桜華と六花の昔話!?
前回、恥ずかしい過去を暴露されかけた桜華はそれを防ぐことができるのか。それではいってみよー。
「電波か!?」
今のはいったい……。
「小さかったときとはいくつぐらいの時ですか?」
「……いくつ?」
覚えてないのに話そうとするなよまったく。
「5歳だったかな歳が近いって事で俺と和樹が六花の遊び相手として呼ばれたんだ」
「呼ばれた?」
「どういう事ですか?」
「そのままの意味」
「実は六花って結構なお嬢様で俺達はその家に拾われたの」
「お前両親は?」
「死んだ」
神族同士の醜い争いでね。
「で、そこから俺達の付き合いが始まったって訳。はいおしまい。誰がなんと言おうと俺はこれ以上喋りません」
「六花さんの天さんの第一印象は?」
「てきとーなヤツ」
なんでまだ話続けるかなそこ!
「和樹はいつも一生懸命だったけど桜華はてきとーだった。でも私達より何でもできた」
何でもは言い過ぎだよ。
「能力も桜華はすぐに使いこなしてた。和樹も頑張ってたけど桜華には敵わなかった」
……。
「私は何でそんなになんでも出来るのか不思議になって桜華に聞いてみたそしたら」
「そしたら?」
「俺は天才だから。って」
なにさ二人共そんなアホを見るような目で見ないでよ。
「正直私は桜華がちょっと嫌いにだった。いつもてきとーな桜華よりいつも頑張ってる和樹の方が好きだった」
そーだったのねちょっと凹むわ。
「でも違った。ある日私が夜起きると外で音がしたから見に行ってみたら」
「桜華がいた、と」
やっぱりその話しちゃうのね。だから嫌だったのに。
「気になった私はその日から毎日桜華を見てた」
そういえば俺も桜もストーキングされてる!?
「皆が寝静まってから桜華は独りで能力の制御をしてた」
だって見られるとハズイじゃん。努力は影でするものです。
「皆からはいつもてきとーな桜華より頑張っている和樹の方が評価されてた。でも、和樹は桜華に勝てなかった」
兄貴として弟には負けられません。
「そんな時私の婚姻の話が来た」
「どなたとですか?」
「知らない人。でもお父様達が決めてしまった」
ヤバイぞその話はマジでヤバイ。
「私は結婚したくなかった。もっと自由になりたかった。でも、お父様の言葉は絶対だった。そんな私を救ってくれたのは桜華だった」
「いったいどうやって?」
「屋敷からいきなり外へ連れてかれた」
「ま、まさか駆け落ち?」
「違う。ただ一緒に外に出て一言言われただけ」
「なんて?」
「『六花は自分の行きたい道を行けば良い。どんな道でも俺はついていくから』」
今思うと何て恥ずかしい台詞を言ってるんだ俺は。顔から雷出そう。
「私はその言葉に勇気を貰った。初めて私はお父様に自分の気持ちを伝えた」
「結果はどうだったんですか?」
「駄目だった。家に強い血を入れるためだから諦めろって」
「そんな……」
落胆してるけどこの二人はバカなのかそのまま六花が結婚してたらここにいないだろ。
「でも、また桜華が助けてくれた」
「どうやって?」
「桜華がその人と闘って勝った」
「その人は弱かったんですか?」
「よく知らないけど多分違う。お父様が欲しいと言うぐらいだから強かったと思う」
「その頃からチートだったんだなお前」
桜にだけは言われたくない。
「違う。その人は桜華より強かった。桜華が勝てたのはその人の慢心。桜華の実力、気合を嘗めてた」
「コイツより強いって一体その人はどんだけ強いんだ」
うーんやっぱりこいつはバカなのか?
「あの頃の桜華より強かっただけで今はそうでもない」
「天さんが勝った後はどうなったんですか?」
「その人との結婚の話はなくなった。その代わり……」
「その代わり何ですか?」
いやーだめー言わないでー。
「おい、何だかバカが暴れ始めたぞ」
「天さんは放って置いて話を続けましょう」
「……わかった続ける。その代わりお父様に桜華と結婚しろと言われた」
「それで二人は結婚したんですか?」
そうはいかないんですよ。そんなことだったらここまで嫌がりませんよ私わ。
「ちょっと違う。結婚の話が出たら桜華は屋敷から出ていこうとした。『これで一件落着だ。後は六花の自由にすれば良い』とだけ言って」
「最初からそうする気だったろお前」
そげな昔の事覚えとりゃせんわ。俺はもう寝る!
「その後はどうしたんですか?」
「もちろん止めた。それで結婚した」
「どうして天さんと結婚したんですか?」
「桜華は私にとって空気みたいなもの。無くてはならないあるのが当たり前のもの。桜華がいれば他はいらない」
「結婚した後はどうなったんだ?」
「あの戦いのお陰で桜華は周りに認められて次の神族の長になったその後は知ってるでしょ」
「飽きた世界を壊そうとして弟に殺された」
「だいたい合ってる。でもちょっと違う。桜華は確かに世界を壊した。血統重視の世界を実力重視にした。これが私と桜華の話」
「そうだったんですか」
「しかし、何がこいつは嫌だったんだ?」
「きっと恥ずかしかっただけ」
この時は皆この平和な時間がずっと続くと思っていた。しかし崩壊は訪れる。
そろそろクライマックスに入ります。
戦闘描写が増えますが作者の実力では上手く書けませんのであらかじめご了承ください。