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・・・ 次元の狭間

地球を(うかが)う次元の狭間。

地表を観察していた一体の超種族の(かたわ)らに、もう一体が実体化した。

もっとも、彼らはここでは人型をとる必要はない。三次元の生物が見れば、輪郭が揺れ動くぼんやりとした何かが、空間に浮かんでいるに過ぎなかった。


 ◇ ◇ ◇


「脆弱な有機生命体だ。数十秒間、外気を導入する管組織を狭めるだけで、窒息する。」

「死んだのか。」

「仮死状態に陥り、呼吸中枢の機能停止を確認した。数分で心肺停止に至る。」

「あとは、群竜に任せることになる。」


「我々が直接に手を下すとは、な。」

「主上もお喜びになるだろう。」


すると、二体の周囲に数体の存在が実体化して、彼らを取り囲んだ。

そのうちの一体から、思考が投げかけられる。これはジローが知るところのキュベレだった。

「ここで見ていたのね。あなたたち、何をしたか分かっているのかしら。」


「これは宗主様方(そうしゅさまがた)、さては露見(ろけん)いたしましたか。」二体は神妙な思考を返した。この二体にすれば、キュベレたちの種族は宗主であり、逆らうことのできない上位種なのだ。


「まさか、ここまで過激だなんて。これは、あなたたちの主上からの指示かしら?」

「いいえ、我々の一存によるものです。」

「ふーん、愚かな配下の暴走だと言いたいのかしら。」

「肯定します。」


「この直接的かつ物理的な干渉は、明確な違反行為よ。あなたたちの罪は、評議会で裁かれることになる。」

「目的を達したのです、おとなしく従いましょう。」

「あら、ジローを排除したつもりなのかしら? まあいいわ、連れて行きなさい!」


次元の狭間から、全ての存在が一斉に遷移していった。

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