↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハズレ=無能と追放された転生領主、辺境でだけ開花する【領地創造】チートで最果ての村を立て直す  作者: 夜凪レン


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
9/82

第9話 森への初探索と、初めての戦い


 翌朝。

 空気はひんやりしていたが、どこか張り詰めた気配があった。


「アルトさま、本当に行くんですね……」


 ミリアが少し不安そうに言う。


「ああ。畑も村も守るためだ。

 森の汚染源を突き止めない限り、魔物は増え続ける」


 そこへガルドが大きな足音を立ててやってきた。


「準備はいいか、領主さま。

 森は畑よりも容赦ねぇぞ」


「覚悟はできてる」


 ガルドはにやりと笑い、巨大な斧を肩に担いだ。


「なら大丈夫だ。俺が前に出る。

 領主さまは後ろで指示を飛ばしてくれりゃいい」


 ミリアは胸に手を当てて深呼吸し、

 柔らかな光を宿した。


「私も……できる限り支えますっ!」


(よし……この三人なら、きっといける)


***


■【森の入口】


 森へ踏み込むと同時に、

 空気が変わった。


 湿った土、濃い魔力の匂い、

 静寂なのにどこか“生きている”感覚。


(……嫌な気配だ)


 ウィンドウが自動的に警告を表示する。


──《警戒:魔力汚染レベル・中》

──《魔物の活性化を確認》


「気を付けろ。森ん中じゃ、何が飛び出してくるかわからねぇ」


 ガルドの声は低いが、どこか安定感があった。

 この森を知り尽くした“戦士の声”だ。


 ミリアがふと足を止める。


「……この感じ……嫌な匂いがします。

 魔物が近いかもしれません」


「ミリア、気づけるのか?」


「はい。“負の魔力”が濃い場所は、少し胸が苦しくなるんです」


(光の民の血か……本当に感知能力があるんだな)


 その時――


 ガルドが斧を構えた。


「来るぞ!!!」


 茂みが揺れ、黒い影が飛び出した。


***


■【魔物:腐狼ふろう


 普通の狼ではない。

 皮膚がところどころ腐り、

 目は真っ赤に染まり、

 体からは黒い煙が漏れている。


──《魔物:腐狼(Lv.4)》

《魔力汚染により凶暴化》


(これが……畑を荒らした魔物……!)


 ガルドが咆哮した。


「領主さま、下がれ!!!」


 腐狼が飛びかかる。

 ガルドは一歩踏み込み、大斧を振り抜いた。


 ――ドガァッ!!


 丸太のような前脚を粉砕し、

 腐狼が地面に叩きつけられる。


(強すぎる……!)


 ガルドは戦士ではない。

 戦場そのものだ。


「まだだァッ!!」


 倒れた腐狼に追撃を入れようとしたその瞬間――


「ガルドさん、危ない!!」


 ミリアが叫び、光の魔法を放った。


「《癒光》!!」


 浄化の光が腐狼に触れ、

 黒い煙が悲鳴を上げたように散っていく。


 腐狼の動きが一瞬鈍った。


 ガルドはその隙を逃さない。


「おおおおおっ!!」


 斧が振り下ろされ、腐狼は光の粒になって消えていく。


──《腐狼を討伐しました》

──《領地エネルギー:+2》


「ふぅ……。二人とも、大丈夫か?」


 ガルドが振り返る。


「ガルドさんこそ、大丈夫ですか!」


「こんなのかすり傷にもならねぇよ」


(すげぇ……頼もしすぎる)


 だが奇妙なことに気づく。


(1体倒しただけなのに……LEが回復した?)


──《魔物が領地に与える“負の魔力”を浄化しました》

──《領地の自然エネルギーが回復します》


(やっぱり……!

 魔物は“領地の敵”であり、“エネルギーの奪い手”でもあるんだ)


 つまり、魔物を倒せば倒すほど領地は回復する。


(森を浄化するのは、スキルだけじゃない。

 戦闘も領地創造の一部なんだ……!)


***


 ミリアが寄ってきて、光を俺の腕に流す。


「アルトさま、かすり傷が……」


「あ、ありがとう」


 じんわりと温かい光が傷を癒し、肌が再生していく。


「すごい……治癒魔法って本当にすごいな」


「えへへ……そんなに褒められると照れます」


(可愛い……じゃなくて、助かる)


 ガルドが前方を示す。


「まだ奥に続いてる。腐狼は“森の外側”しか出てこねぇ。

 本命はもっと奥だ」


「汚染源か」


「そうだ」


 三人は頷き合い、森の奥へと進む。


 その時、ウィンドウが警告を表示した。


──《森の深部に異常反応》

──《高位魔物の存在を検知》

──《領地危険度:上昇》


(……絶対に簡単には終わらないな)


 でも、もう怖くはない。

 俺には――


 ガルドとミリアという“仲間”がいる。


「行こう。

 この森を浄化して、村を守るんだ」


 風が木々を揺らし、森の奥から低い咆哮が響いた。


 初めての探索は、静かに――だが確実に、

 次の試練の扉を開けていく。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


少しでも続きが気になる、と感じていただけましたら、

ブックマーク や 評価 をお願いします。


応援が励みになります!


これからもどうぞよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。