記念イベント
アン女王の復讐号、ブラックパール号、フライング・ダッチマン号。あの映画の海賊船が揃い踏みとは。
映画が完結してから5年。ファンクラブや有志たちによって、
映画の船をリアル再現するという企画が世界規模で持ち上がり、造船が開始され今俺の前にその船がある。
特にすごいのは、アメリカからこのシンガポールまで航海してきたということだ。勿論、海軍の街護衛付きだが。
シンガポールで○イレーツ・オブ・カリビアンの記念イベントがやってるなんてついてたわ。丁度修学旅行で来てるなんて運命すら感じる。
ただ、俺としてはここにもう2隻加えてほしいものだ。
アキーラ号とジャックドー号だ。俺が最近ハマっている
○サシンクリードシリーズに出てくる帆船だ。
時代背景的には、合っていないけどあの映画とあのゲームの世界が同じ世界だったのなら楽しかっただろうに。
できるなら、大艦隊の提督になってジャック・スパロウのブラックパール号と旅をしたり、ウィルからエリザベスを横取りしたり、海の墓場に行くはずだったジャックを助けて、ポセイドンの槍を手に入れたり、ナッソーの海賊同盟の中心メンバーの一人として、イギリス海軍を壊滅させたり、更に長生きして、日米修好通商条約によって追い詰められる前に日本を救援したり、色んなことをしてみたい。
そして、そんな事をする上で、海流を自在に操り、クラーケンのかわりにメガロドンとリヴァイアサンをペットとし、デイヴィー・ジョーンズでさえも震え上がらせる絶対的存在になりたい。
まぁ、そこまで行ったら海の死神・サラザールよりも凶悪なんだけど。
俺がそんな夢物語を独り思い描いていると…
「おい、大貴!おいてくぞ。」
同じ班の雄一に声をかけられた。
「待てって!今行くから。」
俺達は、半日かけて3隻の船を見て回った。特に男子と
Dヲタの興奮はとんでもなかった。
それぞれが思い思いのお土産を購入した。中には全身衣装を購入し、着替えるものまで出た。俺は、衣装なんていらない。
俺にとってのジャックは、かれだけだ。俺は人一倍写真を撮影した。
その後、USSにも行ったが、その時の興奮が忘れられなかったメンバーは、それぞれが撮影した写真で盛り上がり、特にアトラクションに乗ることもなく、宿泊しているル メリディアン シンガポール メンドーサに帰った。
「あぁ…凄かったなぁ…。」
「お前、いつまで船の話なんかしてんだよ。」
「なんてお前らはそんなに平然としてんだよ。映画の舞台を実際に見学するなんて普通ありえないんだぞ?そもそもさっきまで、お前らだって興奮してただろ?」
「俺、あれよりゾンビ系のほうが好きだから。帰りに新作映画の記事見つけたんだよ!」
「「俺も俺も。今度見に行こうぜ!」」
「あっそ。」
わかってないなこいつら。なんでこっちは大して好きでないくせに。ゾンビ映画は大好きなんだよ。理解できねぇ。
ゾンビ映画は完全に創作だけど、こっちは実在した人物もいんだぞ?なんで、良さがわかんないんだよ
まぁ、明日は姉妹高校との交流会あるから、さっさと寝るか。