キツネが みつけた たからもの
冬童話2021投稿作品です。
童話なんてネタがないと思っていたのですが、何故か書けてしまいました。不思議。
寒い季節ですので、少しでも心の温もりの足しになれたら幸いです。
もりの どうぶつたちは ふゆじたくを はじめています。
キツネも ふゆのあいだの たべものを さがしていました。
「あった!」
キツネは きのみを みつけました。
「これは おいしそうだぞ」
「あ……」
こえに ふりむくと リスがいました。リスも たべものを さがして いたのでしょう。かたまったまま キツネのもつ きのみをじっとみていました。
くう〜。
リスの おなかが なりました。リスは はずかしそうに おなかを おさえます。
「……あげる」
「いいの!?」
「いいよ。ぼく いっぱい みつけられるから」
「ありがとう! ありがとう!」
リスは なんども おれいをいって きのみを もっていきました。
「まぁいいや。あんな ちっちゃいきのみ すぐみつかるさ」
キツネは そういって またさがしはじめました。
「あった!」
キツネは じめんをほって おいもを みつけました。なかなかの おおきさです。
「やったぞ! これは おおものだ!」
「いいなぁ……」
こえに振り向くと タヌキがいました。タヌキは うらやましそうに おいもを みています。うしろには きょうだいでしょうか ちいさな タヌキが かくれていました。
「……あげる」
「えっ、いいの?」
「いいよ。ぼく たべもの みつけるの とくいだから」
「ありがとう! たすかったよ!」
うれしそうな タヌキをみて キツネも なんだか うれしくなりました。
「さて がんばって さがさないとな」
キツネは あたらしい たべものを さがして もりのなかを かけていきました。
ふゆが やってきました。
「……おなか すいたなぁ……」
おうちのなかで キツネは ぐったりしていました。たべものを せつやくしているので おなかが すいているのです。
あれから キツネは たべものを みつけるたびに じぶんより こまっているどうぶつに であうので あげたり わけたりしました。
そうしているうちに じぶんのたべものが とてもすくなくなってしまったのです。
「でも みんな よろこんでくれたなぁ」
キツネは たべものを わけてあげた どうぶつたちのかおを おもいだしていました。
そのよろこんだかおを おもいだすと おなかがすいているつらさが ちょっぴりなくなりました。
こんこん。
「ん? だれだろう?」
とをたたくおとに キツネは おきあがりました。さむいふゆに おきゃくさんなんて めったにこないので キツネは くびをひねりました。
「こんにちは」
「リスさん こんなさむいなか どうしたの?」
「まえにもらった きのみの おんがえしです」
そういって リスはきのみを みっつ くれました。
「あのとき おなかが ぺこぺこだったから たすかったよ! ありがとう!」
「ありがとう!」
すると うしろから タヌキが かおをだしました。
「やあキツネさん このまえは ありがとう! おとうとが おなかを すかせていたから とてもたすかったよ!」
タヌキは おいもを どっさり くれました。
「ありがとう!」
そのあとも キツネに たべものを わけてもらった どうぶつたちが おれいをもって キツネのところに やってきました。
「みんな みんな ありがとう!」
キツネは あたたかい ふゆを すごせそうですね。
読了ありがとうございました。
分かる人には分かると思いますが、とある曲の歌詞から作りました。ただその曲通りに行くと。キツネは多分餓死するので、ラストは童話らしいハッピーエンドにしてみました。あいらぶ御都合展開。
童話は専門じゃないので、次回作は思いついたら書くくらいの気持ちでいます。皆様も気が向いたらで構いませんので、読んでやってください。
1/6追記
四月咲 香月さんから、キツネの両親の写真を頂きました! 大丈夫です! お子さんは元気にやってます(笑)!