逃走2
不審者のアドバンテージは20m。匠も妙月山中学陸上部エース!ではないが短距離では2番目に速い。中距離の1500mも部内2番目だ。匠自身中途半端だと自覚してるが、鬼ごっこやケイドロのような人を追うことだったら世界一得意だと自負している。長くなったが要するにそんじゃそこらの不審者には負けられない。
時間は午後の7時。ゲーセンは商店街に面してるからこの時間は少し混んでいる。前の不審者は歩いてる人を突き飛ばしながら走っている。
「いたっ。」
「あぶねえだろ!」
訳もわからず当たられた人は次々と怒声を鳴らす。落ちたカバンや買い物袋を拾ってる暇はない。ごめんなさい。
こういった人が多い場所を走るのは匠 にとっては造作もない。50mほど走って不審者とは10mほどの距離に縮められた。しかし、ここでペイントボールを投げても不審者に当たるかどうかわからないし、周りの人にもインクが飛び散ってしまう。そもそも匠はボールを投げるのは苦手だ。
誰か捕まえてください!と言いたいが不審者の方もなかなか足が速く.匠も息切れしてきて声がでない。
せめて、人だかりから離れられれば。
すると、不審者は急カーブをして裏道に入っていった。
よし、あそこならいける。
入っていった道は居酒屋街。「新入生」のある道だ。
またまた久しぶりです。これは筆者の人生の中で書ききれるのか不安です。