイアサンのどっちかを先に討伐に向かわせるか。クラーケンがいなくなれば、随分楽だし。
インド洋と地中海、シナ海は当分は手が出せないな。あそこにも船団の船長を向かわせたい。俺は冒険しつつも可愛い芸能人を妾として大量に集めたい。
そんな事を考えていると…コンコンっとノック音が聞こえた。
「バルバトス提督、アルヴェールです。」
「入れ。」
「失礼いたします。ジャック・スパロウをお連れしました。」
「今度はちゃんとノックしてから入ってきたね。わかった。
アルヴェール、お前は下がれ。」
「失礼します。」
俺が顔をあげるとそこには紛れもないジャック・スパロウが
いた。
「兄貴…。俺の予想通りになったな。バルボッサは裏切ると忠告しておいたのに。アルヴェールからも聞いていたはずだけど。」
「いや〜。まさか、あんな小島に置いていかれるとは思わなかったが。だが、優しい我が弟なら迎えに来てくれると信じていたからな。実際来てくれたし。」
憧れのジャックからこんな事言われるのは大変嬉しいが…。
「俺もいつでも助けにこれるとは限らんから、今後はより一層気をつけてくれ。兄貴の利他的精神は尊重するけどよ。必要な時に血を流す船長のほうが万人受けすると思うぜ。」
「あぁ。気をつけることにするよ。だが、俺の方針を変えるつもりはねぇ。」
「とりあえずは、兄貴をトルトゥーガまで送り届けるよ。幾ばくか資金も援助するからそこからやり直せば?」
「俺を雇ってくれてもいいんだぜ。バルバトス提督?」
「兄貴は自由きままにやりたいでしょ。誰かの下で働くなんてジャック・スパロウの名が泣くぜ?そもそも俺も兄貴の面倒を見続けるのは御免だ。」
「まぁ、仕方ねぇか。だが、場所はトルトゥーガじゃねぇ。ポートロイヤルまで頼むぜ。」
俺とジャックとの会話は数分で終わった。とりあえず俺達は
ジャックを海賊にとっての天国であるトルトゥーガに送り届けることにした。そこでスクーナー船の建造費払ってやり、幾ばくかの資金を援助したらお別れ。そのつもりだったが、そういえばバックストーリーとして、彼はポートロイヤルで金を盗んで小さな帆船を購入していたことを思い出した。
ここから航海して次に彼が表舞台に現れるのが、ポートロイヤルの港町に小舟〈ジョリー・モン号>で再度来校するのだが、それは、ここから10年もの先の話。
この後の彼は、現代のジャマイカ付近で貿易船略奪に時間を費やす。その10年間で世界に名を轟かせる伝説の海賊となるのだ。その頃には、エルトンにもルークにも大船団が出来上がって、あいつらこそ伝説の海賊になってそうだが。
流石にこの船団でポートロイヤルに近づくのはまずいと思い、近くの港町で下し、停泊していたラム酒船の船長に賄賂を渡し、送り届ける任務を頼んだ。これで、ジャックは、金を盗むことなく、より大きな船を購入できるってわけだ。
ラム酒船の船長と意気投合したジャックに俺は別れを告げることにした。とりあえず、10年後にポートロイヤル付近に来ることにしよう。つまり、彼の年齢は25歳くらいで、今も1725年位だと想定される。ちなみに俺は15歳設定だ。うちの連中は軒並み20歳に設定してある
因みにこの時代の基準では、50歳で死んだとされる黒髭だが、史実でも40歳で亡くなったとされている。当時の平均年齢が40歳とされている。中々に厳しい世界なわけだが、俺達は人並み以上の健康体なので、戦闘で死ぬことがなければ、
100まで生きるだろう。そうなると、ヨーロッパならフランス革命やナポレオンの皇帝即位、日本なら第11代将軍の徳川家斉の時代となる。
俺が会いたいエドワード・ケンウェイは、時代背景的に晩年になってしまうため、今がちょうど○サシンクリード4のオープニング位にしてもらった。
とりあえず彼と別れたら、ナッソーに向かう予定。距離にして直線距離でも792キロ離れている。船で行けば1週間以上必要な道のりだが、俺の能力を使えば、明日の朝には着くだろう。そこで、とりあえず、ベンジャミン・ホーニゴールドと、
エドワード・サッチを傘下に加える。
条件として、
①ナッソーに病院を建設し、医者を派遣すること。
②海賊同盟所属するものは安価に薬を処方すること。
③海賊として名を挙げれば、独立して海賊船団を持てる。
元々、ナッソーの海賊同盟が破綻した理由は、病の拡大と裏切り。その両方を事前に潰してしまえば、問題はない。
また、ホニーゴールドは貴族になりたいらしいな。俺もいずれどっかの国に取り入って、俺自身を辺境伯として認めてもらうつもりだ(ラフテルを領土とする)。そのときにホニーゴールドを騎士爵位でも与えてやれば、裏切る可能性も潰せる。サッチは知らん。死にたきゃ勝手に死ね。これだけの環境を整えてやれば、エドワード・ケンウェイもやりやすいだろう。
さて、やることも多いし、別れを済ませるとするか。
「兄貴。これからは俺も俺で名を上げるつもりだ。だから当分は助けられない。兄貴なら大丈夫だとは思うが、野垂れ死ぬんじゃねぇぞ?」
「俺をだれだとおもってる?キャプテン・ジャック・スパロウだぞ。」
「それだけ、ホラが吹ければ大丈夫だろ。またな!」
「ああ!お前も元気でやれよ。」
さてと…女性集めはまだ先かなぁ〜。