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第8話 図書館で知る真実

 忘れられているころに更新。次の更新もRPGが完結するまではかなり不定期です。

 翌日。異世界生活3日目。

 昨日は特には重要な出来事はなかった。……医務室の件については触れないでほしい。それも含めての僕にとっての普通なんだ。かけがえのない非日常の中の日常であると思っている。

 さて、そんなことはどうでもいい。今日は昨日と同じように訓練場に行って訓練をする……と見せかけて違う行動をとる。というか、見せかけるっていう言い方は少し語弊があるな。僕はこの世界についてもっと知りたい。そう思っていた。

 なので、今日僕が行く先はこの城の中にある図書館だった。さすが王国の中心ということもあって王国で発売されたすべての本ならびに他国の本の一部が貯蔵されている相当大きなものであった。

 本来ならば勝手に入ってはいけないのだが、王国の大臣の一人であるヴァース伯爵が僕が図書館を荒らさないのであれば立ち入り禁止区域以外の本は読んでいいと許可をくれた。

 ヴァース伯爵は本当にいい人だ。あの人は人望があるし、優しいし、何かと僕達のことを思ってくれている。本当にありがたい限りだ。

 本好きの僕にとってはこれ以上にない最高の空間であった。ここにならば1時間いや2時間、3時間それ以上とずっとこの空間にいることができる。そう期待に胸を躍らせた。

 運動は好きだが積極的にやる気はしない。特に、ミリー教官との訓練は個人的にはしばらくやりたくない。そんな嫌なことから逃げる現実逃避の空間として最高だった。

 僕は近くにあった本棚から1冊だけ本を取る。

 この世界の言葉は勇者召喚のおかげなのか日本語として自動的に翻訳をしてくれるため普通に読める。その辺はとてもありがたい。向こうの世界では日本史、世界史、地理、政治経済、現代社会、倫理、国語(現代文・古典)は得意であったが英語、フランス語、中国語といった外国語は全くと言ってもいいほどできなかったので新たに外国語を学べとなったら相当拒絶反応を起こしていただろう。それがなかっただけでもうれしい。

 僕が取った本は、こっちの世界に事を知る上でとても大事であると思っている。まずはこの国について知らないといけない。

 この国については誰かに聞くというのも一つの手かもしれないが、人から聞くとなるとここは王城の中だ。つまりは王様に忠誠を誓っているような人の集まりであってこの国についてよいことしか伝えてくれないかもしれない。

 疑うことが大事だ。

 社会が好きな僕はそう思う。政治経済の授業である言葉を習った。それはメディアリテラシーだ。メディアリテラシーとは、辞書にはこのように書かれている。


 インターネットやテレビ、新聞などのメディアを使いこなし、メディアの伝える情報を理解する能力。また、メディアからの情報を見きわめる能力のこと。


 つまりは、王城にある本の情報を見極める必要があるということだ。さすがに王城の中に入っている本すべてを検閲するには膨大な作業が必要なはずだ。と、なればいろいろな本が混ざっているはずだ。だから、人からの話や、時々自分たちの部屋に流れてくる玉音というなぞの音声発生装置(まあ、ラジオのようなものを想像してくれるとわかりやすいと思う)からいろいろな情報が流れてくるが、それよりはましだと公正公平だと信じたい。

 僕が取った本のタイトルは『諸国通志』というものであった。

 まず、見開いたページにはこの世界の地図が大きく両開きに描かれていた。地図から判断するにこの世界の大陸は全部で5つ。僕達がもともといた世界とは変わりがないようだ。しかし、各大陸の大きさは地図から判断するにどれもオーストラリア大陸ぐらいの大きさしかないようだ。中には四国ぐらいの大きさしかない大陸なんかもあった。それはもはや大陸というよりは島ではないかと思う。

 では、さっそくいろんな国について見ていこうと思う。まずは、僕達が今いるユーロシアン大陸から。

 

 ◇コスモ王国

 僕達が召喚された国だ。

 人口は4万人。国土は僕達の世界で言うと、北陸3県(富山・石川・福井県)の面積とほぼ同じぐらいだ。政治形態は王政。それも絶対王政である。その下に、宰相、大臣数人がいる形となっている。形の上での国会に当たる元老院も存在しているがどちらかという最高裁判所に当たるようだ。

 商業や軍事はそこまで発展しているというわけではないが、農業だけはかなり盛んであり食料自給率は驚異の90%越えみたいだ。

 そう考えると、僕達が毎日食べていた食事の野菜はすべてコスモ王国産になるということか。この国の野菜がかなりおいしかった理由が少しだけわかったような気がした。


 ◇マクロ帝国

 コスモ王国の西隣に位置ている国であり、このユーロシアン大陸における絶対の覇者らしい。人口は29万人。国土は関東地方と同じであり、商業、経済、軍事どれを見ても発展している。とりわけ軍事力は全国民29万人のうち10万人が兵士であることからかなりの軍事国家であると文献から想像することができる。

 皇帝による絶対王政でもあるが、軍人の力も上で述べたように強く宰相は軍の最高司令官が務めることが慣例だそうだ。元老院議員のほとんどが現職軍人を兼任し、それ以外の元老院議員も退役軍人が占めていることから軍人の強さがわかる。


 ◇アキナ市民国

 コスモ王国とマクロ帝国の真ん中に位置している小国。わかりやすく言うと、モナコやリヒテンシュタインといった国を想像するといい。

 市民国ということもあり、国家の運営は共和制で国民の人口も3000人しかいないため、直接民主制を唱えている。毎月1回全国民が政府のある首都の中央広場に集まる慣習があるらしい。これは直接民主制がこの国において定着していることを意味している。僕としてはこの世界にもスイスのような国が存在しており、さらに民主主義という考え方が存在していることにある種の感動を覚えた。


 ◇ヴァルナ共和国

 マクロ帝国の北に存在している国。約6年前までは王政国家であったが、6年前にあったヴァルナのクーデターによって国王、王妃、王族関係者が全員処刑または国外追放となったため共和制に移行。なお、ヴァルナのクーデターの説明を見たところ現実世界におけるフランス革命のようなものであった。

国土は新潟県と同じぐらいであり人口は6万人。


 この大陸における僕が今後関わりそうな国はこの4つぐらいであろうか。一応、この大陸には全部で13の国が存在していることが分かった。

 それから、政治の本も読んだ。各国の対外関係から今の国際社会について知っておきたかったからだ。僕達が召喚されたコスモ王国は周辺国家との関係はかなり悪いようだ。それは、領土拡大といった軍事面ではなく純粋に外交上において国王の態度がかなり問題であるとある書には書かれていた。やはり、あの国王は人徳がない人間であったのだと感じた僕の感覚は正しかったのだと改めて思った。

 さて、この世界の事情についてはかなりわかった。そして、あの国王の重大なにもだ。

 でも、この嘘はかなりひどいものだ。健と未来の2人にも話しておいた方がいいと思うが、そうすると健の性格からして絶対に国王のもとに行くだろう。また、未来にこういった話をするのもかなり悪い。だったら僕がずっと一人で黙っていた方がいい。

 とにかく、まだ健も強くはない。勇者であるから力はかなりあるらしいが、それでもまだまだらしい。健が強くなるまでの限られた残った時間を使って僕は僕でこの状況を打破する手を考えなければ。

 誰にも語れない。

 国王の

 それは、魔王と魔物なんてこの世界には存在しないという事実……

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