衝撃の事実天さん既婚者!?
ここから天さん無双がはじまる……かも
結局ピクニック?はあの後は何事もなくそのまま帰ってきた。久遠は疲れたらしく寝てしまった。
「なぁ桜華」
「ん?」
「お前は誰のところに行くんだ?」
「私も気になります」
「驚かないでよ。……嫁のとこだよ」
「「……」」
「何か言えよ」
「悪い」
「衝撃的過ぎて絶句してしまいました」
「お前、既婚者だったんだな」
「子供はいないけどね」
似たような物はいたが言う必要もないだろう。
「明日はいないからヨロシクね」
ねくすとでい。
「行ってきまーす」
「ちゃんと帰ってこいよ」
「はいよ。アレ?つるちゃんは……っていつものか」
「反省してるんだ言わんでくれ」
「ハハハ」
そして俺はある場所に向けて出発した。
「確か……ここだったかな」
俺は今、古びた神社に来ている。この神社は上と下を繋いでいる。ここで神族の証を示せば……。
「消えてたら最悪だな"我、雷ヲ司ル者ナリ"。俺の神格が消えてなかったらこれで開くんだけど……」
どうやら神格は消えてなかったぽい。俺の体は見えない穴に吸い込まれた。
「懐かしいな」
俺は数百年ぶりにここに帰ってきた。ここは俺がいた頃となんら変わりない。
「えーっと、ウチどっち?」
いくら元神様とはいえ数百年ぶりの道は覚えていなかった。とりあえず桜華は歩き出した。だが道を覚えていないヤツが適当に歩くとどうなるか……。
「アレ?ここ、どこ?」
勿論迷う。桜華絶賛迷子中。
「う〜ん。どうしよ」
そんな桜に近づく影が。
(見つけた。お手並み拝見!)
その影は桜華に何かを投擲した。
「う〜ん」
(避けない。ヤバイ)
そんな心配を他所に桜華はその何かを受け止めた。
「危ないなぁ。これは……針?」
「覚悟!」
「まさかの二度目ぇぇ!?」
以前の四季と同じ様にこの娘もいきなり襲いかかってきた。戦いは嫌なんだけどな。だけどやっぱり甘い。簡単に止められる。
「嘘!?」
「嘘じゃないよ。君には聞きたい事が二つある。因みに拒否権は無いからそこんとこヨロシク」
彼女は頷いた。勝てないと悟ったらしい。そういえばなんかこの娘に見覚えがあるような……。
「まず、君の名前は?」
「藍」
ん?藍?もしかして……。
「俺の事分かる?」
「桜華」
「俺の嫁は?」
「六花」
「俺の好きな食べ物は?」
「林檎」
合ってる。これを知ってるのは六花とあの娘と弟だけの筈だ。つまりこの娘は。
「藍……なのか?」
「そうだよ。桜華と六花と一緒に住んでた藍だよ」
「おっきくなったねぇ。能力は使えるの?」
「うん。さっきの針があたしの"針糸操身"」
「能力は操作ってとこかな?」
「あたり」
まだまだ能力なんて使えそうになかった藍が能力を使えるようになってるんだ本当に時間がたつのは早い。
「で、まだ何が聞きたいの?」
「そうそう、六花の所に案内してくれない?」
「今更?六花怒ってたよ」
「うっ」
あいつにもちゃんと説明しなかったからなぁ。
「まぁ、ちゃんと説明するから」
「はぁ、いいよ。元々そのつもりだったし」
そんなこんなで桜華はようやく迷子から解放された。
「でもなんで俺が生き返ったのバレちゃったの?」
「桜華の事を六花が分からないわけないじゃん」
それもそうか。
「で、藍はなんの神様になったの?」
「医術かな」
「凄いじゃん。能力も強いし」
「桜華に言われるとちょっと傷つく。自分はもっと凄いくせに」
「俺はただの元神様だよ」
そう俺はただの元神様だそれ以上でもそれ以下でもない。
「ついたよ」
懐かしき実家に帰ってきた。変わってないなぁ。
「それじゃあたしは帰るからお母さんによろしくねお父さん」
懐かしい事言ってくれるね。
「ありがとね」
「どういたしまして。でも中でどうなるかはあたし知らないからね」
「え?」
それはどういう事ですか?
スパン
「ん?」
桜華の側の木が刀で斬られたのかの様に切れている。
「まさか……」
辺りを見回したが既に藍の姿は無かった。それにこの攻撃は……。
「ひ、久しぶり」
「ええ、久しぶり」
六花だった。こいつの能力は始末が悪い。できれば闘いたくないのだが。
「今まで何処をほっつき歩いてたのかしら?」
無理っぽかった。だって青筋見えるし。
「いや、そのいろいろありまして」
「そう、じゃあ」
分かってくれたか?
「死になさい」
えぇぇぇぇ!?満面の笑みで言いやがりましたよこの野郎。てか最近バトり過ぎだろ呪われてんのか?やっぱり弟ハメたのがいけなかったか。あいつ今めっちゃ偉いもんな。いろいろ考えてたら六花もう目の前だしぃぃぃ!?
「すわっ!」
「チッ」
危ない危ない間一髪だったぜ。去らばマイヘアー。
「なんで闘わにゃいかんのだ」
「……」
「ふぅ。なら力づくで聞くとしよう」
六花の能力"千変春風"は厄介だがなんとかするしかない。そういえば六花とガチでやるの久しぶりだな。殴り合いは。あ、夜の方もか。
これからは天さんの話になります。天さんの事がだんだんわかってきます
それではまた次回