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四方山徒然草  作者: 長野晃輝
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「雨」

雨」


 時折、無性に雨が恋しくなる。

 大地に潤いが必要なように、人間にも雨が必要なのだろうか。

 雨は苦手だ。湿度は高くなるし、洗濯物は乾かない。傘を差していても濡れる。雨でぐちゅぐちゅになった靴や靴下は気持ちが悪いものだ。

 その雨が恋しいとは如何なる所以か。

 雨は必要だ。

 雨水を貯水して生活に役立てている。人は水が無ければ生きられない。

 それはもちろんだが、もっと個人的理由で雨が恋しくなる。

 昔から雨の音を聞いたり、雨水で波打つ水溜まりの見ていると少し癒されるのだ。

 雨のサーっという音だけが響く空間は孤独であっても落ち着いている。

 川のせせらぎと似ているように思える。

 静かに水が動く音はそのような効力を持っているのだろうか。

 普段暮らす場所で自然にその音を聞ける状態は雨の日ぐらいに思える。他はわざわざ自分から条件を整えなければならない。それように水を流してみたり、自分から清流を探し求めてみたりと手間がかかる。

 不意の雨なんかでそういうのに触れる方が楽しいように思える。

 まぁ、洗濯ものを天日干しした日に限って雨が降ったりするので、楽しんでばかりもいられないのは事実ではある。




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