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高校生活の始まり

 入学式の翌日、私はいつものように朝食を食べ学校へ向かった。 

「行ってきまーす。」 

「ああ、いってらっしゃい。お弁当持ったね?」 

「うん、持ったよ。」 

中学の頃は給食だったが、高校はない。そのため弁当を持ってかないといけない。 

家の外に出ると快斗がいた。 

「やあ、おはよう。」 

「おはよう。」 

 別に待ち合わせをしていたわけではない。ただ、今までずっと一緒に行っていたため、高校でも当然そうなのだと考えていた。やはり快斗も同じことを考えていたみたいだ。 私たちは並んで歩き出した。

「弁当忘れてない?」  

「ああ、大丈夫。」 

「快斗はクラスに知り合いいた?」  

「うん、西中だった越前とか。」

西中とは私たちが通った中学だ。 

「ああ、越前君ね。」 

「紫乃は友達いたの。」 

「……私は中学では孤独を楽しんでたの。」 

「つまり、いないってことだね。」 

「うっ、そんなはっきり言わなくてもいいじゃない。てか、快斗みたいな友達多い人に言われると余計傷つく。」 

「ごめんごめん、けど僕は紫乃の友達だよ。」 

「あ、確かに!じゃあ私友達なしじゃないね。よかったあ。」 

 

こうして話しているとあっという間に校門近くまで来た。 

「あ、快斗おはよう。あ、扇崎さんも。」 

振り返ると快斗の友達の金谷君がいた。  

「おはよう。」

「あ、私はもう行ったほうがいいかな?」 

「いや、扇崎さんも一緒に行こうよ。人数は多いほうが楽しいから。」 

「ありがとう。」

「2人は1組だよね。いいなあ、僕も1組がよかった。」 

「はん、紫乃がいるからって……」 

「快斗?なんか言った?」 

「ううん、何にも言ってないよ。」 

「あ、そうなのね。」  




 私は教室に入り、席に着いた。 

どうしよう、誰かに話しかけようかな?ただ他の子はみんな友達といる。む、無理だ。あの中に入れるわけがない。私はそのまま誰にも話しかけれずに本を読み始めた。途中、快斗に助けを求めようと、見てみた。すると、目が合ったがそらされてしまった。ああ、友達と話をしてたのか。私はそのまま読書を続け、ホームルームをむかえてしまった。  




―――――――――――――――――――――

「なあ、高槻、今日扇崎さんと一緒に学校来てたよな?」  

「ああ、うん。幼馴染だからね。紫乃とは小学校からずっと同じだし、いつも一緒に行ってたよ。」 

「おま、うらやましい〜。」 

僕は今、1組の男子のグループに混じって話をしている。昨日少し仲良くなった。 

「扇崎さんってめっちゃ可愛くない?」 

「「それな!」」 

今話しているのは紫乃の話だ。かわいそうに。まさか話題にされてるとは思ってないだろう。ちらりと紫乃の様子を伺うと、本を読んでいた。チラチラと周りを見ていたから、本当は誰かに話しかけたいのだろうけど、できずに困っているっぽい。

「高槻、どうしたら扇崎さんと仲良くなれると思う?」

「え?普通に話しかければいいんじゃない?」  

「いや、厳しいって。僕が話しかけたら無視されそう。」

いったい紫乃に対してどんな印象をもっているというのだ。 

「いや、紫乃はそんな怖くないよ?」 

「けど、今だって読書してるし。勉強できない僕なんかが話しかけたら、邪魔に思われそうで。」 

「紫乃は友達を作りたいって言ってたけどね。」 

「高槻、扇崎さんの連絡先持ってないの?」 

「いや、持ってるけど。」 

「じゃあ、教えてくれよ。」 

「嫌だよ。それはさすかに紫乃もびっくりする。」「そうか〜。」 

「まあ、仲良くなりたいなら話しかけてみることだな。」 

 僕が再び紫乃の方を見ると、目が合った。あ、これ助けを求めてるやつだ。でも僕は目を逸らした。少しくらいは自分で話しかけられるようになってくれよ。 



 午前中には授業の説明などがあった。そしてお昼の時間になっていた。みんな友達と弁当を食べようと机をくっつけたりしているが、僕の幼馴染はというと、1人でいた。はあ、あいつ、まだ誰にも話しかけてないのか。話しかけたら絶対に入れてもらえると思うのに。紫乃は誰にでも丁寧に接するため、わりと中学でも人気があった。ただ、あまりに美少女なのといつも勉強しているのでみんな話しかけれないでいた。さすがにかわいそうだし、誘ってやるか。 

「おーい、お前どうせ、一緒に食べてくれる人がいなくて困ってたんだろ?」 

「快斗!」 

紫乃は泣きそうな顔でこちらを見てきた。 

「はあ、友達作るんじゃなかったの?」 

「いや、だってみんな友達といるから話しかけれないの!」 

「で、弁当は1人で食べるの?」  

「……」 

「じゃあ、僕たちのところに来るか?」 

「えっ?いいの?けどなんか男子だけのところに加わるの気まずい。」 

「いや、別に大丈夫だよ。あいつらは喜ぶだろうし。」 

「あ、そうなのね。ならお邪魔させてもらうわ。」

僕が紫乃を引き連れて、仲間のところに行くと、皆ぱっと顔を輝かせた。 

「実は紫乃がぼっちでこま、って痛」  

足を踏まれた。 

「えっと、いろいろあって加わることになった。」

「急にすいません。皆さん迷惑ではないですか?」

「いえ、ぜんぜん。ぜひ入ってください!」 

みるからに喜んでる。まったく、わかりやすい奴らだ。 

「高槻、ほんとにありがとよ。扇崎さんと一緒に弁当を食べられるなんてマジでラッキーだよ。」 

「快斗、この卵焼きあげる。」 

「え?いいの?」 

「さっきのお礼。」 

「ああ、うん。ありがと。」 

「その卵焼き、私が作ったんだよ。」  

紫乃はとても誇らしげな顔をしていた。とても可愛いらしい。



 昼を食べ終わると紫乃は図書室へ行った。相変わらず1人でいるようだったけど、僕はもう少しこの関係が続いてほしいと思った。紫乃が僕に頼ってくれるこの関係が。










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