4話 運命の職業ガチャ!
『盗聴阻害』か。
おそらくそのままの意味で、盗み聞きとかもしくは『盗聴』というスキルを阻害する能力だろうな。
まあ、チームを組んだ時なら役に立ちそうだけど……うぅ、地味だよぉ。
もっと戦闘向けの、シンプルに『肉体強化』とかでよかったのにな。
それにレベル3って。
この世界のレベルの基準がまだよくわかってないけど、創造がレベル99だったのを踏まえると相当低いよな。それとも創造が高いだけなのかな。
うーん。虚しい。
もうこれは『運命の職業ガチャ』で最強職引くしかないな!
よし! 気を取り直してレッツガチャ!
緊張に息を呑む。
俺の今後の異世界ライフがかかってる、運命のガチャ。その項目に触れる。
『運命の職業ガチャ! 職業は一度決まると、その派生職以外には二度と変えることができません。ガチャを回しますか』
どうしてそう、制限をするのかね。
転職機能ぐらいあってもいいだろうに。
まあ、それならそれで、このガチャで最強職を引くだけだ。
「もちろん回しますとも! 今度こそ、俺に強力で戦闘向けの職業を! たのんます!」
再び俺は目を瞑り、祈りを捧げる。
先ほどは申し訳ありませんでした。小説の神様。もう失礼なことは言いません。ですから、どうか! どうか職業だけでも戦闘向きのをお願いしますよ!
今度こそ、最強職出たよね。いい? 見るよ。はい!
「――!」
俺は画面に表示された職業名を見て、絶句した。
何故かって?
それはその職業が、おおよそファンタジー世界では聞いたこともない職業だからだ。
その職業とは――
『大当たり! 職業・応援団』
「応援団って……なんだよそれ」
それって職業なのか?
もうそれ絶対ネタ職だろ。ふざけんなよ。
そもそも俺は体育祭サボリ勢だったんだぞ。応援団なんて一生縁のないものと思ってたのに。
なにこれ、怖い。もう俺この世界でやっていけないかも。
てか、この職業ってどういう職業なの?
次の画面に進もうと画面をタップしてみる。すると次の項目が現れた。
『次の職業スキルが解放されました。【物攻付与Lv1】【物防付与Lv1】【俊敏付与Lv1】【魔攻付与Lv1】【魔防付与Lv1】【センス付与Lv1】【精神力Lv1】【拡声Lv1】』
なるほど。
めちゃくちゃバフ特化の職業ってことね。
って、戦闘職と思いっきりかけ離れてるんですけど!? むしろ真逆の職業だよ!?
えー、どうしてなのかなぁ。
神様になんか悪いことしたのかな。
これだと、俺に攻撃手段がないじゃないか……いや待てよ。これって自分に使えるのか?
そういや所持スキルって項目があったよな。
メニュー画面に戻り、『所持スキル』の項目を開く。
《ガチャスキル》
【創造Lv99】【盗聴阻害Lv3】
《職業スキル》
・付与
【物攻付与Lv1】【物防付与Lv1】【俊敏付与Lv1】【魔攻付与Lv1】【魔防付与Lv1】【センス付与Lv1】
・その他
【精神力Lv1】【拡声Lv1】
スキル一覧が開かれた。
こうしてみるとやはり創造のレベル99が異常に高いのがわかる。
この世界レベルの基準は最高がレベル99の世界なのかもしれない。最初にレベル99が出たもんだから、てっきりレベル999とか行くのかと思っていた。
それはそうと、俺は『物攻付与』の項目に触れる。
《スキルディテイル》
【物攻付与】 希少性・2 汎用性・2 MP1
対象を一人選択肢し、物理攻撃力を上昇させる。
レベルボーナス Lv1
効果時間・3分 発動距離3m 上昇数・5
ラックボーナス
なし。
そう言う仕組みか。
おそらくだが、そのうち対象一人だけでなく、対象全員可能になったりするんだろうな。
レベルボーナスはレベルが上がるほどに上昇していく項目だろう、ラックボーナスはよくわからないな。
効果時間は3分。時間制か。それに短いな。
発動距離も短い。上昇数は基準がわからないから何とも言えないな。
希少性と汎用性は何点満点の3なのだろうか。
まあいいや。とりあえず自分に使えるか試してみるか。
「えーと、物攻付与!」
お? なんとなーくだけど、力が漲ってる気がする。
試しにゲーム機のコントローラーを手に取って握ってみる。
グシャリ
そんあ音を立ててコントローラーが潰れた。
「おお! すげえ!」
うん。確実に力が強くなってる。そんなに力入れてないもの。
これ、すごいぞ。
そうだ、同スキルの重ねがけってできるのかな。
「物攻付与!」
先ほど創造したほうのコントローラーを握ってみる。
すると、同じように音を立てて潰れた。
これだと先ほどよりも上昇しているのかわからないな。『創造』だって創造したものの耐久地とか、実物と同等なのかわからないし。
「あ、そうだ。ステータス」
そういえばステータスの項目があったな。まだ見ていなかった。
メニュー画面を開いてステータスの項目に触れる。
カミヅキソウタ Lv1
種族・鬼人 職業・応援団
MP・5/7
物攻・2+5 物防・2 俊敏・2
魔攻・3 魔防・3 センス・1
固有スキル・【 】
精霊スキル・なし
ガチャ・職業スキル・【創造】【盗聴阻害】【物攻付与】【物防付与】【俊敏付与】【魔攻付与】【魔防付与】【センス付与】【精神力】【拡声】
「……ん?」
画面に表示されたステータスを見て混乱する。
ステータスの構造自体に問題はないのだが、いくつか突っ込ませてくれ。
まずは種族だ。なんだ『鬼人』って。モン〇ンかよ。俺は大剣一筋なんだが。
そんで『応援団』やっぱおかしいって。ステータス画面に似合わない職業ナンバー5には入るだろ。
基礎ステータスに関しては普通過ぎる。
付与スキルが重複されないのはわかったけど、特にこれと言って秀でたものはない。強いて言うなら物理系より魔法系が高いってことくらいか。
なんなら物理も魔法もオール0で、センスだけ馬鹿高いみたいな偏ったステータスでもよかったけどな。
後は精霊スキルがなしなのに固有スキルが【 】なのが気になるけど、そういう演出だろ。
まあ、こんなもんか。
一通りステータスを見て分かったことは、俺がただの平凡な一般人であること。
少しは期待したんだけどな。チート的なの。異世界脳だとやっぱり夢見ちゃうよ。
「……はぁ」
ま、残りのスキル確認したら外に出てみますかね。
《スキルディテイル》
【付与】 希少性・2 汎用性・5 MP1
対象を一人選択肢し、該当するステータスを上昇させる。
レベルボーナス Lv1
効果時間・3分 発動距離3m 上昇数・5
ラックボーナス
なし。
【精神力】 希少性・3 汎用性・0
不安定な精神状態になりづらくなる。
レベルボーナス Lv1
効力・10%
ラックボーナス
なし。
【拡声】 希少性・3 汎用性・3
声量の限界値が上昇する。
レベルボーナス Lv1
上昇数・7㏈
ラックボーナス
なし。
【 】 希少性・10 汎用性・10
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レベルボーナス
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ラックボーナス
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