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【3】領主の家へ

そして3歳となった。

ご飯中に私の父親がなにか言ってきた。3年も過ごしているともう男性恐怖症も薄れてきた。とは言ってもやはり生の顔を見ると吐き気はしそうになるけれど。


「スプリング。そろそろ学校に行こう。そこでまず友だちを作りなさい。そうすることでいい友達が今後助けてくれるから」

「えっそんなこと出来るのですか。まだ3歳だと言うのにそれはスプリングにとって酷な話では?行かせないほうが賢明だと感じます」


確かに母親が言うことにも一理ある。聞いた感じ幼稚園とか小学校とかじゃないし、何なら大の大人が行くような大学みたいなところっぽい。その時でも私は4歳だぞ普通はおかしい。そんな考えを父親は一蹴した。


「そうでもないぞ。皇族家は6歳ぐらいから誰でも入るらしいしな。どちみち固有魔法があるなら行ってみたほうがいい。冒険者になる前に行きなさい。俺の娘ならトントン拍子で試験に合格するだろうからな」

「そうですか。わかりました行ってみます」


とは言ってもな。試験の内容知らんしな。


そしてとりあえずこの世界の歴史について知ろうとした。この世界はあまり本が普及していないらしい。ただここの領主様のところには、この世界の歴史についての本や、それ以外の本もあると聞いたので馬車で行くことにした。


その馬車は4頭の馬で引っ張られていた。そしてワゴンは道幅とほぼぴったしの大きさだった。

これが馬車か思ったよりもごっついな。普通馬車って馬2頭で引っ張るものだろう、4頭多すぎない?中に入ると防音機能が搭載されていた。全くこの中の音は聞こえないみたいだ。ちょっと待てなんでこんなに豪華なの?防音とか馬4頭とかあれ?私の父親ちょっといいところの人間なんじゃないのか?


「こんにちは。スプリングちゃん」


馬車の中に座ったときに向かいにいた40代ぐらいの人物に笑顔で声をかけられた。気持ち悪っ。オェッすぐさま目をそらした。


「私の名前はフォアティ・サウグス。スプリングちゃんはご機嫌斜め〜?」

「お母さんはどこ?なんでお母さんは乗ってこないの?父親から聞いてない?私が男性恐怖症なこと」

「私はこれでも領主だからこんな狭いスペースに3人だなんて窮屈じゃない。君のお母さんは後で来てもらうんだ。あと男性恐怖症だなんて聞いていないよ。それお父さんも知らないんじゃない?」


‼ホントだ‼3年も一緒にいて父親に私が男性恐怖症だってこと教えていない‼

あと領主直々に来たのかよ。


「実際に私が男性恐怖症であることは本当なので喋りかけないでください。じゃないとこの馬車をpーで汚してしまいます」

「ゲロのことをp−って言うなんて。君って4歳もないよね」

「はいそうですけれど。どうして聞くのですか?」

何こいつ。やばいやつじゃないの。そしたらこの防音機能も説明がつく。

ギャーーーーーーー逃げなきゃーーーまたあの悪夢が再来するーーーーー‼


「受け答えしっかりしすぎていない?ちゃんと敬語もつけて」

「そんなことないですよ」


全然なんでもなかった良かったぁ。杞憂だったな。思いっきり焦った私が馬鹿みたいね。まあ今は4歳だから不思議な子だなーって思われて終わりだな。でも流石にこれは4歳にしては変だよなもう少し気をつけなきゃ。

そうしている間に馬車は発車した。


=フォアティ・サウグスside=


ようやくここの家の娘を連れ出せた。というかあっちからこの子を領主様のところに連れて行ってくださいなんて言うとは思わなかったな。えっ何で連れ出したかったって?そりゃここの街のルールで毎年一人はこの近くにいる化け物に生贄を出さなきゃいけないからだよ。本当に良かった。ここの家の人一昨年もその前の年も生贄の当番に当たっていたはずなのに娘を全く出そうとしなかったからな。ほんと世話が焼ける家だ。とはいえ4歳だもんなせっかくの命頂戴しちゃってごめん。私直々に訪問してあげよう。


着いたー。この防音機能ついている馬車なら住民たちが今年の生贄はどうのこうのという噂を聞かれかれないからねそれで逃げちゃったら困るもん。もしかして去年はとにかく出さなきゃいけなかったから他のところに当たって聞かれなかったから安心してもう来ないと思っているな。しかし来るんです。あと2日で生贄だからねそれまではわがままを聞いてあげるよ。

さあ扉を開けてと行きましょうね。娘の情報も知っているし完璧だね。

それにしてももうステータスわかっているってどういうことなんだ。それにどれだけ優秀な貴族や王族でも6歳から行くとされる第2魔法学園トロンに4歳からの入学させようとしているだなんてアタオカじゃん。


「こんにちは。スプリングちゃん」


えっちょ待て待て顔をそらされたんだけれど。ありえないありえないこんなこと大丈夫だこちらが名乗らなかったのがだめだったのか。よしもう一度話しかけよう


「わたしの名前はフォアティ・サウグス。スプリングちゃんはご機嫌斜め〜?」

「お母さんはどこ?なんでお母さんは乗ってこないの?父親から聞いてない?私が男性恐怖症なこと」


ぎくっ[お母さんはどこ?]だと鋭いところを突くなこの娘。母親は生贄と聞くと自慢の槍をもって追ってくるからな。槍術はSランクだからおかしいし勝てないもん。あとこの娘男性恐怖症だとまじか。そんなこと知らないんだけれど。



「私はこれでも領主だからこんな狭いスペースに3人だなんて窮屈じゃない。君のお母さんは後で来てもらうんだ。あと男性恐怖症だなんて聞いていないよ。それお父さんも知らないんじゃない?」


よし。うまく言い訳できたか。言い訳して良いわけ?もちろんいいに決まっている。あれっスプリングちゃんなにか考えている。もしかしてデマカセだったのかな良かった。


「実際に私が男性恐怖症であることは本当なので喋りかけないでください。じゃないとこの馬車をpーで汚してしまいます」


ホントのことかどうせ嘘だな。貴族だと知った途端言い方をデスマス口調に変えてきた。教育がしっかりとしているな。20歳を過ぎている私の息子なんかデスマスなにそれ雰囲気だし。いっそのことこの子養子にして自分の息子を生贄に出すか。まあそんなことしないけれど。


「ゲロのことをp−って言うなんて。君って4歳もないよね」

「はいそうですけれど。どうして聞くのですか?」


やっぱり4歳だよね20歳過ぎている私の息子よりもできが良い。自分の教育になんの問題があったんだろう。


「受け答えしっかりしすぎていない?ちゃんと敬語もつけて」

「そんなことないですよ」


あるあるそんな謙遜しなくても。少なくとも自分の息子よりはしっかりしているよ。やっぱりこの子を人質に出すのは忍びないな。

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