みんなでピクニック!?
今回から桜華の過去がわかってきます
それではどーぞ
「そうだ、狩りに行こう」
「はぁ?」
「だーかーら、狩りに行きたいの」
またこのバカは変なこと言い始めた。
「なんで?」
「暇なんだもん」
「もん、とか言うな、きしょい。それに狩りには行かないからな」
「貴様が行きたがらないのは分かっていた。カモン、秘密兵器」
秘密兵器?なんだそりゃ。
「狩りに行きたいな。"お兄ちゃん♪"」
「グハァ」
何てことしやがる。獣っ娘にお兄ちゃんだと……。
「ハァハァ、こ、これしき」
「これを耐えるか……なら」
次は何をする気だ?ヤツは何か服を取り出した。
「これが何だか分かるか?」
「そ、それは」
桜華が取り出したのはバニーだった。それはもうバニーだった。
「これが欲しくば言うことを聞け」
「聞けー」
アレは喉から手が出る程欲しいだが
「俺達が狩りに行ったらつるが独りになるだろ」
「それなら問題なし。つるちゃんも連れてけばいいんだよ」
「私は良いですよ。ピクニックみたいで楽しいじゃないですか」
「それもそうだな」
こうして俺達は狩りと称したピクニックに行くことになった。
「疲れたー」
「桜おんぶー」
「黙れ、アホ」
「ぶー」
「皆で外出は初めてなので楽しいですね」
「楽しいと言うかうるさいけどな」
少し行くと小川に出た。
「あそこで休もうか」
「そうしましょう」
「別に遊んでも良いが、はしゃぎすぎないこと。特にバカ」
「「は〜い」」
久遠と桜華は早速林の中に行ってしまった。
「たまにはいいな。こんなのも」
「そうですね」
ヤバい、疲れてたのか眠くなってきた。
「お休みになるのなら、どうぞ」
「悪いな」
俺はつるの膝を借りて眠りについた。
「こっちだよ〜久遠」
「待て―」
二人は鬼ごっこをしていた。
「捕まえた」
「あ〜あじゃあ次は俺が鬼だね」
ガサッ
「「!!」」
「久遠は後ろに隠れてろ」
「(コク)」
「そこにいる奴出てこい」
出てきた奴は仮面をつけていて性別は分からなかった。
「お前、名前は?」
「……」
「返答なしか。なら倒してから聞くとしよう」
「……」
「頑張れ天さん」
「1つ言い忘れた。俺はかなり強いぜ」
言い終わると同時に奴が突っ込んできた。って速すぎだろ。でも
「よっ」
避けるのは簡単だな。また奴は突っ込んできた。今度はちゃんと受けてやるとしよう。俺は殴りかかってきた奴の手を掴む。
「止めた!?」
「!」
「結論お前は弱い。ウチの愚息にも劣る。という訳でお顔拝見」
必死に抵抗する奴の仮面を取ると
「お前は……」
「…ら…さま。さく……ま。桜様」
「ん?つるか。おはよう」
「おはようではありませんね。時間的に」
辺りを見てみると結構暗くなってきていた。
「悪い寝すぎた」
「それは構いませんが天さん達がまだ…」
「帰ってないのか?」
「はい」
ったく。あのバカは。
「探してくるからつるは待っててくれ」
「いえ、私も行きます」
「じゃあしっかりついてきてくれ」
「な、なんだこれは」
迎えに来てみると、増えていた。女の子が。
「次は俺が鬼か」
「「キャ〜」」
「待て〜」
「俺がおかしいのか?」
「いえ、桜様は平常だと思います」
「だよなぁ」
俺は断じておかしくなどなっていない。つまり本当に一人増えているのだ。
「待て〜」
「お前が待て」
近くに来た桜華に話を聞くと事にする。決して少女達と戯れているのが羨ましかった訳ではない。
「さ、く、ら様?」
「はひぃ」
「本題に入りましょうか」
「は、はい」
つるの後ろに鬼が見えたぜ。
「その子は誰だ」
「姪」
「MAY?まだ五月じゃないぞ」
ちなみに今は三月です。
「だから姪なの。初めて会ったけど。弟の娘」
「そっちかよ。で、なんでお前の姪がいるんだ?」
「知らん。聞いてみるか。おーい四季ー」
「なんですか?」
「何しに来たの?」
「おじ様に伝言があるのです」
「俺が蘇ったのはバレてんのか」
「はい。おば様が『桜華の匂いがする』とおっしゃっていました」
俺の復活筒抜けかよ。つーか匂いがわかるってどんだけだよ。
「それで伝言って誰からだ?」
「おば様です」
「アイツはなんて?」
「『早く来て』だそうです」
はぁ仕方がない。面倒だが行くか。
「どうしたの?桜、つるちゃん」
「お前、元神様って言ってたよなぁ。もしかして」
「四季さんも神様ですか?」
「そうですよ。じゃあ私は用も済んだので帰りますね。おじ様、また組手お願いします」
「あいよ」
用件を伝えて四季は帰ってしまった。もっとゆっくりすればいいのに。
「そろそろ帰ろうか。久遠ー」
「コン♪」
「あらら、戻っちゃったの。帰るよ」
「コン」
「疲れたな、つる」
「はい……」
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