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第63話 政庁へ

 王国第二の都市ヴァイデン。

 俺らは無血で入場した。

 戦の1つや2つが起こると身構えて進軍していたのだが、心配事は何一つ起きなかった。

 むしろ、ヴァイデンに入場すると都市の人から感謝されたぐらいだ。


 「バンザーイバンザーイ!」


 民衆が喜んでいる。

 すごいことだ。

 それだけあの国王が嫌われているということなのだろう。

 そして、俺らが目指している場所はこの都市の中央に位置している政庁だ。

 ヴァイデンは王国第二の都市ということもあり王都や他の都市への通信手段がある。つまり、この通信手段を抑えれば王国中に反乱を呼びかけることができる。

 王都内からの反乱も引き起こす可能性がある。


 「さあ、そろそろ政庁よ」


 「政庁はさすがに簡単に落とせる気がしないね」

 

 「そうだね。……武器を持った兵士らがいるね」


 ユエの言葉で政庁を遠目で見る。実際に、兵士の姿が見えた。


 「これは簡単にいかなそうだ」


 「殿下どうしますか?」


 ミスリードルにミリーが聞く。


 「……正面突破は最終手段にしたい。カズユキ、お前に使者として政庁に行ってもらいたい」


 ミスリードルは俺に政庁に行くように頼んだ。

 頼むというよりも命令に近いものであった。

 だが、俺としても断る理由はない。


 「わかりました。行かせていただきます」


 俺は素直にミスリードルの命令に従う。


 「じゃあ、私もいく」


 「私もいくよー」


 ユエとミスティルの2人が俺に付いていくと言う。


 「いいのか2人とも」


 「「ええ」」


 「と言ってますが、ミスリードル2人も連れて行ってもいいのか?」


 「いいよ。問題ないよ。カズユキ1人で行くとちょっと心配になってしまったけど2人が付いていくのなら心配はないな」


 ミスリードルからも許可をもらった。

 なら、これでいいとしておこう。


 「じゃあ、政庁に行くか」


 俺らは政庁に向かって歩き出す。

 政庁には多くの兵士が見張りをしているのがすでに分かっている。

 俺らはかなり警戒して政庁に近づいていく。


 「気を付けないとね」


 「ああ。何があるかわからない。気を抜けないな」


 ゆっくり、警戒しながら向かっていく。

 そして、ついに政庁の目の前にまでやってきた。

 兵士が入口を囲むように待っていた。


 「厳しいなあ。これをどうやって切り抜けるか」


 「難しいね。魔法で突破する?」


 「失敗した時のリスクが高いよ」


 俺らはどうやって突破するのか考える。

 だが、一向にいいアイデアは思い浮かばなかった。

 どうすればいいんだ。

 時間だけが無駄に消費されていく。


 「いっそ、正面突破する?」


 ユエの提案に俺らは「えっ」となる。

 しかし、それ以外に方法が思い浮かばないのでその案で行くことにする。


 「じゃあ、正面突破するか」


 政庁の兵士の前に俺らは思いっきり歩いて出ていったのだった。

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