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金の星座 銀の星  作者: 月野安積
第一章 御前試合
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第一話

以前、同人誌で発表したものです

一章は完結しております。

  天羽境、天羽ノ宮、昔そう呼ばれていた所は、今ではすっかり焼け野原になり草木の生えぬ土地となった。

何者もそこには住めぬ代わりに、新天羽ノ宮ができた、

二度に渡る内戦の為、人が住めなくなった事と、現在の球帝の后妃の死により都を移し変えたのだった。

球帝の住む新しい宮殿の周りには、華やかな町ができ、そして戦いの痛手が癒えた頃、既に五十年が経っていた・・・。


「へーっ、でっけー墓だぜ」

青い髪を無造作に束ね、青くも見えるその黒い瞳をその建物に向け、青年、いやまだ少年とも言える体躯の持ち主を呟いた。

 

青年が見つめていた建築物は、今の球帝の后の墓である。

それは新天羽境の町が見渡せる小高い丘の上に建っている。

そこにどっかりと腰を掛け、青年は水を飲んでいた。


(都まで、もう少しだ・・・)


 不意に遠くから馬の足音が聞こえたと思うと、いきなり小刀が風を切り青年の頬を掠めた。


「うおっ!!」


 飲んでいた水の入った筒を投げ出し、あわてて逃げる。

「何をするっ」

馬を横付けにして、それは言った。

「その建物は、現球帝の后の墓と知って座っていたのか?」

夕日の様な赤い髪、額に布を巻きつけ、髪と同じ瞳を持つ男が言った。

「ごめん、人が来るとは思っていなかったから、少し休ませて貰っていたんだ」

「まぁいい、お前、名前は何と言う。何故天羽ノ都まで来た?」


「俺の名はシャハード、風の峡谷から来た。一週間後の現炎皇球帝の宮殿で行われる御前試合に参加する為に来たんだ」


 相手は尋ねておいたくせに、聞いているのかいないのか、馬から降り、馬の横に括りつけてあった袋の中から果物を取り出し、墓の前に供えた。

シャハードは続けて言った。


「勝ち残ったら球帝と一戦交えて貰えるばかりか、親衛隊に入隊できるからな、そうしたら、お袋と妹を都に呼んで町で生活が出来る」

「──── なかなか難しいぞ、試合に勝ち残るのはな。それに、球帝は変わり者だ、勝ち残った者がどれほど強かろうと、気に入らなければ傍に置かないと思うが」

「ちぇっ、あんた腹が立つなぁ、そんなの行ってみなけりゃ分からないじゃないか」

シャハードは腕を組んで赤毛の青年を睨んだ。


「名前は何と言ったかな、」

「シャハードだっ!、あんたは?」

「ナシュムーナ、ナシューと呼ばれている・・・」

「ナシュー──────」


ナシューは少し大きめの目を吊り上げたシャハードを見ながら鼻で笑って馬に乗った。

「それでは、またどこかで!、シャハード、二度と墓石に座るんじゃないぞ」



出来れば一ヶ月以内に一章を終わらせたいかと・・・

ガンバリマス(´・ω・`)

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