桜華と桜の昔話!?
昨日は本当に大変だった。今日は何もしたくない。っと原因その1が起きてきた。
「おはよう桜」
「大丈夫か?随分やつれてるな」
半分は君のせいだよ。
「君たちもお楽しみだったみたいだね」
「……なんで知ってる」
「声聞こえたし。ごめんね六花、声大きいから」
「別にいい。六花は?」
「まだ寝てるよ。今見に行けば何にも着てないよ」
「…興味ない」
若干間があったぞムッツリスケベ。
「おはよー」
男二人で馬鹿話をしていたら久遠が起きてきた。
「二人だけ?」
「そうだよ」
「たまにつるが起きてこない時はあるけど六花もっていうのは珍しいね」
おい、しゃんとしろ桜。目が泳いでるぞ。もしかして久遠わかって言ってるのか?
「そういえば昨日の夜ネコの声が聞こえてきたけど野良猫でもいるのかな?」
久遠ぜってーわかってる。顔がニヤけてるし。久遠恐ろしい娘。面白いけどそろそろ助けてやるか。
「久遠その辺にしといてやってよ」
「は〜い」
「ふぅ」
顔に出すぎだよ桜。これは戦闘だけじゃなくてこっちも鍛えなきゃダメかなぁ。
「つると六花はいつ起きてくるの?」
「さあ」
「することもないし暇だな」
「じゃあさ天さんと桜が初めて出会った時の事を話してよ」
そんなことが聞きたいなんて物好きだなこの狐。
「どっから話す?」
「最初から」
「はいはい。和樹たちに負けた俺はこの地に封印された。そして俺がいたという記録は消され俺は鬼神として扱われた。んで十年前のある事件で封印が解けた」
「ある事件?」
「俺が村を一つ消したんだ」
いやいやもっと細かいところを説明しなさいよ。
「桜の父親は伝説の鬼神である俺を復活させようとしたんだ」
「なんで?」
「ただ自分に出来るのか出来ないのか知りたかっただけだろ」
俺は実は桜の家族の事は何も知らない。もしかしたら桜の父親も昔はあんなんじゃなかったかもしれない。
「そしてオヤジは復活の触媒として母さんを殺した」
「どうして触媒は桜のお母さんだったの?」
「桜の母親の家系は代々俺の封印を司る家系だったんだよ」
「俺に神族の血がながれているというのは?」
「俺を封印するときにその時のこの土地の巫女つまり桜のご先祖様がどっかの神様と交わったんだ」
「ふぇ〜〜」
おい、久遠。自分が聞きたいって言ったんだからもっとちゃんと聞けよ。
「そんで、お母さんを殺された桜が怒りに身を任せ能力を使って村をひとつこの世から消した」
「……」
「巫女が死んで俺の封印が緩んで幽霊みたいになった俺が桜に憑いたって訳」
三人が昔話をしていた頃、部屋の外には二人分の影が。
「そうだったのですか」
「知らなかった」
「六花さんもですか?」
「(コク)」
この二人話が始まった時からいたが部屋に入るタイミングがわからなかったわけでは断じてない。
「いつ入りましょうか」
「……」
「ってな訳で俺が桜に生き方を教えたわけさ」
「ふーん」
完っっっ全に飽きてやがるな。しょうがない部屋の外にいる二人も呼ぶか。
「そろそろ入って来たら?」
「誰に言ってるんだ?」
あんな駄々漏れの気配にも気づかないなんて昨日の件も含めてみっちりしごかないと。
「いつから気づいていたんですか?」
「最初から」
「声かけて欲しかった」
「本当にお前は化物か」
化物なんて心外な。こんなの和樹にだって……出来たっけ?
「久遠眠そう」
「天さんと桜の話聞いてたら眠くなっちゃった」
そんなことを言ってこの狐は六花の膝で寝てしまった。まだ起きてから二時間も経ってないに。よく寝る狐だ。
「んじゃちょっと遅い朝飯にしますか」
「そうしましょう」
この日の朝食は珍しく六花が手伝わなかった。久遠が寝ていたから仕方なかったのだがそれがあんな結果を招くとはこの時は誰も知らなかった。
それは朝食中の何気ない一言だった。
「先程、天さんと桜様の出会いはお話していましたが六花さんとはどうやって会ったんですか?」
「それは気になるな」
「聞いてもつまんないよ」
「それを決めるのは俺達だ。さあ話せ」
二人共そんな聞きたそうな顔をするな。あの話はしたくないんだ。六花ヘルプ。あ、そっぽ向いた。これは逃げるが勝ちだな。れっつえすけーぷ。
「逃がすか」
桜に肩を掴まれた。コイツは何でこんなときの行動が迅速なんだろう。
「HA☆NA☆SE」
「I☆YA☆DA」
こんなアホなやり取りをしていたら
「桜華が話さないなら私が話す」
まさかぁぁぁぁ!意外な伏兵がここにいたぁぁぁぁ!!
「六花は話すつもりだぞ諦めろ」
何を言っている。こんなところで諦めてたまるか。諦めたらそこで終わりなんだぁぁぁぁ!!
「天さんとはどこでお知り合いになったんですか?」
「私がまだ小さかったとき」
っておぉぉぉぉい早速話を始めてるんじゃないよ。
これから桜華はどうなってしまうのか続きは次回!
「続くのかよ!!」
今回から過去の話を書いていきます
次回は六花との話です