表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/5

初めての友達

「ねね、扇崎さんって中学校どこなの?」 

「えっと、西村さん?私は西中だよ。」  

「え!名前覚えててくれたんだ。さすが1位。」 

「いやいや、西村さんも私の名前覚えてくれてたでしょ。」 

「それは扇崎さんだからだよ。ねえ、1つ提案があって…私と友達にならない⁈」 

「えっ?」 

「いやだったらぜんぜんいいんだけど…」 

「ぜひ!ぜひ私と友達になって!」 

あ、つい嬉しくて勢いづいてしまった。 

「うん!よろしく。紫乃ちゃんって呼んでいい? 「もちろん。えっと西村さんは…?」 

「茜だよ。」 

「茜ちゃんだね。よろしくね。」 

それからしばらく茜ちゃんと話をした。彼女はとても明るい性格で、話していてとても楽しい。私は友達ができたことにとても浮かれていた。  



「続いて、校内での生活を生徒会の皆さんに紹介してもらいます。」  

私たちは学校紹介を聞くために体育館に集まっていた。 

生徒会メンバーが出てくると急にざわめきが起こった。女子たちが頬を染めて1人の人物を見ている。

「茜ちゃん、誰か人気な人がいるの?」 

「うん!2年生に久宮(ひさみや)先輩っていう人がいるんだけど、その人がすごくかっこいいんだ。おまけに親は大手企業の社長でお金持ちだし、頭もいいんだって。わたしも初めて見たけど本当にかっこいい!」   

茜ちゃんの視線もその先輩に釘付けになっていた。

「なるほど。そういうことね。」  

私もその久宮先輩とやらを観察してみた。確かに、整った顔をしている。女子たちがかっこいいと思うのもわかる。 

ん?今、目が合った?いや、そんなわけないか。気のせいだ。  




時はすぎ、あっという間に夕方になった。私は快斗と並んで歩いていた。 

「聞いて!今日ね、私、友達ができたんだよ。」 

「西村さんか?よかったな。ぼっちじゃなくなって。」 

「はあ、確かに今までぼっちだったけど、…今は友達いるの!」 

「はいはい。そういえば今日、女子たちが2年生のとある先輩のこと、めっちゃ噂してたな。」 

「ああ、うん。なんかかっこいいんだってね。」 

「紫乃はどう思った?その人のこと。」 

「え、私?ううん。確かに顔はいいけど、あの人なんか猫かぶってる気がするんだよね。なんかみんなの前でだけいい顔して裏では性格悪そう。」 

「そうなのか?」 

「いいや、分からないよ。けど話し方とかがわざとらしかったし。」  

「そうか。それはよかった。」 

「あ、そういえば快斗は部活入るの?」 

「もちろん、サッカー部に入るよ。」 

「そうだと思ったよ。」 

「紫乃はどこか入る?」 

「私は入るなら文化部かな。茶道部とか写真部とか。あ、けど文化部に入ると、運動部と帰る時間違うから、快斗と一緒に帰れなくなっちゃうね。」 

「そうだな。」

「うう、1人で帰りたくないよお。」 

「お前は案外寂しがり屋だからな。中学のころも本当は1人がやだったんだろ。」 

「うう…ってそれは中学の話。高校では頑張るの。」 

「そう、それは頑張れよ。」 

歩いているとあっという間に家に着いた。 

「じゃあね、また明日。」 

「じゃあな。」 

私たちはそれぞれの家に入っていった。 



私はこの頃はまだ知らない。このときの会話が災いのもととなることを。 




翌日の昼休み、私は図書室で本を読んでいた。図書室は人がほとんどいない。私は昼休みはいつもここに来て、奥の方で読書をしていた。そして本を見ようと棚のまわりを歩いていると、 

ぼふっ!

「っうわあ。」 

えっ?どうやら私は誰かにぶつかってしまったらしい。 

「すいません、私の不注意で。」  

「いや、僕は問題ないよ。」 

顔を上げると、なんか見覚えのある顔が見えた。ああっ!この人、昨日みんなが噂していた久宮先輩だ。やばい。なんていう人にぶつかってしまったんだ。 

「あれ、君は僕のことを見て黄色い声をあげないんだ?」 

「え、だってあな」  

気づけば私は壁際に追いつめられて、口を腕でふさがれていた。普通の女子であれば黄色い悲鳴をあげていただろうが、私にとっては恐怖でしかない。 

「これ以上言ったら、君の学校での立場をなくすよ?」 

私は必死に首を振った。 

「僕、学校での立場も、学校以外でも権力あるからね?逆らうのはおすすめしないよ。」 

そうだった。この人、たしかお偉いさんの息子なんだった。 

「あ、あと昨日帰るとき、僕の悪口言ってなかった?」  

はっ?なんで聞いてんの?もしかしてストーカーされてた?

「ええっと、それの証拠はあるんですか?」 

「あるよ。動画がね。」 

「うっ、てかなんでそんなもの撮ってんですか?」 

「証拠は大切だからね。」 

「はあ。ではそのことは謝ります。ごめんなさい。で、あなたはこれで許してくれるんですか?」 

「どういう意味だろうね?それはまるで僕が許さないと思っているようだ。」 

「実際、そうじゃないんですか?あなた、猫かぶってません?」 

「さあ、それはどうだろうね?」  

先輩はとても意地悪そうな顔をしている。これ絶対当たってるな。

「あ、あと罰の件だけど、明日から僕の手伝いをしてくれないかな?いいよね扇崎さん。」 

手伝いって、パシリのことですよね。しれっと罰とか言ってるし。てかなんで私の名前知ってんの。 

「じゃあ、僕はもう行くね。生徒会員は忙しいんだ。明日からよろしくね。」 

私は図書室に1人残された。そして溜息をついた。なんだ、あの人は。やはり相当性格が悪いではないか。 

せっかく、友達作りも上手くいきそうだったのに。



 



 










評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ