夜空の星と神
夜空の星々の遥かに離れたこの地上で
ギターを奏でながら
星の世界を表現していく
未知なる星の輝きが
そのまま即興演奏の中に端々から組み込まれていく
雄大なる大地に寝そべりながら
ギターの音色は絶やさない
そのうちに
星々から神々が降臨された
神々の1人であるゼウスという神が言う
「佐藤。音楽芸術で世界を救え。それが今世にお前が生まれてきた意味である」
星の明かりが強くなってきた
ゼウスの声が強くなる
「お前の志によって世界は右にも左にも左右される。それほどの天運をもらって地上に生まれたんだ。世界は今絶望の危機に包まれている。世界を救え。使命を忘れた人生を送るな」
するとゼウスと名乗る神様の姿が薄くなっていく
「ゼウスさん。あの、姿がだんだんと……」
夜の帷の中で不思議と光色の色が褪せていく
「私のことはいい。世界を救わないと神々にとってもどうしようもないんだ」
ゼウスだけでない
他の神々も姿が消えかけている
「世界を救えって……俺はギターしか弾けないんですよ!ギターでどうやって世界を救うんですか!教えて下さい!なんで消えていくんですか!?」
ゼウスと神々は姿を隠し
再び夜の残りの時間が訪れる
俺はギターを弾こうかと思ったが
こんな心持ちでどうやってギターを弾けばいい?
やがて雨雲が空にかかっていく
俺は世界を救えと言われたが
その矛盾のジレンマに耐える事が出来ないと思う