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刑事部刑事課第七係  作者: 如月雪華
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第2話 最初の事件 〜調査報告1〜

智和:「夏樹、俺達が見ているのを知ってわざと美雪に迫っただろう?」

私は夏樹君をみた

夏樹:「別に~。だって美雪、男と電話していたからさ。」

悠一:「へぇ。」

智和:「彼氏?」

美雪:「違います!もー!信頼している探偵から事件の情報を聞いていただけです!」

智和:「夏樹、言い方悪いぞ。」

夏樹:「嘘はついてないよー!」

高貴:「はいはい、情報集めてきたなら報告してくれ。まずは夏樹。」

夏樹:「はーい、近所の奥様方の話だと、殺される2週間前から不審な若い男性がうろうろとしているのを目撃しているよ。

警察にも不審者がいると訴えたけど、事件がない限りは動けないと取り合ってくれなかったと怒っていたよ。

きっと殺された女性のストーカーだって口々に言っていたけど。

顔を見ている人が多かったから、簡単に似顔絵を描いてみた。これだよ。」

美雪:「上手~。」

夏樹:「えへへ。美術部だったからね!」

高貴:「防犯カメラにも似たような顔が写っていたな、悠一。」

悠一:「ええ。たしか・・・2週間前の・・・あぁ、これだね。」

そういってパソコンに映し出されたのは、早朝、うろうろとしている男性の姿だった

華麗にキーボードを叩いていく御堂さん

するとくっきりと顔が映し出された

夏樹君が書いた似顔絵の男性にそっくりだった

美雪:「似ているわ・・・。」

悠一:「今、顔認証システムで犯罪履歴がないか調べているよ。」

美雪:「すごい!」

悠一:「あくまでもハッキングして覗いているからね。でもバレない自信はあるけど。」

夏樹:「情報を下ろしてくれない刑事部が悪いよ。

高貴さーん、総監にせめて捜査資料や認証システムの許可をもらってよ。」

高貴:「そうだな。さすがにハッキングばかりしていたら悠一の負担になるしな。」

父は何を見ているのだろうか・・・ふと父に対して怒りを覚えた

ふと尾ノ上さんが私の眉間を優しく指で押した

美雪:「え?」

大輔:「眉間のしわは心が乱れている証拠だよ。

深呼吸して!」

私は大きく深呼吸をした

大輔:「心身を鍛えれば、いつまでも綺麗な青南君でいられるよ。」

尾ノ上さんの言葉にドキッとした

美雪:「ありがとうございます、尾之上さん。」

大輔:「大輔でいいよ。」

美雪:「はい、大輔さん。

あ!私も美雪でいいですよ。」

智和:「おいおい、いい雰囲気になるなよな。

美雪、俺の事は智和でいいからな。」

美雪:「はい、智和さん。」

悠一:「俺も悠一でいいよ。」

美雪:「はい、悠一さん。」

高貴:「はいはい、呼び方が決まったところで、話を戻す。大輔、おまえの聞き込みの報告を。」

大輔:「はい。現場の真向かいに住んでいる老夫婦の話では、男性が老夫婦に「向かいのマンションに住む、牧村容子のことを知っているか?」と聞かれたそうです。

そんな人は知らないというと、男性は何もお礼を言わずに立ち去ったそうです。」

高貴:「そんな目撃情報は刑事部からは上がっていないな。」

大輔:「怖い顔をした刑事の態度が不快だったみたいで何も知らないと伝えたそうです。

舌打ちされたとおっしゃっていました。」

夏樹:「相変わらずだね、刑事部は。」

これも父に報告ね

高貴:「美雪君は何か分かったことはあるかい?」

美雪:「はい、牧村容子さんは2ヶ月前に恵比寿の今のマンションに越してきましたが、

その前までは銀座「エリザベス」というお店でホステスをしていたそうです。

その時にしつこくつきまとわれた男性と口論になり、お店に迷惑をかけたくないという理由でお店を辞めたそうです。

男性は牧村さんの家も知っていたため、恵比寿に引っ越しをしたそうです。

男性はお店では「たかし」と名乗っていたそうです。」

高貴:「有力な情報だね。よし、俺と智和で銀座「エリザベス」に聞き込みだ。

この似顔絵を持っていくぞ。」

智和:「へーい。じゃあ車回してきます。」

そういって壁に掛かっている鍵をとると、部屋を出て行った

悠一:「智和は車の運転が得意なの。」

美雪:「そうでしたか。」

高貴:「悠一は防犯カメラの調査を続けてくれ。残りは待機。」

夏樹:「はーい。」

大輔:「了解しました!」

美雪:「かしこまりました。」

高貴さんは颯爽と部屋を出た

美雪:「すみません、ちょっと電話をしてきます。」

夏樹:「まーたしま君って人?」

美雪:「違うわ。家に電話。」

私は部屋を出ると、外に出て周囲を確認し電話をかける

由香:“あら、美雪、どうしたの?”

美雪:「お母さん、今日はお父さんの帰宅時間聞いた?」

由香:“ええ。20時すぎだろうって。健一さんに伝えておく?”

美雪:「うん。大事な話があるからって伝えて。」

由香:“あら、どんな話かしら。”

美雪:「仕事のこと。じゃあね。」

私は電話を切ると、もう一度周囲を確認し部屋に戻った


健一:「・・・・そうか、そんな事になっていたのか。安元は何も言わなかったな。」

その夜、父に第七の現状を伝えた

美雪:「お父さんが立ち上げた部署でしょう?

みなさんが優秀だからいくつもの事件が解決されたけど、あまりにも周囲からの扱いがひどすぎるわ。特に刑事部と科捜研。」

健一:「分かった。そのことについては早急に対策を立てる。嫌な思いをさせたな。」

拓也:「母さんから父さんに美雪が大事な話をするときいて急いで帰ってきたが・・・よかった。」

美雪:「もー!お母さん!仕事のことだって伝えたじゃない!」

由香:「そうだったかしら?」

白々しい・・・

健一:「俺も由香から「大事な話があるそうよ。」って聞いたときは仕事が手につかなかった。」

美雪:「もー。とにかく!第七のこと、もう少し優遇してあげて。本当に優秀な人達だから。」

健一:「分かった。俺が責任を持ってなんとかする。」

拓也:「父さん、ちゃんとやらないと美雪に嫌われてしまいますよ。」

健一:「それは嫌だ。」

はぁ・・・この家族は・・・

私はため息ばかりついていた


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