第61話 開始
短いです。
今回は。
それから1か月が経ってしまった。時間が経つのがかなり早かった。まさかこんなにも早く時間が過ぎていくとは思わなかった。
そして、時間が経つことによりやってくるものがあった。それが計画の実施だ。
1か月。
それは計画が実施されることを意味していた。
「カズユキ、ついに時間だ」
「ああ、そうだな。メッテルニセ今までありがとな」
「カズユキ、他の領主にも聞いたが計画通りだ。反乱をうまく起こせそうだ」
「なら、よかった」
「そうだな。こっちとしてもうまくいっていてよかった」
「しかし、意外とすんなりと時間が経過しましたね」
「そうだな。兄上の人徳があったのもでかい。まさか、近隣の領主がこんなにも賛同してくれるとは」
メッテルニセが言っていることは正しい。
実際にミスリードルは近隣の領主たちに今回俺達が起こそうとしている反乱について説明をした。普通であれば犯罪を通り越し大罪である反乱というものに対して誰一人として賛同を得ることができない。それが当たり前だと思っていた。むしろ、密告されてしまい俺達の作戦は実施前に終わってしまう。そんな未来も若干ながら思っていた。しかし、そんなことにはならなかった。これも全部ミスリードルのおかげだ。
「私は何もしていないさ。それだけ近隣の領主たちも今の国王に怒っているんだ。王国からの離脱をむしろ願っていたぞ。これでようやく解放される、とね」
ミスリードルは笑いながら俺に話しかけてきた。その笑顔には疲れているという表情を感じさせないものであった。ここまでたくさんの仕事をしてくれていたというのに本当にすごい人だ。俺はミスリードルに対してかなりの敬意を持っていた。
「それならよかった。元々俺一人の復讐だったはずなのにこんなにも多くの人を巻き込んでしまった。正直に言うと心が痛い」
「それは考えなくていい。そういうのは王族として上に立つ私達が責任を取る。だから、カズユキは余計なことを考えずにこの作戦を無事に実施してもらいたい。いいか?」
メッテルニセとミスリードルの2人が優しい表情で俺に語りかけてくる。
ああ。俺の復讐だったはずなのにこれがこんなにも多くの人に支えられてしまうとは。1年前の俺だったら信じることができただろうか。あの時の絶望は今でも忘れない。すべてを失った俺。誰も支えになる人なんていなかった。1人でこの復讐を成し遂げてやると心に誓っていた。しかし、そこからユエ、ミスティルと会い、さらにミリー、ルミエの2人とも再会を果たした。俺は想像以上に多くの人に支えられていたんだな。
「ああ、わかった」
ついに作戦が実施される。
「他の領主たちから反乱が起きたとの情報が来たぞ」
「こっちも反乱を起こすとしよう」
ついに国王への反旗が翻ることとなる。
すみません。忙しくてあんまり書けませんでした。次回は来週木曜日を予定しています。




