第47話 追い出された理由
勉強の合間に何とかして更新しました。
コンコン
私達がある人、いやある方に連絡してから少し時間が経った。
私達の謹慎している家の扉を叩く人物が現れた。
王城からの使いだろうか。
コン
コンコン
コン、コンコン
コンコンコン
扉を何回も一定のリズムで叩いてきた。
それは私達の中での緊急の合図であり、その相図を知っているのは私とミリーとそして……
「失礼するぞ。ルミエにミリー。事は深刻な事態だ」
「お久しぶりです」
「メッテルニセ王弟」
メッテルニセ・コスモ・シュベ・レーゼマン。
この国の現在の国王であるヴェッテルンヒルゼ・コスモ・シュベ・レーゼマンの実弟であり権力の座から遠ざけられた負けた王弟。その存在はもう亡き者として扱われており一説には暗殺されたとされているが、実は生きている。
こうして私達の前に現れているのがその証拠である。
この王弟実は現在の国王であるヴェッテルンヒルゼ王よりも有能なのである。見た目は金髪のイケメンであり年は30程度であるが実際よりも若く見えるほどの美貌の持ち主である。噂では隣の国の王女が一目ぼれをして告白をしてきたと言われている。
頭脳もいい。王国の学院を本来ならば5年で卒業するところを2年で卒業した。政治、軍事、歴史どの分野においても明るい人物である。
では、どうしてそれほどの人物が死んだことにされているのか。それは、古今東西の決まりであり自分よりも優秀な弟はいらないという兄の嫉妬、そして現在国王になった兄の政権に対する反旗を防ぐためにも暗殺をしたのだった。
しかし、頭のいいメッテルニセ王子弟は自身が暗殺されるということを察していた。そして頭脳名声の人間であるがゆえに兄の暗殺するパターンというのをすべて計算しかわしたのだった。しかし、表向きは殺されたことになっている。影武者が死んだおかげであるからだ。
そんな彼がどうしてここに来てくれたのか。
実は私達が今日国王に排除されたというのは元々私達がメッテルニセ王弟派の派閥に所属していた人間であったからだ。
なぜだか分からないがあの国王は私達を登用し続けたが、今回になって私達を排除したという訳だ。
「ミリー、どうして兄上があなた達を登用し続けたのか疑問に思っているみたいだね。それについてはきっと今日これから起きる、いや、今もう起きてしまっているかもしれな悲劇のためかもしれない」
「悲劇?」
「悲劇とは何なのですか?」
私とルミエは王弟の言葉に疑問を覚える。
「悲劇とは……いや、どうやらもう遅かったようだ」
王弟が悲劇の内容について話始めようとしたところで言葉が止まり、遅かったと話した。
遅かった。
王弟のその言葉についてまだ理解をすることができていなかった。
中身をまだ知らされていないから。
王弟1人の中で完結されてしまうと私達は大変困った。
「遅かった。兄上の計画を止めることができなかったのは残念だ。ミリー、ルミエ。どうして兄上は召喚された勇者たちにこの世界の情報をなるべく与えないようにしてきたかわかるかい?」
「それはあまり勇者たちに混乱を与えさせないためですか?」
「そうですね。私もそう思います。見ず知らずの世界。そんなところの話をされたところで私としては知ろうとは思いませんし、むしろ混乱するに決まっています」
「もちろんそれもあると思う。しかし、兄上の目的は違う。そもそも魔王がこの世界にはいない。そこのところ嘘をわざわざついた理由はなぜだかわかるか?」
「魔王がいない?」
「そうなんですか?」
私達は、メッテルニセ王弟のその言葉を聞いて信じられなかった。魔王が復活した。少なくとも私達にはそのような話がきていたし、実際に王城内でもその話は当然のことのように広まっていた。城下にもその話が広まっていたので完全に本当の話だと思っていたのだ。しかし、それが嘘とはどういうことなのか。
「やはり、魔王の話もカモフラージュできるように本当のことのように伝わっていたか。魔王の復活。それは嘘だ。これは兄上とその側近数人が作り上げた完全に嘘の話である。そして、こんなに面倒くさい手まで使って勇者たちをだまそうとした理由……それは、勇者の戦争利用だ」
「勇者を戦争利用する!?」
「恐ろしいことを考えましたね」
私とルミエはメッテルニセ王弟の言葉に驚きを隠せなかった。まさかあの国王がいかにも愚かであってもそのような蛮行をするとは考えていなかったからだ。
勇者の戦争利用。そんなにも愚かで恐ろしいことが起こる。それは阻止したい。私は思った。そして、隣で王子の話を聞いていたルミエも同じ思いであった。
「許せない」
ルミエは今にでも大爆発の魔法を発動させてあたり一面を灼熱地獄へと化してしまいそうなほどの怒り、気迫をもって感じられた。
こ、こわい。
私はそんな風に感じてしまっていたが、実際のところ私もその思いと同じであり今すぐ国王に向かって剣を突き刺せたいぐらい憎い、いや、そんな低俗な思いではなくイラついた思いを持っていた。
今すぐにでも止めないといけない。
国王の計画を。
私はそんな風に考えていた。
「計画を止めないと」
私はそう思った。今すぐにでも。
しかし、王弟は言う。
「だめだ。最初に私は言っただろ。遅かったと……」
王弟が言った。遅かった。その言葉の意味はつまり……
「ま、まさか」
「そんなことが……」
ルミエが悲しむ。
そして、私はその場に立つことができずショックのあまりその場に倒れこんでしまう。
「遅かったのですか?」
「ああ、兄上はすでに計画を進めた。カズユキ君だっけ? 彼が気づいてしまった。彼が気づいたために計画を早める必要があったのだろう。実力行使に出たようだ」
「……まさか、私達が今日城から追い出されたのは!」
「その通りだ。お前達2人がいると計画の邪魔だからな。だから、城から遠ざけた」
私達が今日追い出されたことはすでにこういった裏があったからなのか。
これから私達はどうすればいいのか。
私達は王弟を見たのだった。
次の更新は未定です。言えることは近いうちに更新します、だけです。




