第37話 白面の使者が語る『創造領主の起源』
白い霧が地を覆い、
王都と黒翼戦団の兵士たちは一様に膝をついた。
レア:
「ぐ……身体が動かない……!
魔力が……吸われてる……?」
ゾルガ:
「これは魔力抑制ではない……
“性質の反転”だ……!!
ありえん……!」
絶対的な力。
圧倒的な静寂。
その中心で――
ただ一人、アルトだけが動けていた。
???(白面の使者):
「アルト・フェーン。
あなたは疑問に思っているはずです」
「なぜ自分だけが“無能”と呼ばれたのか」
「なぜスキルが《創造》だったのか」
「なぜ突然目覚めたのか」
ミリア(震えながらアルトの手を握り):
「い……行かせません……!
アルトさまは渡しません……!」
白面:
「安心しなさい。
少し話をするだけです」
白面の使者は、
仮面の奥にある金色の瞳を細めた。
◆ ◆ 『創造』は、世界に一人しか存在しない
白面:
「まず初めに――
《創造》とは、他のどのスキルとも根本が異なります。」
「“世界の構築そのもの”に携わる能力だからです。」
アルト:
「……世界の構築……?」
白面:
「そう。
『創造』は元来、神位の能力」
「この世界の“根源層”に直接触れる、
唯一のスキルなのです」
ゾルガ:
「……やはりか……!
影の記録に残る“創世主の系譜”……!」
レア:
「何を……言っている……!?」
白面(続ける):
「ゆえに歴史上――
《創造》のスキルを持つ者は、常に一人しか存在しなかった。」
ミリア:
「アルトさまだけ……?」
白面:
「そう。
“二人存在してはならない”能力なのです」
◆ ◆ “無能”とされた理由
白面:
「アルト・フェーン。
あなたが無能扱いされたのは、能力が弱かったからではない」
「能力が強すぎて、世界側が“封じていた”のです。」
アルト:
「……世界が……俺を……?」
白面:
「あなたの《創造》は、未覚醒のままでも――
王都の結界を乱し、
黒翼の影術を無効化し、
魔力の流れを書き換える可能性があった」
「ゆえに王都は、あなたを“潜在的脅威”と判断した。」
レア:
「そ……そんな馬鹿な!!
王都がそんな……!」
白面:
「あなたは知らないでしょうが、王都には“予知文書”があります」
「そこにはこう記されていた――」
『創造領主の目覚めを許すな。
世界は二度、壊れる。』
アルト:
「世界が……壊れる……?」
白面:
「ええ。
だからあなたは“無能”という烙印で封じられた」
「――覚醒を遅らせるために」
ミリア(息を呑む):
「アルトさま……そんな……」
アルト:
「……“無能”って言われてたのは……
本当は……」
白面:
「“危険すぎる才能”を隠すためです」
◆ ◆ なぜ今、目覚めたのか
アルト:
「じゃあ……なんで今になって俺の力が覚醒した?」
白面:
「理由は単純です」
「――“封印が限界に達したから”」
「あなたの魂は、
本来の《創造領主》としての位階へ
戻ろうとしている。」
ゾルガ:
「……創造領主の位階が……上昇している……!」
白面:
「あなたは“世界を変える存在”として選ばれた」
「だが――
まだ『創造』の本当の意味を知らない」
ミリア:
「本当の……意味……?」
白面:
「ええ」
「《創造》とは、ただ物を作る能力ではありません」
「――世界そのものを書き換える力です」
アルト:
「!!」
◆ ◆ 白面の使者の目的
白面:
「だから、アルト・フェーン」
「あなたを迎えに来たのです」
ミリア:
「だめ……! アルトさまは行かせません……!」
白面:
「安心しなさい。
“連れていく”のではなく――」
「“解放する”のです」
アルト:
「解放……?」
白面:
「あなたの力を。
世界に縛られていた《創造》の真の姿を」
「――本来のあなたを取り戻すために」
その瞬間、
白い光がアルトの足元に広がり、
空中へと“道”が伸びた。
白面:
「アルト・フェーン。
あなたが歩むべき場所は――ここではありません」
ミリア(涙をこぼしながら):
「アルトさま……行っちゃ……だめ……」
アルト:
「…………」
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