第45話 ルミエ視点の過去話
すみません、スランプならびに風邪が長引いてなかなか書けていません。また、短いです。来年は頑張りますので今年最後の更新です。
「ミリーを呼んで来い。いいか、ルミエ?」
「……わかりました。コーノ侍従長」
私、ルミエはいきなり朝早く国王からのお呼びだと言わされ朝寝ているにもかかわらず起こされ王府へと向かうとそこにいたのは国王ではなく侍従長であった。侍従長の姿を見たとき私は何か嫌な予感がした。
そもそもだ。私はこの国の現国王のことが嫌いだ。私が王府に王城に仕えるようになったのは先代の国王すなわち現国王の兄であるシステーナール2世の手腕に引かれたからであり、また彼自身からの要請でもあったので宮廷の特別魔術師としての地位に就任させてもらっていた。
しかし、システーナール2世の突然の死により今の国王が就任してからどうもあの国王とは馬が合わなかったのだ。そもそもあの方の死が不審であったため現国王が殺したのではないかと一時期王府に噂として広まったことがあるがあながち嘘ではないと思っていたほどだ。というよりもそうだと私は確信している。
「今日一日、ミリー剣術教官と共に自宅で謹慎していろ」
それはともかくとして、私が朝侍従長から命令されたことがこれであった。
「それはどういうことでしょうか?」
私はその時とっさにそう言った。
謹慎していろと命令されて身に覚えのないのだから素直に「はい」と答えるほど私は権力に従順な人間ではない。
私が何か規則を破った覚えというのは何一つとしてないのでこれには素直に従うことができない。
「これは国王からの王命だ。随わないというのならばそれこそ国家反逆罪も視野にする。だから、素直に言うことを聞け」
国家反逆罪。
国家反逆罪ねえ。
侍従長のその言葉を聞いていよいよきな臭い話になってきたようだ気がした。国家反逆罪というのはこの国において不敬罪と並び最も重い罪の一つである。
通常この罪はよほどのことをしない限りは出てこない。私の慕っていた先代国王の時代においては一例としてこの罪は出てこなかった。
しかし、この国王の代になってからは依然と比べるとまるで量産されるかのようにこの罪が多様に世に出るようになっていた。
私は何か不都合なことがあると確信した。
私達が今日王城内にいることに不都合な理由が何かある。
その都合な理由とは何か。
私は1つだけ思い当たることがあった。
勇者たちが怪しい。
私は直感的にそう思ったのだ。
そもそも勇者たちを召還した理由も理由だ。本人達には本当のことを言っていない。ミリーは、本当のことを言おうとしたが止められたと言っていた。勇者の周りは今、親国王派の連中によって思うように動けないように固められている。勇者たちに情報が行くはずなどない。
とりあえずは、ここは従っておくふりでも見せておくのが賢明な判断であるかな。
「わかりました。ミリーに伝えておきます」
私は、こう言ってとりあえずミリーのもとへと向かった。




