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刑事部刑事課第七係  作者: 如月雪華
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第2話 最初の事件 〜調査終了〜

高貴:「よし、村本孝史(むらもとたかし)が間違いなく犯人である証拠が揃ったな。

俺達で逮捕できるが、あとは総監に任せよう。

すぐに報告に行ってくる。」

大輔:「お願いします。」

高貴さんは報告書を持って総監室に向かった

夏樹:「よし!これで捜査は終わり~。」

あっという間の事件解決に、みんなの実力が想像以上だと分かった

またゆったりとした日常に戻る

私は部屋を出ると、志麻君に事件解決の報告をした

志麻:『事件解決おめでとう。

じゃあ今日の夜は空いている?

美雪が行きたがっていた焼き肉屋に行こうか?』

私はすぐにOKの絵文字を送った

志麻:『仕事が終わったら連絡くれよ。』

焼き肉かぁ~、楽しみだなぁ

母に連絡をして部屋に戻る

夏樹:「ねー、美雪。今日の夜は予定ある?

お疲れ会しようよ。」

美雪:「ごめんね、今日は先約があって・・・。」

夏樹:「・・・・それって志麻君って人?」

美雪:「内緒。」

夏樹君はしつこく聞いてきたが、私は聞こえないふりをしていた


美雪:「おいしいぃぃぃぃ!!!」

私は焼き肉を堪能していた

志麻:「あはは。相変わらずいい食べっぷり。」

美雪:「志麻君も食べてよ?」

志麻:「もちろん。それよりごめんな。

あまり今回の事件の手伝いができなくて。」

美雪:「いいのいいの!

志麻君だって仕事忙しかったでしょう?」

志麻:「まぁ、ちょうど立て込んでいたね。」

美雪:「仕事は片付いた?」

志麻:「ああ。おかげさまで。

だからこうやってお疲れ会ができるってわけ。」

美雪:「よかった。」

しかし・・・気配ですぐに分かる

志麻君も分かっているみたいだ

志麻:「・・・呼んであげれば?」

美雪:「・・・・でも志麻君に迷惑だよ。」

志麻:「いいよ。どうやら心配で尾行していたみたいだけど・・・尾行は苦手らしいね?

広めの席を用意してもらうからいっておいで?」

そういって志麻君はクスクスと笑った

美雪:「ははは・・・、じゃあ呼んでくるよ。」

私は席を立ち、ある席に向かった


美雪:「警察官でありながら尾行は下手ですね?」

第七のメンバーは顔を見合わせ苦笑した

高貴:「俺は反対したよ?デートの邪魔はするなと。」

悠一:「俺は焼き肉が食べたかっただけ。」

智和:「そんなこといって志麻君って人のこと気にしていたくせに・・あちっ!やめろよ!!」

大輔:「すまない、美雪。」

夏樹:「だって俺達の誘いを断って優先する志麻君って人が気になってさ!!」

私はため息をついてしまった

美雪:「広めの席を用意してもらいましたし・・・志麻君もどうぞって言ってくれたので・・・一緒に食べますか?」

全員は笑顔になった


美雪:「志麻君こと志麻美悠しまみゆう君です。高校の同級生で、志麻探偵事務所をしている探偵さんです。」

志麻:「志麻美悠です。よろしくお願いします。」

全員は唖然としていた

美雪:「どうされました?」

高貴:「いや・・あまりにもイケメンで・・。」

夏樹:「・・・負けた・・・・。」

大輔:「芸能人かと思いましたよ。」

志麻:「いえいえ、しがない探偵です。

美雪、紹介してくれるかい?」

美雪:「うん。えっと・・・。」

私はメンバーを紹介した

しばらくしてすっかりお酒も入り、志麻君の懐に入るうまさも相まって、1時間後にはすっかり意気投合していた

夏樹:「美悠はイケメンだし性格いいなんてずるい!」

志麻:「夏樹だって可愛いイケメンじゃないか。」

智和:「ねぇ、志麻君はゲームする?」

志麻:「ええ。美雪がゲーマーなので一緒にやっていますよ。」

みんなでワイワイと話す姿を見て私は単純に嬉しかった

高貴:「悪かったな、尾行して。」

美雪:「いえ。いずれ志麻君のことはみなさんに紹介しようと思っていましたので。

それに、あんなに打ち解けている姿をみて嬉しいです。」

高貴:「美雪は・・・すごく周囲から愛されているな。」

美雪:「・・・そうかもしれません。

サイコパス刑事だと警察内では疎まれていますが、志麻君だけがいつも味方でしたから。

いつも周囲には感謝しています。」

高貴:「・・・俺達も美雪の味方だからな。」

美雪:「ありがとうございます。」

夏樹:「あー!ちょっと高貴さん!

美雪といい感じにならないでくださいよー!」

高貴:「いててて・・この酔っ払い!!」

終始賑やかな食事会になった


次の日、出勤すると大輔さん以外は机に突っ伏していた

美雪:「お・・はようございます。」

大輔:「おはよう、美雪。美雪は体調平気かい?」

美雪:「はい。えっと・・・みなさん二日酔いで?」

大輔:「ああ。あれだけはしゃいだのは久々だったからね。」

ふと志麻君のことが心配になった

お酒は強い方だから大丈夫だと思うけど・・・

私は志麻君にLINEをした

しばらくして『みんな二日酔いか。俺は大丈夫だよ。これから出勤。』

さすが志麻君

『さすが志麻君だね。今日もお仕事頑張ってね。

昨日は本当にありがとう。』

すると可愛いスタンプが送られてきた

携帯をしまうと電話が鳴った

美雪:「はい、刑事部刑事課第七係です。

あ・・ご無沙汰しています・・・ええ・・・まぁ・・・はい、少々お待ちください。

高貴さん、刑事部長からお電話です。」

高貴:「げっ・・・小言か?・・・はい、第七係安元です・・・はい・・・そうですか。

分かりました、ご報告ありがとうございました。

では。美雪、テレビをつけてくれないか?」

美雪:「はい!」

私はテレビをつける

私達が担当していた刺殺事件のニュースが速報で流れていた

村本孝史が勤めていたRICO’Sにも捜査のメスがはいったという

高貴:「・・・だそうだ。この事件は終わりだ。」

そういって高貴さんはまた机につっぷした

悠一さんも智和さんも夏樹君もまったくテレビを見ようとしなかった

なんだか第七らしいなと思い、私はクスッと笑ってしまった

大輔:「美雪、なぜ笑っているの?」

美雪:「こんな大きな事件だったというのに、みなさん、何も変わらないので。」

大輔:「そうだね。俺達は別に逮捕して手柄や功績がほしいわけじゃない。

一つでも多くの事件を解決できればそれでいいっていう人間ばかりだからこそ、いつも通りに過ごせるのかもしれない。」

美雪:「ここは他の部署と違い、味方同士のつぶし合いや手柄の横取りなど無縁ですね。」

大輔:「ああ。美雪はそういう環境で頑張ってきたわけだろ?」

美雪:「ええ。私には息苦しい環境でした。」

大輔:「そうだろうね。警察とはいったいなにかを皆は忘れてしまっているね。」

美雪:「そうですね・・・。」

大輔さんは稽古に行ってくると部屋を出た


警察とはいったいなにか・・・本当、全員に問いただしてみたいわ・・・



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