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一文で解決する不可能犯罪

作者: 川里隼生

 某国で殺人事件が発生した。容疑者はすぐに特定できたが、その人物は遺体発見時に建物内にいなかった。そのうえ、この建物唯一の出入口から出た様子がないにも関わらず、事件当日の夕方には遠く離れたニューヨークに滞在しているのだ。


 殺害されていたのは英国人観光旅行客のジャック・トーマス。建物外で絞殺されたのち、大型のキャリーバッグに入れて女性用トイレの個室まで運ばれたと見られている。遺体とキャリーバッグに付いていた指紋から、犯人は同じく英国人のシャーロット・スミスと断定された。監視カメラで確認したところ、シャーロットがトイレを出てからジャックの遺体が発見されるまでは約三時間かかっている。


 前述の通り、この建物に出入口は一箇所しかない。正確には関係者専用の通用口や非常口が存在するが、シャーロットはこの建物には一般客として入っているため関係者専用エリアには立ち入れないし、事件当日の非常口はしっかりと閉鎖されていたことが確認されている。


 窓を割る、または屋上から外に出ることは物理的に不可能というわけではないかもしれないが、警備員の記憶にも監視カメラの記録にもそのような異常行動をとる女性の姿は残っていなかった。また、この建物は外周にフェンスが張り巡らされており、敷地内の至る所を警備員が巡回し、監視カメラが撮影している。セキュリティに関しては同国最高クラスと言っても過言ではない。


 一体、シャーロットはどのようにして現場となった空港からニューヨークへ移動したというのだろうか。

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