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2nd prologue 『少年の願い』
prologue、まだ続きます。
空が見たかった。皆が美しく、汚れのないと言う空が、見たかった。でも、見ることは叶わないだろう。まだ十七、若輩の身ではあるが、もう残りの余生を過ごすしかなくなった。自分が、この家でいう禁忌であるからこそ、それが露見するわけにはいかないと、生まれた瞬間からここで——。
ああ、辛い。辛いよ。どうして窓すらも設けてくれなかった。一日三回の食事でしか人を呼んでくれない!なぜ人と喋っちゃいけないんだ!!
ふざけるな、フザケルナ……。こんなの、受け入れられるわけがないだろう……!
——ああ、蒼く、美しく、人の心のように汚れがなく、澄み渡り、果てのない世界を、見たかった。