第65話 王妃の秘密
アイーシャは、俺らに復讐について語りだす。
「私もあの国王が憎いのよ。あの国王に妹が奪われた。そのことは3年経った今でも忘れることができない」
「妹? アイーシャの妹ってもしかして……」
「ええ、カズユキなら知っていてもおかしくないわ。あのクズ国王の王妃であるリン王妃。あの子は私の妹よ。本来は幼馴染で婚約者の別の貴族に嫁ぐ予定だったのだけどあのクズ国王はうちの妹を王妃にしたいと考え、婚約者の貴族を謀反の罪で滅ぼし、嫌がる妹をそのまま王城に連れて行き王妃にしたわ。私達家族にはそのことを一斉連絡させることなく一夜で怒った出来事。母と父はこの事件でかなりショックを受け自殺してしまったわ。普通、国王に嫁ぐとなると名誉あることだからうれしがるはずなのに我が家はそれとは逆だった。私は一夜にして家族全員を殺されたようなものなの。だから、あのクソ国王は絶対に許してはいけない存在よ」
アイーシャの妹リン王妃。彼女には俺はあったことがある。俺がこの世界に召喚されたばかりの頃。王城内で彼女のことを見た。
不思議な人だと思った。
王妃なのに王を見る目は憎しみを持っているように思えた。常日頃から機嫌が悪いように思えた。王城内でのストレスが原因なのかと思っていたが、まさかそんな背景があったとは思わなかった。
それに今になってみれば俺達を見る目もかなり憐みの目であった。きっと、俺らが召喚されたころからこうなる未来を予想していたのだろう。この子たちもいつかこのクズ国王の罠にはめられると。
「あの王妃様にはそんな過去があったのか」
「リンは元気だった?」
「……ああ、元気だったさ」
俺は、もう2年も前のことになってしまったがその時のことを思い出しアイーシャを元気づける意味を込めて言う。
「ねえ、カズユキ」
アイーシャは俺に対して言う。
「私、いや私達ヴァイデンはあなた達反乱軍に参加することをここに宣言します」
俺らの仲間に加わってくれるとアイーシャが宣言する。
俺らは心より歓迎をする。
「ありがとう。アイーシャ。だが、1つだけ訂正させてくれ」
「……訂正?」
「ああ、反乱軍。違うよ、俺らはこの国をよくしようとしているんだ。こんな国なんか、こんな国王がいる世界なんて変えてやる! そんな決意で行っているんだ。だから、反乱軍ではなくて俺らは」
『革命軍!』
俺だけじゃなくユエとミスティルも一緒に革命軍という言葉を言う。
「革命軍、うん。革命軍。いい響きね。私もこんな国王がいる世界なんて変えてやりたい。変えてやるんだ。そんな気持ちでやろうと思うよ。だから、よろしくね」
「ああ、よろしく」
ここに、王国第二の都市ヴァイデンは王国側にとっては陥落、俺らからとったら陣地の1つとなった。
俺らの進軍はまだまだ進む。




