第35話 ミリア覚醒。“光障壁、最大展開”
村は戦場と化していた。
王都特使の雷撃と、黒翼戦団の影術。
二つの大技がぶつかり、衝撃波が何度も村を揺らす。
ステラ:
「白土封鎖のせいで地形が固まってる!
アルト、スキルは無理だよ!」
アルト:
「わかってる……でも、このままじゃ村が――!」
アルトが村人達をかばおうと走り出したその時。
ミリア:
「――アルトさま!! こっちです!!」
ミリアはアルトの腕を強引に引き寄せる。
アルト:
「ミリア!? あぶない!!」
ミリア:
「ごめんなさい……でも、絶対に離しません……!」
◆ ◆ ミリアの胸の紋章が“跳ねた”
ミリアの胸の光が、
今までになく“強く”“揺れた”。
ゾルガ:
「……巫女の紋章が活性化している!
離れろ、直撃すればお前らが消し飛ぶぞ!」
レア:
「巫女程度の光が――
黒翼や王都の魔法を防げるはず――」
その瞬間。
ミリアの意識は、白く染まった。
(アルトさまを……守らないと……
この光は……そのために……)
《光の巫女よ――
解放を、望むか?》
(……はい)
《ならば――》
光紋章が覚醒段階2へ跳ねあがった。
◆ ◆ 光障壁・完全展開
ミリア:
「――《光浄結界》ッ!!」
轟音はなかった。
ただ、“瞬間的に世界が明るくなった”。
次の瞬間――
村全体を包むほどの巨大な光の球体が展開された。
魔術騎士:
「な……なんですかこれ……!?
光の壁……!?」
影兵:
「ちっ……影術が消される!!」
光の膜は、
王都特使の攻撃も、黒翼の影術も、
音もなく、ただ吸収して消した。
ゾルガ:
「……想定外だ。
巫女の出力が、第二段階中位……!?」
レア:
「バ、バケモノ……!」
◆ ◆ アルトを抱え、光の速度で移動開始
ミリア:
「アルトさま……行きます!!」
アルト:
「え、え!? ミリア!? 近い近い近い!!」
ミリアはアルトの腕を両手で掴み、
胸元へ引き寄せたまま走り出した。
いや、走っていない。
光が足元から噴き出し、
彼女は“滑るように高速で移動”している。
ステラ:
「ちょっと!? ミリア速っ!!」
ガルド:
「光の巫女、ここまでやれるのかよ!!」
光障壁の外で雷と影がぶつかる中、
ミリアは迷わず村外へ向かった。
ミリア:
「アルトさま……絶対に、離しません……!」
アルト:
「は、離さないのはいいけどっ……!
スピードっ……速すぎる……!!」
◆ ◆ 王都・黒翼の双方が追撃を開始
レア:
「逃がすな!!
創造領主を連れ去る気だ!!」
魔術騎士:
「光障壁が邪魔で近寄れません!」
ゾルガ:
「零番隊、後方追撃。
巫女の出力は長くは持たん」
影兵:
「了解!
封鎖陣の中央へ移動します!」
光の球体を追う影と雷。
まさに“狩り”の構図となっていた。
◆ ◆ ミリアの限界が近づく
村外の丘に差しかかったとき、
ミリアの足がふらついた。
ミリア:
「はぁ……はぁ……ごめんなさい……
光を……保てなくて……」
アルト:
「ミリア……! もう無理するな!!」
ミリア:
「だめです……
アルトさまが……捕まってしまう……!」
光障壁が少しずつ、薄くなる。
(ミリア……相当無理してる……
このままじゃ倒れる……!)
アルトはミリアの肩を掴み、
まっすぐ目を見て言った。
「ミリア。
俺は逃げない。
でも――君まで倒れたら、本末転倒だ」
ミリア:
「……っ、でも……!」
アルト:
「大丈夫。
絶対に俺を離すな。
絶対に守るから」
ミリアは涙を浮かべながら頷いた。
◆ ◆ だが、その直後
光障壁が完全に消えた。
レアの声が響く。
レア:
「見つけましたよ――アルト・フェーン!」
ゾルガ:
「囲め。
逃げ場は無い」
王都と黒翼戦団、
両軍が同時にアルトを包囲 する。
アルト:
「……ここからが、本番ってわけか」
ミリア(震えながら):
「アルトさま……手を……
手を握ってください……!」
アルト:
「ああ、離さない」
光は消えた。
だが、二人の覚悟は消えない。
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