「過去話③ 初恋④」
「過去話③ 初恋④」
初恋とはそれと気づかぬ間に終わってしまっている。
わたしは転校してMと会えなくなった。
会えなくなって、何度もMの笑顔を思い出す日が増えた。
わたしは本当にMの笑顔を追いかけていたんだ。
あの笑顔が自分に向いているのが心地良くて、触れたくて、追いかけていたんだ。
転校した後、何度か地元の友達の元へ遊びに行った時に、Mが転校したのを知った。
地元に戻ればまた会えるなんて甘い幻想を抱いていた。
当時はメールも携帯もなく、Mと連絡を取る手段がなかった。
というのは言い訳だ。
母はコミュニティを広げるのが得意な人で、Mの引っ越し先も知っていたし、当時だって手紙はあった。その気になれば彼女とコンタクトを取ることもできただろう。
結局わたしはどこかホッとしていたのだ。
Mに会えないから、わたしは振られることもない。
失恋しなければ、永遠にMの笑顔に幻想を見続けられる。
あの笑顔を自分のものにし続けられる。
そんな馬鹿馬鹿しく暗いのがわたしの本質なのだろう。
地元の友人たちと疎遠になってしまったのも、結局わたしは怖いだけなのだ。
わたしが友人と思っていた彼らは友人だったのだろうか。それを確かめるのが今でも恐ろしい。
臆病なまま初恋は忘れられた瘡蓋のように心に張り付いたままだ。
ひっぱり続けた初恋は取り敢えず終わりです。
借金2のままなのでもっと頑張りたいです。




