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スキル『転職』を持つ私が聖女になりましたが、嫌なので、転職します!

作者: ルル


私は、犬飼 聡子(いぬかい さとこ)

30歳 独身の趣味もあまりない人間だ。

人間関係も構築が下手なのか、今も金曜日の夜だと言うのに

一緒にお酒や一緒にご飯を食べる友人はおろか、恋人もいない。


自分のこれと言った、スキルもない。

会社の人間関係も苦手だ。

誰が誰のことを贔屓しているだとか、

誰が誰のことを嫌いだとか・・・。

正直どうでもいい。


ただ、それは社会人にとっては、社会を生きるために、聞いて、相槌を打つことや同意をしなければならない。

それが今の世の中だから・・・。


そんな社会で日々、生きるためのお金を稼ぐことしか考えていないのが私だ。

お金があるんだったら、仕事なんてすぐにでも辞めて、自由に暮らしたい。

だから、会社に恩なんて感じたことはない。


雇ってもらった恩?

人が足りないから求人を出した企業に、私が求職者として応募して、いろいろな会社の意向で採用されただけ。

そこに恩なんてない。


もちろん、私の労働賃金は安くないかもしれない。

会社にとって、私がお荷物になるか働き蜂になるかは、雇ってみないと分からないわけだ。


そんなグダグダ言っていても、会社に対しての不満はそれなりに溜まる。

例えば、最近の有名な『働かないおじさん』や『社内ニート』と呼ばれる人たち。


まぁ、もうそんなことはどうでもいい。

なぜなら、私は最近受けた会社の内定連絡をもらうことができた。

明日には、今の会社に退職の意思を伝えて、辞めてやる!!というワクワクした気持ちを持って、一人暮らししているマンションの前まで来たときだった。


その時!

いきなりカメラのフラッシュをたかれたのかと思うほどの眩しい光が私を襲うのだった。


次の瞬間には、知らない天井で、私を囲む変な集団の中心にいた。

大成功した!とか

これで、この国は救われる!という声が口々に聞こえた。


そこに、一番立派そうな服を着た髭面のおじいさんが杖を手に私に近づいてきた。


それまで周りで騒いでいた良く分からないうるさいおじさん達は緊張感を持った顔で黙った。

 よく分からないけど、一番偉そうな髭爺として、ほかは番号で呼ぼうと心で決めた。


髭爺は

「鑑定結果として、この女人の職業は・・・・

 聖女 と出ている。

 スキルは・・・

 浄化、治癒、あとは・・・。

 てんしょく?

 聞いたことはないが、恐らく召喚した際に付随しているものかもしれない。

 とりあえずは安心だな。」


ってみんなに言うと、私に向き直って

「本日はお疲れだと思いますので、ご用意する部屋でごゆっくりしてください」

と私に言うだけ言って、髭爺は部屋を出ていった。


髭爺の後に、さっきまで騒いでいたおじさんたちもアヒルの子どものように後を追って、部屋から出ていく。


残されたのは、現状をいまだに把握できていない私と、見た目が30代後半かなという女性だけだった。


呆然と召喚されたままの状態だった私に近づき、私のお世話係として用意されたメイドさんだった。

メイドさんに教えてもらったのだが、召喚された場所は、この国の国教である、エストラダム教本部の一部屋だった。


大人になってから、誰かにお世話なんてされたことのない私だったから

これで、働かない生活を手に入れられると安心した。


メイドさんに案内された私の部屋は、とても豪華な部屋だった。


部屋で一人になったので、少しでも楽な格好になるため


上着を脱ぐ。


こういう時は、パンツスーツにしていた自分に感謝した。


ベッドに座り、もしかして?と思いながら


「ステータス、オープン」と唱えてみる。


すると、先程まで何もなかった空間に透明なボードが出て、そこには


 名前  イヌカイ サトコ

 職業  聖女

 スキル 浄化、治癒、転職

と・・・。

職業が聖女!?

そんな・・・。


まぁ、聖女召喚されたし、そういうことか

と無理やり自分を納得させた。


問題はスキルだと思う。


聖女だから、浄化とか治癒は分かる。うん、分かる。

でも、転職ってなに?

召喚される直前に転職のこと考えてたから?


とか考えながら、スキルを触ってみると、タッチパネルみたいに反応する。


浄化のスキルを押すと

『周辺に瘴気が感知できないため、発動できません』とエラー。

そりゃ、教会本部だから当たり前か。


次に治癒を押す

『周辺に治癒を使用できる者がいないため、発動できません』とエラー。

私の疲労は治癒してくれないのね・・・。


最後に転職を押す

すると、新しいタブが表示された。

そこにはいろいろな職業が記載されていた。

試しに、鑑定士を押すと

光に包まれ、収まったときに開いていたタブには

『鑑定士に転職しました』と


初めての投稿のため、温かい眼差しで見ていただける幸いです。

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