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第66話 次の町へ

 ヴァイデンが俺ら側の都市に寝返った。

 俺は今そのヴァイデンの都市庁舎の執務室の中にいる。

 そして、中には俺とユエ、ミスティルの3人だけだったが、ヴァイデンがこっち側に寝返ったことによりミスリードル、メッテルニセ、そのほか本隊が駐留している。


 「ミスリードルだ。この判断を心より感謝する」


 「メッテルニセだ。ありがたい申し出に感謝したい」


 「ヴァイデンの領主アイーシャです。こちらこそ協力を惜しまないのでお願いします」


 この革命軍の中枢メンバーがそろった。


 「カズユキ。ここから先はヴァイデンの様に行かない。全部が国王派の土地だ。1つずつしっかりと狙っていかなければならない。それは肝に命じろよ」


 「ええ、国王派はあのクソ国王であっても支持しているような奴らです。自分の権力がなくなることを一番恐れているはずです。ですので、権力をちらしましょう。俺らがこの戦いに勝っても奴らは権力を失わない。そういうことを言いふらせばこっちにもつくはずです」


 「そんな貴族らを私らの政権にも残したって何にもならないが、それでもいいのか?」


 「そんなの簡単です。俺らの政権になればやつらを追放すればいいだけです。メッテルニセやミスリードルの2人ならそれぐらいのこと考えていますよね?」


 俺は不正貴族らはいらないと主張する。

 この国王との革命の間だけうまく利用すればいい。

 俺はそう主張する。


 「……カズユキも恐ろしいことを言うようになったな」


 「カズユキってそんなこと言うキャラだったっけ?」


 メッテルニセ、そしてユエが俺の今の言葉に対してそのようなことを言う。


 「ひどいなあ。そもそも俺だってあの国王に騙された時、あの絶望した時にかなり性格がひねくれたってことぐらい理解しているんだぞ。それにこのような政略は歴史的に見ても普通にあったことだ。だから、俺がどうだってことではないな」


 俺は、2人の言葉に対して反論する。

 そんなこと言われてもなあ。

 それに俺だって歴史の授業や自分で調べた知識によって昔の人が同じようなことをしたっていうのを知っている。だから、やってもおかしくはない選択肢であるとは思うんだが。

 だけれども、この世界の人である彼ら彼女らにとっては少し違和感のあるものだったのだろう。


 「でも、カズユキの言うことは理解できる。この国をより良い国にするにはやはり今の国の闇というものを排除しなくてはいけない。そうなると、私が不正貴族らを排除するタイミングをしっかりと考えておかないといけないな」


 「そのためにも俺らの革命を何としても成功させなくてはいけないな」


 「そうね」


 「うん」


 「次の目的地は決まっているのか?」


 「ああ、次は……不正貴族の1人、クロウ伯爵の領地ブッラッフェにしよう」


 「ほお、カズユキ。なかなかいいセンスをしているな」


 メッテルニセに褒められる。


 「メッテルニセ的にもいい考えだと思うならこれで行く。じゃあ、進軍だあ!」


 『おおおおおおおおおおお』


 次の町への進軍が始まった。

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