第88話 勇者健の物語
あけましておめでとうございます。
今年も『国王』よろしくお願いします。
そして、ついに国王も20万PV達成です。ありがとうございます。
1月4日一部訂正しました。
あれは、前に俺が異世界に召喚されたときのことだ。
◇◇◇
5年前。
「よっしゃあー」
俺は、モンスターを倒して喜んでいた。
「おい、健。ちょっと調子に乗りすぎだぞ。もう少し落ち着いて戦えよ」
「悪い。何か体がすごく軽くてモンスターを倒せそうな気がしたんだよな」
「ねえねえ、健は元気だねえ。フリーベルトももっと頑張ったほうがいいんじゃない?」
俺のパーティーは3人。俺、フリーベルト、アイネだ。俺がこの世界に召喚されて最初の町に出会った仲間たちである。
偶然、お店で出会った俺らは意気投合して魔王を倒すための旅に出た。
フリーベルトは、素手で戦うスタイルだ。俺よりも実は強い力を持っていると思っている。それに、どこか気品を感じる。自分の出自について一切話してくれないが何かありそうだ。
アイネは、回復役だ。ピンクの長髪で年齢は俺より2歳上の16歳。巨乳であり中学生である俺にはかなり刺激が強い。年頃の中学生である俺からしたらもうそりゃあ、夜な夜な妄想にふけってしまう。
「このぐらいのモンスター、勇者様1人で倒してもらわないと困るからな」
はっはは。
フリーベルトが笑いながら言う。
健は、そのことについて何も言えない。フリーベルトの方が実力が上なのは事実なので仕方ない。
◇◇◇
現在。
「なあ、健?」
俺は、健に質問する。
「何だ、和之?」
「この話どれぐらい長い?」
「うーん、スピンオフ1作品書けるぐらい長さかな」
「長げえよ」
何となく長くなることだけは分かっていた。
話のスタートがフリーベルトとの出会いのほぼ序盤から始まったので長くなりそうなことだけが分かった。
「わかった。簡潔に言えば、前回俺がこの世界に召喚された時に王城から出て最初の町の酒場で最初に出会ったのがフリーベルトだったんだ」
「あの時、偶然酒場にいたんだけどな。王子という身分を隠して魔王を倒すたびっていうのも楽しいかなって思ってたんだよ」
フリーベルトは言う。
「しかし、きちんと国王になっていたんだな」
健がしみじみと言う。
「これでも頑張っているんだからな。お前らが今回召喚されたコスモ王国についてかなり前から警戒していて国際社会で訴えたりしていたんだぞ。しかも、あいつら無断で軍を国境まで近づけたりやりたい放題だし」
フリーベルトは、俺が異世界に召喚される前からかなり苦労していたようだ。
「それで、俺らを助けたのは?」
俺が聞く。
「ああ。さっきの話だが、コスモ王国を警戒していてきちんとスパイを放っていたんだよ。そうしたら、偶然お前らのことを知ってな。しかも、健がいるとなれば動かざる得ないでしょ」
フリーベルトがにかっと笑って言う。
「それは偶然に助かった。ありがとう」
俺は感謝の言葉を言う。
「ところでこれからどうする?」
俺は、そろそろこれからのことについて話すことにする。
「そうだな」
「一回計画を練り直さないとだな」
メッテルニセが冷静に言う。
「メッテルニセの言うとおりだな。あの計画でうまくいかなかった。あいつの方が上手だったということだ」
ミスリードルはメッテルニセに同意する。
「じゃあ、新しい計画をどうするかだね」
ミリーが言う。
ただ、ミリーの表情は暗い。
親友のルミエが本物ではなく偽物であったのだ。そのことについて本人はかなりショックを受けているのだろう。俺には想像することができない苦しみだと思う。そして、同時に思うことがある。本物のルミエはどこにいるのか。
俺も、あれには驚いた。ルミエが偽物で未来だったとは。なので、俺もかなりショックを受けている。いや、あまり考えすぎるな。どんどん気持ちが落ちてしまう。今、俺がすることは前を向いてあのクソ国王へ再び逆襲することだけだ。
「ミリー大丈夫?」
ユエが心配して声をかける。
「え、ええ」
だが、ミリーの声は元気がないのは相変わらずであった。
「とりあえず、作戦はカズユキが目を覚ましたばかりだから明日立てることにしよう」
「そうだな」
ミリーの様子を見てメッテルニセそしてミスリードルの2人は今日のところの集まりを解散させたのだった。
俺は、ミリーの様子がすごく気になりながらもフリーベルトに用意された俺の部屋に1回戻るのであった。
来週日曜日更新予定です。
また、今回の勇者健の話については時間があれば連載したいものですね。




